【THAI FIGHT】グローブ無し=カッチューアでも、タイ勢強し
【写真】ガチガチにバンテージで固められた拳、グローブ無しのムエタイルール=カッチャーアが数多く組まれ、サイヨークもさすがの強さを見せつけた (C)HiroshiSoda
6月28日(土・現地時間)マカオのザ・ベネチアンリゾート内コタイ・アリーナで開催されたTHAI FIGHT「WORLD BATTLE ASIA VS EUROPE」。
THAI FIGHTは2010年からスタートしたムエタイのビッグイベント。「ムエタイを賭けではなく、エンターテイメントとして世界に広める」というコンセプトで旗揚げし、翌2011年からはタイだけでなくフランスや中国でも大会を開いてきた。同年8月には日本進出も果たし、ブアカーオ・ポー.プラムック(現バンチャメーク)、MMAファイターの郷野聡寛らも出場している。
現在、THAI FIGHTでは通常のムエタイルールだけでなく、グローブを着用せず拳にバンテージを巻いて戦うカッチューアルールの試合を実施。今大会では通常のムエタイルールより、カッチューアルールでの試合が多く組まれた。アジア×ヨーロッパという括りながら、マッチメークの中心に据えられたのはタイ×ヨーロッパの対抗戦。素手であってもムエタイルールであれば、タイ勢が圧倒的な強さを見せつけた。
プロムエタイ、WMC、ラジャダムナンスタジアムのベルトを巻き、海外での試合経験も豊富なサイヨーク・プームパンムワンはベルギーのアルカ・マテワを1Rから圧倒。2Rに右ボディからの左ヒジでマテワをぐらつかせると、左ミドルとパンチでボディを攻め、顔面にヒジ打ちを叩き込む。3Rには試合を流す余裕の試合運びでマテワを下した。
サイヨークと同じく海外でも活躍するスッサコーン・ソー・クリンミーもスペインのヒシェム・メナウィンを寄せ付けない。1Rに左フックと右ストレートで2度のダウンを奪うと、2Rはパンチとヒジ打ち、首相撲でメナウィンを攻め込む。3Rもバックヒジや首相撲からの豪快なこかしを見せ、はっきりと実力差を見せつけた。
試合のインパクトという部分で、最も印象に残る勝利を収めたのはリビアのファディ・アブゥドをKOしたヨーセングライ・フェアテックスだろう。ヨーセングライはWBCムエタイ、ルンピニーなど数々のタイトルを手にし、ブアカーオと共にタイの中量級を代表するビッグネーム。
試合が始まるとヨーセングライは右フックと左ストレート、左ミドルでプレッシャーをかけて、右アッパーと右フックで2度のダウンを奪う。2Rに入っても攻撃の手を休めないヨーセングライは左ミドルからパンチをまとめ、左ストレート→右フックでダウンを奪うと、最後はガードごと吹き飛ばすような左ハイキックでアブゥドをマットに沈めた。
そんな中でタイ勢に一矢報いたのがスイスのクリストフ・プルボー。かつて日本のスクランブル渋谷に所属し、全日本キックボクシング連盟のウェルター級王座にも就いたことがあるプルボーはイッキュウサン・コー・ルンタナギャットとパンチ&ヒジ打ちでやりあい、首相撲でも真っ向勝負。延長Rまでもつれる接戦となったが、最後は何度もイッキュウサンをロープに押し込み、首相撲で転ばせ対タイ人では唯一のヨーロッパ勢に勝利をもたらせた。
■THAI FIGHT 「WORLD BATTLE ASIA VS EUROPE」試合結果
【写真】UFCも使用するコタイ・アリーナ。多くの観客が集まっている(C)HiroshiSoda
<カッチューアルール/71kg契約/3分3R>
スッドサコーン・ソー・クリンミー(タイ)
Def.3-0
ヒシェム・メナウィン(スペイン)
<カッチューアルール/70kg契約/3分3R>
ヨーセングライ・フェアテックス(タイ)
Def.2R by KO
ファディ・アブゥド(レバノン)
<カッチューアルール/71kg契約/3分3R>
サイヨーク・プムパンムアン(タイ)
Def.3-0
アルカ・マテワ(ベルギー)
<カッチューアルール/70kg契約/3分3R>
クリストフ・プルボー(スイス)
Def.3-0
イッキュウサン・コー・ルンタナギャット(タイ)
<カッチューアルール/58kg契約/3分3R>
ミン・タン(中国)
Def.3-0
大田原友亮 (日本)
<カッチューアルール/56kg契約/3分3R>
ジ・ガンジャン(中国)
Def.3-0
大田原虎仁(日本)
<ムエタイルール/72kg契約/3分3R>
アントワン・ピント (フランス)
Def.1R by KO
ジドン・ズー(中国)
<ムエタイルール/59㎏契約/3分3R>
リオ・ピント (フランス)
Def.3-0
ケネス・リー(中国)