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【ADWP】アブダビプロ重量4階級、本命4人が強さ見せる

2014.04.27

17日(木・現地時間)から19日(土・同)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のFBGアリーナで行われたアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2014。今回は黒帯アダルト階級別(優勝賞金8000ドル)のうち、重量4階級――アンドレ・ガルバォン、ブラウリオ・エスティーマ、ホドウフォ・ヴィエイラ、マーカス・ブシェシャ・アルメイダら本命が強さを見せた――をお伝えしたい。

【88キロ以下級】

【決勝】
アンドレ・ガルバォン(アトス)
Def. 2-0
ホムロ・バハル(バッハ)

本命2人による決勝戦。先日のパン選手権にて最重量級と無差別級の二階級制覇という偉業を成し遂げたガルバォンは、すぐに引き込んでディープハーフガードを作ると、そこから勢い良く体を起こしてスイープに成功、先制点を奪ってみせた。下になったバハルも、ここからが本領とばかりに代名詞であるスパイダーガードを作ってゆく。しかし、座り込んだガルバォンは、両足担ぎの形を作るなど常に低く体重をかけてゆくことでバハルの動きを封じてゆく。バハルとしては、なかなか有効なスイープの仕掛けを作れないまま時間が過ぎていった。

残り時間30秒を切った所で、バハルはついにスパイダーグリップからガルバォンの左腕を高く上げさせることに成功。そこからスイープを仕掛けてガルバォンを前に崩すが、追い付かれたくないガルバォンはすかさず立ち上がる。ならばとバックに回ったバハルは、ガルバォンの片足を抱え、持ち上げてテイクダウンに。腹這いに落とされたガルバォンが、動きを止めずに立ち上がろうとしているところで時間切れ。

結果、最後のバハルの猛攻はポイントとしては認められずアドバンテージどまり。序盤にきっちりとポイントを奪ったガルバォンが、逃げ切る形でこの階級を制した。

【94キロ以下級】

本命のブラウリオ・エスティマ(バッハ)は、準決勝にて最大の難敵と見られたキーナン・コーネリアスから僅差で勝利、タルシシオ・ジャーディン(チェッキマット)との決勝にコマを進めた。

【決勝】
ブラウリオ・エスティマ(バッハ)
Def. 三角絞め
タルシシオ・ジャーディン(チェッキマット)

試合開始早々引き込んだエスティマは、左手と左足で相手の右前腕をスパイダーで捕らえて前方に崩してスイープで先制。その後も自ら下になると、相手の裾を引き出してのギャラクシーガードで相手をコントロールする。ジャーディンが体勢を低くして担ごうとすると、エスティマは裾のグリップを離して背中越しに相手の帯を掴んでジャーディンの姿勢を固定。素早く三角絞めを仕掛けて貫禄の一本勝ちを果たした。

【100キロ以下級】

世界最強のヘビー級戦士ホドウフォ・ヴィエイラに、先日のパン選手権で初優勝を果たして波に乗るルイス・パンザが挑む形となった。

【決勝】
ホドウフォ・ヴィエイラ(GFチーム)
Def. 腕十字
ルイス・パンザ(バルボーザ)

積極的なサブミッションの仕掛けが身上のパンザは、すぐに引き込んで片襟を掴んだオープンガードに。しかし、膝を入れて落ち着いたヴィエイラはすぐにハーフまで進め、低く体重をかけてパンザの動きを潰してゆく。やがて完全に胸を合わせてパンザの上半身の動きを制したヴィエイラは、パンザがかろうじて絡めている足を膝から抜いてマウントへ。ここでもヴィエイラは上半身で低く体重を掛け続け、パンザは全く動けない。ヴィエイラは隙間をほとんど作らず、パンザの動きを完全に止めたまま体を少しずつ前方に移動し、左腕を取って十字へ。腕を完全に伸ばす必要すら無くパンザはタップした。

世界トップレベルに食い込んで来ているパンザ相手に、黒帯が青帯を極めるような形で圧勝したヴィエイラ。その恐るべき地力をまざまざと見せつけた一戦だった。

【100キロ超級】

最重量級は、世界最強の柔術家ブシェシャことマーカス・アルメイダと、進境著しいデンマークのアレキサンダー・トランスによるチェッキマット勢同士の決勝戦となった。

【決勝】
マーカス・アルメイダ(チェッキマット)
Def. 2-0
アレキサンダー・トランス(チェッキマット)

試合開始と同時に、ブシェシャが豪快になぎ倒し2点を先取。同門対決から来る遠慮など微塵も感じさせないアグレッシブさだ。機先を制されたトランスも、負けじとすぐに十八番のディープハーフの形を作る。ブシェシャの股間に潜り込んで揺さぶりをかけるが、リーチのあるブシェシャは長い左手をマットに付けて支点とすることで立て直す。

まるでかつてのジェフ・グローバーの試合を見ているような、相手の腿を枕にするディープハーフで仕掛け続けるトランスだが、要所で左腕をポストするブシェシャの体勢を崩せない。終盤には下からの足関節に狙いを変えるが、ブシェシャの長く重い足を伸ばし切れないままタイムアップ。持ち前の爆発力を序盤に発揮し、確実に加点したブシェシャの貫禄勝ちとなった。片やトランスは、パン選手権の最重量級や無差別級に続きここでも世界最高峰の壁を破れず。軽量級ばりの下からのテクニカルな仕掛けを持つこの選手が、パン大会で敗れたロ、ガウヴァオン、そしてこの日戦ったブシェシャが持っている一瞬の爆発力をいかに制するか、今後に期待したい。

■アブダビプロ2014 重量級4階級の結果

【88キロ以下級】
優勝 アンドレ・ガルバォン(アトス)
準優勝 ホムロ・バハル(バッハ)
3位 ヘナート・カルドッソ(チェッキマット)

【94キロ以下級】
優勝 ブラウリオ・エスティマ(バッハ)
準優勝 タルシシオ・ジャーディン(チェッキマット)
3位 キーナン・コーネリアス(アトス)

【100キロ以下級】
優勝 ホドウフォ・ヴィエイラ(GFチーム)
準優勝 ルイス・パンザ(バルボーザ)
3位 イゴール・シウバ(コマンドグループBJJ)

【100キロ超級】
優勝 マーカス・アルメイダ(チェッキマット)
準優勝 アレキサンダー・トランス(チェッキマット)
3位 ヒカルド・エヴァンゲリスタ(コマンドグループBJJ)

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