【VTJ5th】フライ級T決勝進出スクラヴォス 「1Rからペース握った」
【写真】VJTフライ級トーナメント決勝進出を決めたシーザー・スクラヴォス(C)TAKUMI NAKAMURA
28日(土)大阪・ BODYMAKERコロシアム第2競技場で開催された「VTJ 5th in OSAKA」。今大会では2・23「VTJ 4th」からスタートしたVTJフライ級(125lbs/56.7kg)トーナメントの準決勝2試合が行われ、現修斗世界バンタム級(56kg以下)王者・神酒龍一とシーザー・スクラヴォスが対戦した。
<VTJフライ級T準決勝/5分3R>
シーザー・スクラヴォス(米国)
Def.3-0:30-27. 30-27. 30-27
神酒龍一(日本)
昨年、修斗で悲願の世界王座を獲得した神酒。トーナメント1回戦ではDEEPを主戦場にする前田吉朗との日本人対決を制し、準決勝に駒を進めた。一方のスクラヴォスは優勝候補の一角に目されていたマモルをリアネイキッドチョークで秒殺するビッグインパクトを残している。
1R序盤からスクラヴォスはパンチをまとめて左ミドルと、打撃で前に出る。さらに左フックからシングルレッグでテイクダウンし、バックをうかがいつつ三角絞めを狙うなど、グラウンドでもスピーディな動きを発揮した。神酒もインローと左ミドルを蹴って、テイクダウンを試みるが、スクラヴォスに距離を支配され、打撃のプレッシャーを受ける。
2Rに入るとスクラヴォスが左ジャブ・左フックからパンチをまとめ、神酒が打ち合いに応じてもギロチンチョークからトップキープと、常に先手を取り続ける。神酒も果敢にジャブから前に出て左ミドルを蹴るが、スクラヴォスはペースを変えずにパンチを打ち返し、テイクダウンの攻防でも神酒を上回る。終盤はスクラヴォスがバックキープ、トップキープを続けた。
3R、セコンドから「下がるな!」と檄を飛ばされた神酒は意を決して打ち合い、返しの右ストレートや左フックをヒットさせる。さらにテイクダウンも成功させ、スクラヴォスの起き上がり際に三角絞め。これは失敗したものの、スタンドでは真っ向から打ち合い、スクラヴォスのパンチをもらいながらも、ヒザ蹴りでスクラヴォスの目尻を切り裂いた。しかし、神酒のテイクダウン狙いからスクランブルの攻防になると、最終的にスクラヴォスがバックキープしてRNCへ。この態勢で試合終了となり、スクラヴォスが判定勝利した。
前回は秒殺勝利という形で強さの一端を見せたスクラヴォス。今回の試合は5分3Rフルに戦ったことで、事前に評価の高かった打撃やスクランブルの強さなど、MMAファイターとしてのトータル的なレベルの高さを見せる結果になった。勝利者インタビューでは「こうして日本で2度も戦えることが出来て光栄だ。日本で戦うことは本当に楽しいし、ファンのみなさんにはありがとうと言いたい」と日本のファンにメッセージを送っていたスクラヴォス、試合後の控室でも快くインタビューに応じてくれた。
【写真】神酒はスクラヴォスが前回がサウスポーだったが、今回はオーソドックスだっため戸惑い、そのままリズムを握ることができなかった模様だ(C)TAKUMI NAKAMURA
「すごくうれしくてハッピーな気持ちだよ。これでまた10月に日本に戻ってきてファイトすることが出来る。本当に光栄なことだね(※トーナメント決勝は10月4日)」
――対戦相手の神酒選手にはどんな印象を持ちましたか。
「彼はとてもタフガイでフィニッシュするのが難しかったよ。彼は今まで一本負けしたことがなくて、僕がミキをタップさせた最初の男になりたかったんだけど、それは叶わなかったね」
――1Rからコンパクトな打撃でペースを掴んでしましたが、あれは作戦だったのですか。
「僕のスタイルはスタンドでもグラウンドでも攻め続けて、対戦相手を休ませないスタイルだ。僕自身そういう戦い方を好んでいるし、今回も1Rから自分のペースで戦えたんじゃないかなと思う」
――手応えのある攻撃はありましたか。
「何回もあったよ! ただミキがあまりにも頑丈で倒すことは出来なかった(苦笑)」
――試合終了間際のRNCも極めづらかったですか。
「う~ん…相手がミキだからということではなく、あのポジションになっても正しい動きをすれば、脱出するのは可能だということだね。まぁ、今となっては勝利という結果を残すことが出来て良かったと思っているよ」
――トーナメント決勝で戦う扇久保選手にはどんな印象を持っていますか。
「彼はグッドレスラーであり、グッドグラップラーだと思う。ただ僕は相手の攻撃に対して、自分も攻撃を返していくスタイルなので、いい試合になるんじゃないかな。どんな試合展開になるにせよ、試合を支配するのは僕だ。僕が試合を支配してペースを握っていれば、最終的に相手は疲れてしまう。次の試合もいつも通り自分の試合をして勝つつもりだ」
――現在はVTJに参戦中のスクラヴォス選手ですが、MMAファイターとしての目標は何ですか。
「競技者にとって世界一を目指すのは当たり前のことで、もしその世界一の座がUFCのチャンピオンであるならば、僕もそこを目指している。でもだからと言って僕は焦っていないし、目の前の試合に勝って一歩一歩進んでいきたいと思う」
――スクラヴォス選手にとっては2度目となる日本での試合でした。日本で戦う気分はいかがですか。
「すごく最高だよ。欲を言うなら、もう少し早く来日して観光したいんだけど(笑)、フルタイムで仕事をしてトレーニングをしているので時間をとることが難しい。おいおい時間を作ることが出来たら、試合以外でも日本を満喫したいね。それを抜きにしても日本でファイトすることは本当に楽しい」
――最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。
「日本でファイトしている間に日本のファンが一人でも増えてくれれば本当にうれしい。そして僕のファンになってくれた人たちをがっかりさせないようアグレッシブな試合を見せていくよ!」
■VTJ 5th in OSAKA 試合結果
<135ポンド契約/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
Def.2R3分24秒 by KO
ジョ・ジュンファン(韓国)
<VTJフライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
Def.1R1分20秒 by RNC
カナ・ハヤット(米国)
<145ポンド契約/5分3R>
タクミ(日本)
Def.2R2分28秒 by RNC
美木航(日本)
<155ポンド契約/5分3R>
佐々木信治(日本)
試合中止
岸本泰昭(日本)
※佐々木が試合当日に体調不良となり病院へ搬送。急性胃腸炎・急性腹膜炎と診断された
<135ポンド契約/5分3R>
中村優作(日本)
Def.2-1:29-28. 28-29. 29-28
山本賢治(日本)
<125ポンド契約/3分3R>
KODO(日本)
Def.3R2分25秒 by ギロチンチョーク
伊是名秀宣(日本)
<145ポンド契約/3分3R>
ジャックナイフツネオ(日本)
Def.2-1:29-28. 28-29. 29-28
摩嶋一整(日本)
<145ポンド契約/3分3R>
高野明(日本)
Def.2R0分1秒 by TKO
鷹亜希(日本)