この星の格闘技を追いかける

【2014WJJC】岩崎正寛 「レスリングを取り入れ、フィジカルも」

2014.06.24

Masahiro Iwasaki

【写真】初戦は4-2で勝利した岩崎正寛。2回戦は送り襟絞めで敗れ彼の世界柔術は終わった (C)MMAPLANET

1 日(日・現地時間)に幕を閉じたワールド柔術チャンピオンシップ。世界の頂点が争われたトーナメントには黒帯の部にも多くの日本人柔術家が出場した。

帯制度をとる柔術は、日本ではまだ若いスポーツ。ようやく第一世代が指導者になり、教えることに専念する時代を迎えた。結果、黒帯を修得する年齢が、30代前後というのは珍しくない。そんななか25歳で黒帯を巻き、世界に挑む岩崎正寛。フェザー級に出場した彼は世界柔術初勝利を挙げたものの、2回戦で一本負けを喫した。岩崎が感じたワールド、そしてこれからを語ってもらった。

――2回戦負けに終わった結果をどのように捉えていますか。

「僕はワールドで勝ったことがなかったので、2回戦に進めたことはワンステップ上がったと捉えるようにしています。でも、所詮は2回戦負けです。悔しくて、昨夜は眠ることができませんでした」

――その悔しい気持ちをもって、各階級の決勝戦の模様を目の当たりにして、どのような感想を持ちましたか。

「決勝に限らず、自分が注目している選手の試合を眺めていると、やっぱり羨ましいと感じました。実は僕、吉岡大さんを尊敬していて、大さんの試合を一番注目していたんです。あの大さんとパウロがやるっていうのは、凄く気になっていました。蓋を開けてみると、パウロの勝ちだったのですが、あの仕掛けを凌いだことに凄く感動しました。

頂きは高いです。でも、ちょっと思ったのが……、今大会からルール変更もあり、ゲームになって動きが増えていました。だからゲームをしっかりと考えて組み立てていけば、ちゃんと勝負できるようになっていけると思ったんです。ゲームがベリンボロ・ゲームになりかけていた――、2人がお尻をつけて戦うのが柔術という風になりかけていたのが、また攻防が生まれ始めました。僕らのような古いスタイルの柔術家でも勝てるんじゃないかという風に見えました」

――日本に戻って、どのように今後に備えますか。

「レスリングですかね。組技の基礎、テイクダウンはあまり見ないかもしれないですが、やっぱり立ち技も必要だと思いました。組んだ瞬間を見過ごしがちになっていますし、まだ皆が気付いていない部分がある。だから、そこを先にどう取り組むのか。今後、勝つポイントになってくるかと思います。

それと何よりも大事なのはフィジカルですね。柔道家、レスラーのような強靭な肉体があってこそ、成し得る技もある。オターヴィオ・ソウザはレスリングもできるし、レアンドロ・ロも凄いフィジカルをしている。彼らは柔術家だけど、ひ弱じゃないと思いました。うん。でも頂点に立つ人間として、それが当然なんですよね。

単に寝技をゴロゴロとやっていてフィジカルが強くなるかというとそうじゃない。やっぱり力がつくような組技をやらないと。ちょうどそこにレスリングが入って来たので、自分でも良いタイミングだと思っています」

――フィジカル&コンディショニング・トレも重要になってきますね。

「もちろん、ウェイト・トレは必要です。ただ、ウェイト・トレによって何を得られるようにするのか。それが力なのかスタミナなのか。僕がやる理由は力の使い方を覚えるためです。本来、格闘家が良いパフォーマンスを出すためには、ウェイト・トレにしてもコンディショニングにしても、体の使い方を覚えることが軸だと思います。柔術でエビをやるのも腕立て伏せをやるのも、バーベルでベンチプレスをやるのも全部同じ。体がより柔術に使えるよう……、組技に使えるようにするのがトレーニングだと思います。ただし、学習ができないような……自分が苦しむだけのトレーニングは要らないと僕は思っています」

――岩崎選手は25歳、日本では非常に若い黒帯ですが、世界に出てみると同世代はいくらでもいました。

「そうですね、頑張ります。ありがとうございました」

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