【UFC140】ジョーンズ勝利だと見えてくるLH級長期政権
いよいよ開催が迫ってきたUFC140「Jones vs Machida」、10日(土・現地時間)にトロントのエアーカナダ・センターで行われる同大会のメインは、UFC世界ライトヘビー級選手権試合ジョン・ジョーンズ×リョート・マチダの一戦だ。
【写真】 フィジカルだけでなく、若さと将来性を併せ持つジョン・ジョーンズ。この試合の結果如何で、長期政権樹立も大いにあり得る (C) GONGKAKUTOGI
タイトル制定当初、ミドル級と呼ばれていたUFC世界ライトヘビー級王者は、延べ12人誕生しているが、複数回防衛を果たしたことがあるのはフランク・シャムロック、ティト・オーティズ、チャック・リデルの3名のみ。
リデルを陥落させたランペンジ・ジャクソン以降の王者で、初防衛に成功しているのは、そのランペイジとリョート、そしてジョーンズの3名で、過去5年に渡り2度の王座防衛を果たしたチャンピオンは現れていない。
そんなライトヘビー級戦線で、ジョーンズがリョートを破って防衛に成功すると、この戦乱の時代は終わりを告げ、長期政権が築かれる可能性が高い。実力者が集まるライトヘビー級だが、トップコンテンダーの位置にあるファイターは、押しなべてチャンピオン経験者ばかり。
それ以外のファイターだと、TUF8優勝のライアン・ベイダーがいるが、既にジョーンズに敗れており、新しい世代でコンテンダーといえるのはフィル・デイビスぐらいのもの。
そのデイビスは、1月21日のFOX02大会でラシャドと戦うことが決まっている。ここでラシャドを下せば、世界王座に挑むことが予想されるデイビスに続く非タイトル経験ファイターは、ブランドン・ベラやアレクサンダー・グスタフソンのクラスになってしまう。
先に挙げたチャンピオン経験者に相当するランペイジ、フォレスト・グリフィン、エヴァンズ、マウリシオ・ショーグン、そしてリョート、5人の平均年齢は32歳で、全員がオーバー30。
一方の王者は、24歳。これからの成長を考えると、明日の一戦でリョートを寄せ付けないような強さをジョーンズが見せれば、潰し合いを続けてきた元王者たちとは力の差は急速に縮まることは考えられず、逆に差が広まることが容易に想像できる。
ダン・ヘンダーソンという、41歳のスペードのエースが存在するが、ジョーンズの牙城に迫ることができる可能性を持つファイターを見つけることは困難になる。
【写真】カラテの神髄という、非スポーツ的な部分を期待したくなるリョートとその家族たち (C) MMAPLANET
フィジカルで大いに挑戦者を上回る若き王者ジョーンズに対し、リョートが勝機を見出すのはスタンドの一瞬の隙をついた打撃。試合で追い込まれたことがないため、寝技で劣勢になったときにジョーンズがどのような対応を見せることができるのか、未知の部分がないわけでもないが、まずは、王者有利という見方がなりたつ。
そんな現実の前で、リアルでファンタジーさを併せ持つリョートに期待したいのは、現実感のないファイト。マチダ・カラテの持つ、奥深さを見せることがえきるか――だ。
■UFC140対戦カード
<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョン・ジョーンズ(米国)
[挑戦者]リョート・マチダ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
フランク・ミアー(米国)
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ティト・オーティズ(米国)
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
クロード・パトリック(カナダ)
ブライアン・エバーソール(米国)
<フェザー級/5分3R>
マーク・ホーミニック(カナダ)
ジョン・チャンソン(韓国)
<ライトヘビー級/5分3R>
クリストフ・ソジンスキー(カナダ)
イゴール・ポ゚ラヤック(クロアチア)
<ミドル級/5分3R>
ジャレッド・ハマン(米国)
コンスタンチノス・フィリッポウ(キプロス)
<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
デニス・ホールマン(米国)
<バンタム級/5分3R>
イーブス・ジャボウィン(カナダ)
ウォーレル・ワトソン(米国)
<ライト級/5分3R>
マーク・ボセック(カナダ)
ニック・レンツ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
リック・アットニート(米国)
ジェイク・ヘフト(米国)
<ライト級/5分3R>
ミッチ・クラーク(カナダ)
ジョン・コリッシュ(米国)