【2014 JJJC】15年目の全日本、黒帯無差別優勝は白木大輔
【写真】 15度目の全日本、黒帯オープンクラスの頂点は白木大輔が立った。
柔術家日本一、アカデミー日本一を決する大会である日本ブラジリアン連盟(JBJJF)主催『第15回全日本ブラジリアン柔術選手権大会』が6月22日(日)、東京練馬区の光が丘体育館で開催された。
Text & Photo by Hiroyuki Kato
開会宣言で中井祐樹IBJJF会長は、「選手、関係者の皆様の協力により、15年に渡り全日本柔術選手権を続けてきましたが、今年初の世界チャンピオンを出しました。新たな門出に立ちました。日本ブラジリアン柔術連盟では今後はカードの簡素化など改革を進めていきます。日本連盟は変わっていきます」と“改革”を宣言。その第1弾が現在募集中の東日本選手権の柔術世界王者レアンドロ・ロ参戦、連盟カード登録なしのフリー参加者募集などだろう。
大会当日、午前中は青帯、紫帯が中心になり、紫帯ルースター級ではヨーロッパ選手権を制した澤田伸大(トライフォース柔術アカデミー)が登場。しかし、世界柔術でも一回戦を突破するなど実力を伸ばす渡邉翔平選手(ポゴナ・クラブジム)にポイント4-4のレフリー判定で破れる波乱がいきなり見られた。ライト級でも世界2位のホブソン・タンノ(IMPACTO JAPAN BJJ)が、若干19歳の峯岸零弥(パラエストラ)にポイント18-0で破れる。本命の相次ぐ敗北は、若き紫帯世代の充実ぶりを感じさせた。
午前の部を終え休憩時間には、先日の世界柔術選手権で女子黒帯ルースター級において、日本人初の優勝を果たした八木沼志保(ネクサセンス)の表彰式が行われた。「お陰様で世界柔術選手権で優勝することができました。日頃からお世話になっている練習仲間の皆様、そして指導者の皆様に感謝いたします。私はまだ弱いので、技術的にもまだまだなので。今後も皆様の指導、宜しくお願い致します」と八木沼志保は語った。
午後になると茶帯・黒帯部門が始まり、カイオ・テハのキャンプに参加するなどテクニシャンの玉木強選手(CARPE DIEM)が茶帯フェザー級決勝に勝ち上がるも、国内で元全日本3連覇・中村大輔らと練習をする鍵山士門(デラヒーバジャパン)のパスガードを許してしまい、最後は腕十字で敗退。鍵山はこの優勝で黒帯昇格を果たした。
そんな茶帯で会場の視線を集めていたのはGROUND CORE所属で、プロ柔術「MATSURI」、『Ground Impact REVIVAL』の活躍により、茶帯#01の呼び声高い世羅智茂だった。世羅は茶帯ライト級ではワンマッチ決勝でアレッサンドロ・エトー(インファイトジャパン)を15Pリードと圧倒した末に、残り10秒で腕十字を極めた。続いて無差別級でも元NO-GI全日本王者の神田崇広選手(GRABAKA柔術クラブ)を相手に、常に一本狙い続ける動きでサイド、マウントを奪うなど20-8という大差で圧倒し続け、世羅は2冠に輝いている。
黒帯では世界柔術で最終日に残った面々が、実力を発揮した。まずはルースター級は芝本幸司(トライフォース柔術アカデミー)が江崎壽(パラエストラ)に下の攻防からスイープで勝利。芝本は全日本選手権3連覇成し遂げたが、試合後に首を傾げ自分の納得いかぬ表情を見せた。
ライトフェザー級決勝は金古一朗(ポゴナ・クラブジム)×山田秀之(デラヒーバジャパン)という世界柔術帰りの2人が対戦した。道場間の壁を崩し世界を目指す選手が集まるトライフォース・コンベクラスに参加し、手の内を知り尽くす両者。終盤まで山田が勢いある動きで1アドバンをリードしていたが、残り20秒で金古がスイープで逆転。過去も全日本3連覇を達成した。
フェザー級決勝は塚田市太郎(DAMM FIGHT JAPAN)×加古拓渡(グラップリングシュートボクサーズ)という昨年と同じ顔合わせに。試合はいつものように塚田が上、加古が下という展開になると、序盤に塚田がパスを仕掛けアドバンで先制する。その後も加古のベリンボロなど下のつくりを一つ一つ絶ちながら、自分も仕掛けの手を休めずタイムアップへ。ポイント0-0(アドバン1-0)で塚田の2連覇となった。
巴戦となったライト級は、チャールズ・ガスパー(IMPACTO JAPAN BJJ)が1回戦で敗れた廣瀬貴行(パラエストラ)を相手に、残りタイム10秒でバックを奪い逆転優勝。廣瀬はほぼ完璧な試合運びを見せながらも、場外際で一瞬集中力が切れたところを突かれた形となった。チャールズは昨年ミディアムヘビー級を制しており、これで全日本2階級制覇になった。
オープンクラス決勝は白木大輔(SAD)と細川顕(ALIVE)という元同門が勝ち残ったものの、今も練習仲間ということもあり、優勝をシェアすることに。ジャンケンで勝った白木が優勝となった。白木は2回戦で西林浩平(リバーサル新宿Me,we)を絞めで、準決勝も階級別2連覇の塚田市太郎を完璧パスして腕十字と2試合連続で一本勝ちしており、国内敵なしを印象づけた。
団体優勝は2008年以来、中井祐樹率いるパラエストラが6年ぶりに王座奪還。全国の支部から精鋭を集め、青から茶まで入賞者の多さが団体優勝の決め手となった。
■第15回全日本ブラジリアン柔術選手権大会・黒帯アダルトの部結果
【ルースター級】
1位 芝本幸司(トライフォース柔術アカデミー)
2位 江崎壽(パラエストラ)
3位 戸所誠哲(パラエストラ)、澤田真琴(DRAGON’S DEN)
【ライトフェザー級】
1位 金古一朗(ポゴナ・クラブジム)
2位 山田秀之(デラヒーバジャパン)
3位 武林佑(G-FREE)、平尾悠人(X-TREME柔術アカデミー)
【フェザー級】
1位 塚田市太郎(DAMM FIGHT JAPAN)
2位 加古拓渡(グラップリングシュートボクサーズ)
3位 水洗裕一郎(X-TREME柔術アカデミー)、ミケヤス・トシオ・アサダ(IMPACTO JAPAN BJJ)
【ライト級】
1位 チャールズ・ガスパー (IMPACTO JAPAN BJJ)
2位 廣瀬貴行(パラエストラ)
3位 細川顕(アライブ)
【ミドル級】
1位 白木大輔(SAD)※
【アダルト黒帯オープンクラス】
1位 白木大輔(SAD)
2位 細川顕(アライブ)
3位 塚田市太郎(DAMM FIGHT JAPAN)、中村勇太(T-REX柔術アカデミー)
※1人トーナメント優勝
【団体】
1位 パラエストラ
2位 IMPACTO JAPAN BJJ
3位 トライフォース柔術アカデミー