【TPF8】ユリシーズ破り、モンタギューが新王者に君臨
<TPFフライ級選手権試合/5分5R>
[挑戦者]ダレル・モンタギュー(米国)
Def.5R終了 by 判定
[王者]ユリシーズ・ゴメス(米国)
ベラトールFCではバンタム級にチャレンジしたが、フライ級でキャリアを重ねる選択をしたTPFフライ級王者ユリシーズ。しかし、相変わらず減量に苦労し、フライ級での試合はこの防衛戦が最後になるという話も伝わってくる。
キャリア8勝1敗、モンタギューの挑戦を受ける防衛戦。試合はモンタギューの左ミドルでスタート。続くユリシーズの左ストレートにテイクダウンを合わせたモンタギューは、ガードを取るユリシーズにパウンドを落し、立ち上がってはローを蹴り込んでいく。
レフェリーがブレイクを命じ、ユリシーズが立ち上がるとモンタギューが左ストレートを伸ばし、さらに左ボディをヒットさせる。左ローを効果的に使い、ユリシーズの前進に合わせ、左を打ち込むモンタギューの左ハイでユリシーズの動きが止まる。
そのまま組み合いに転じるも、モンタギューは距離をとって、左ローを放つ。前に出られないユリシーズはローやミドルを見せるも、モンタギューのプレッシャーを跳ね返すことはできない。再びモンタギューの左が伸び、距離を詰めて左ハイ、ジャンピングニーを繰り出すが、ユリシーズがこれをキャッチしテイクダウンへ。ユリシーズがバックに回り込もうとしたところで、初回が終了した。
右目じりを大きくカットした王者は、ローに左を合わされると、アウトとイン、ローで王者を翻弄するモンタギューのパンチのプレッシャーが続く。しかし、1R序盤のグラウンド戦が頭に残ったからか、それほど前に出ないモンタギューは、左から右を見せてステップバックで距離を取る。
傷口が開いた王者は、目を瞑り、目を気にする仕種を2度、3度と見せた直後に、テイクダウン狙いで突っ込んでいく。モンタギューがスプロールしスタンドをキープ、引き込んだ王者にドクターチェックが入る。試合は続行され、モンタギューは左ボディ、右ストレート、右ボディアッパーと圧力を掛け続ける。
残り90秒、右ストレートにシングルを合わせようとしたユリシーズだが、足に触れることができない。モンタギューはローを続け、ラウンド終了間際に前に出てきたユリシーズに左でダウンを奪う。フラッシュダウンを喫したユリシーズは、組みつこうとしたが、ギロチンに捕えられ、王者が首を引抜いたところで2Rが終了する。
1、2回と試合を支配した挑戦者、3Rもローから試合を組み立てる。首相撲からヒザを突き上げ、距離をとっては左を伸ばすモンタギューに、王者ユリシーズはテイクダウンで活路を見出したいが、如何せん組みつくことが容易でない。
勢いのある右、左ローを繰り出したモンタギューは、上体はサスウポー、軸足だけ交互に入れ替えるというスタンスを見せ、いよいよ王者を封じ込んでいく。プレッシャーに晒され、シングルレッグも決まらない王者。モンタギューは左を打ち込み、スッと距離を取る。
右ローを連打するモンタギューは、前蹴りを掴まれると、スピニングキックを見せる余裕を見せつける。ラウンド終盤にユリシーズに連打を放ったモンタギュー、ラウンド終了後に2発ほど追撃を加えたが、この果敢な攻撃はラウンド中に見せてほしいところだ。
ややギアを上げたようにパンチの回転数も上がったモンタギュー。距離が詰まったところでユリシーズが組みつくと、再び傷を気にする王者のボディにモンタギューがヒザ蹴り、続いてケージに詰めて左右の連打を見せ、さらにはローキックを思い切り蹴り込む。
一方的な展開が続くが、あまりにもスマートに戦うモンタギューにブーイングが起こる。ならばとラッシュを掛けたモンタギューは、王者が組みつくとやはり距離を取って、仕留めには掛からない。狭いスクエア・ケージで追い込みを掛けないモンタギュー。強さは認めるが、魅力は感じられない攻撃を続け、試合は最終回へ。
サイドキックからカンフーのような構えを見せたモンタギュー。彼なりのサービス精神か?
残り3分となり、組みついたユリシーズだが、テイクダウンは奪えないまま距離を取られる。テイクダウン狙いを完全にスプロールするモンタギューは、下がるユリシーズを追いかけてローを蹴り込む。残り1分を切り、バックブローを見せたモンターギュに組みついたユリシーズだが、ここでもテイクダウンは奪えず、逆に引き込み、そのまま試合は時間切れに。ジャッジの裁定を聞くまでもなく、ダレル・モンタギューが全てのラウンドを奪う、新TPFフライ級王座に就いた。