この星の格闘技を追いかける

【IFC】フランカ撃破、コイツは買いのモシェ・カイズ

2010.11.10

Kaitz<ライト級/5分3R>
モシェ・カイズ(イスラエル)
Def.判定3-0
エルミス・フランカ(ブラジル)

【写真】堅実なテイクダウンとガードワークをエルミス・フランカ相手に披露したモシェ・カイズ。今後に期待のダビデの星だ(C) Eliran Avital

鋭いローを見せるカイズは、いきなりシングルレッグでテイクダウンに成功する。ガードを取るエルミスは、足関節を仕掛けられ立ち上がるも、もう一度グラウンドへ戻り、体を捩じって足を引抜く。

結果的にトップを奪ったのはエルミス。パス狙いの彼をクローズドのなかに収めたカイズに大きな拍手と、「モシェ」コールが送られる。オモプラッタを仕掛けられ立ち上がったエルミスに対し、カイズは再び足関節を仕掛け、今度はリバーサルの形で上を取り返す。

ホイラー・グレイシーから黒帯を与えられているカイズは、ここで足を一本引き抜き、エルミスのリバーサル狙いをコムロックで切り返す。ここは腕を引抜かれ、ガードを強いられたカイズだが、巧みなガードワークでエルミスに有効な攻撃を許さなかった。


2R、いきなり左ハイ、さらにスピニングバックキックを見せたカイズ。続いて左ストレートをヒットさせる。カイズはサイドキックからシングルレッグでテイクダウンを奪うと、冷静にエルミスの足関節を逃れ、立ち上がってきたところにヒザを突き上げる。

ケージ際でシングルからバックへ回り、テイクダウンに成功したカイズ。エルミスはヒザ十字を仕掛けるが、ここもカイズは反応し立ち上がる。スタンドではフックから組みつき、体を振り簡単にテイクダウンを奪ったカイズは、担ぎスイープからバックを伺ったが、前方に振り落されてしまう。

右足に体重を掛け、パスを狙うエルミスに対し、カイズは左のフックガードをきかせパスを許さない。ハーフになっても、常にスイープの隙を伺うと、エルミスはパスを諦めパウンドを攻撃に切り替えるが、ここでも効果的な攻撃を仕掛けることはできなかった。

最終回、これまで劣勢のエルミスがローからフックを繰り出し、積極的に前に出る。シングルから組みついたカイズは、試合の流れを譲らない。ケージにエルミスを詰め、時間を掛けて距離を取り直したカイズ、ここで左をヒットさせ、続いて左ローをヒットさせる。

しかし、ここでエルミスの得意技アッパーがカイズにヒット。たまらず引き込んだカイズは、ロックアップからスイープを狙う。トップをキープしたエルミスは左パウンドを落し、この試合、初めて攻勢に出る。エルミスはパスに成功するが、カイズもガードに戻す。スタンドに戻ったエルミスは、引き込んだカイズから一気にマウントを奪取する。

右のエルボーを落とすエルミスだが、カイズが背中に腕を回して距離を潰してくるために、なかなかパンチを出せない。クラッチが外れ、パンチを落し始めたところでタイムアップに。1、2Rはカイズ、3Rはエルミスという見方が妥当だが、果たしてジャッジの裁定は3-0でカイズに。

最終ラウンドは攻め込まれたものの、イスラエルに思わぬ実力者が存在した。「教え子、観客に感謝したい。敗北を恐れなかったか? 僕はファイターだ。戦うだけ。エルミスも本当のファイターだ。彼をとても尊敬している」と、金星をあげたカイズは語った。

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