【UFC91】ライト級トップ争い&“柔術セレブ”がPPV登場
11月15日(土・現地時間)ラスベガスのMGMグランドガーデンアリーナで開催される『UFC91 COUTURE vs LESNAR』。メインイベント、UFC世界ヘビー級選手権試合ランディ・クートゥアー×ブロック・レスナー以外のマッチアップの見所は?
【写真】UFCライト級戦線にあって最も完成度の高いファイターの一人、ケニー・フロリアン (C) ZUFFA
メインで行われるランディ・クートゥアー×ブロック・レスナーという超目玉カードの存在、そして、開催場所がラスベガスということで、この他のカードはかなり抑えめになっていることは否めない。エンターテインメントのメッカ、ラスベガスでのイベントはPPV開始以前の客入りは、かなり悪く、ガラガラの観客席という表現を使うことができる大会も決して少なくない。なによりも、かなりの高額のシートでもメイン&セミ前まで空席が目立つことも珍しくないのが、ラスベガスなのだ。
これはボクシングでいくらアンダーカードに世界戦をもってきても、全く客足が伸びない現象に類似している。
言い換えれば、メイン目当てで客が集まる――、それがベガス・スタイル(興行収入はPPVがメインでチケットセールスではない――という見方)だ。
そんなイベント・スタイルの典型ともいえる今大会だが、ライト級のケニー・フロリ
アンとジョー・スティーブンソンの対戦は見逃せない。
立ってはムエタイ・スタイル、寝ては柔術的な動き。決して消極的にならない間合い
のコントロールが絶品のケン・フロは、UFCライト級戦線にあって最も完成度の高いファイターの一人だ。
対するスティーブンソンは、UFC切ってのギロチン・マスター。最近、柔術の黒帯を取得したばかりのグラップラー。打撃ではケン・フロに遅れをとるが、いかにテイクダンをし、自分のペースで寝技に持ちこむことができるか。
ともにタイトルに挑戦し敗れた経験を持つ二人――、TUF1ファイナリストと、TUF2ウィナーの対戦は、勝者が先のシカゴ大会で、タイソン・グリフィンを寄せつけなかったショーン・シャークと対戦するというタイトル・ロードが用意されている。
【写真】MMAキャリアは、8戦8勝7つの一本、TKO勝ち。“柔術セレブ”の異名をとるグラップラー、デミアン・マイア (C) ZUFFA
また、ライト級のトップコンテンダー対戦と同様に注目したいのがミドル級のネイト・クォリー×デミアン・マイア戦――、いやデミアン・マイア、その人だ。
UFC3戦3勝、3つの一本勝ち。MMAキャリア全般においても、8戦8勝7つの一本、TKO勝ちという結果を残しており、05年に柔術ワールドカップ(コパドムンド)を制し、07年にはADCCサブミッションレスリング世界選手権の88kgを制している典型的なグラップラー。
甘いマスクで“柔術セレブ”の異名をとるマイアが、グラップリングという現代MMAで
は日陰の存在を武器に、どこまで伸し上がることができるか。PPVラインナップに初めて登場するクォリー戦は、グラップリング好きにとって、祈るような気持ちで見守りたい一戦となる。
■『UFC91』全対戦カードは下記の通り
<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ランディー・クートゥアー(米国)
[挑戦者]ブロック・レスナー(米国)
<ライト級/5分3R>
ケニー・フロリアン(米国)
ジョー・スティーブンソン(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ガブリエル・ゴンザガ(ブラジル)
ジョシュ・ヘンドリックス(米国)
<ミドル級/5分3R>
ネイト・クォーリー(米国)
デミアン・マイア(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ダスティン・ハザレー(米国)
タムダン・マックローリー(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョージ・グルジェル(ブラジル)
アーロン・ライリー(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェレミー・ステファンズ(米国)
ラファエル・ドス・アンジョス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
アルビン・ロビンソン(米国)
マーク・ボセック(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
マット・ブラウン(米国)
ライアン・トーマス(米国)