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【DWCS S08 Ep02】骨の髄まで殴り屋=ブランド✖脅威のバック奪取&背骨クラッシャー=ハッドン

【写真】PPV大会のプレリミで組まれても、おかしくないマッチアップだ(C)Zuffa UFC

20日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスでDana White’s Contender Series第2週が開催され米国、カナダ、スウェーデン、ロシア、ブラジル、豪州という6カ国から10選手がUFCとの契約を目指してケージは上がる。
Text by Manabu Takashima

第1週で4人のファイターがUFC行きを決めたように、今週もフィニッシュ勝利がデフォルトのDWCSだけに、激しい戦いが繰り広げられることは間違いない。そんなDWCS S08 Ep02は、オープニングマッチのバンタム級の一戦=ビリー・ブランド✖コディ・ハッドンから要注目だ。


ハッドンは第2試合のウェルター級戦でトーレス・フィニーと対戦するキャム・ロウストンと同様に、豪州からのチャレンジとなる。国別のUFC契約選手数は米国が200人、ブラジルが100人越えと群を抜いており、豪州はこの両国に続きロシア、メキシコ、英国、中国らと同じ15人~20人+αの選手がUFCに在籍している。

今や南太平洋のMMAパワーハウスに成長している同国だけに、Eternal MMAやHEX FSというフィーダーショーからDWCSへの出場選手も当然のように多い。

HEX FS暫定バンタム級王者のハットンの戦績は6勝1敗、唯一の黒星はUFC世界フライ級タイトルコンテンダーのスティーブ・アーセグに28-29✖3で敗れたもの。とはいえ、この試合でハッドンはジャブをアーセグに何発も入れ、テイクダウンからバックという展開も創っている。

終盤に攻め疲れと、力技でテイクダウンを狙ってトップ&マウントを許したことでポイントを譲り惜敗したハッドンだが、キャリア3戦目のアーセグ戦と比較すると、今では落ち着いて戦局を見極めることができるようになっている。

特に打撃戦のなかでのテイクダウン防御の精度が増しており、攻めの方のレスリングではダブル、そこからボディロック、そして大内刈りなど、ケースバイケースでテイクダウン方法をアジャストできる、特筆すべきはテイクダウンに紐づけることができるバック奪取能力と、それだけでタップを奪えそうな──相手の背中を反らしてしまう──バックグラブの力強さだ。

絞めの一本勝ちは直近=3月の試合だけだが、バックやクリンチの状態でのダーティーボクシングとパウンドの強さが、5つのTKO勝ちのファンダメンタルとなっている。

対するブランドのレコードは5勝1敗で、黒星をつけられた相手はペイトン・タルボットだ。そのタルボット戦では、やや劣勢であったがガンガン殴り合いを演じると、反撃のパンチを入れている最中に──米国では非常に珍しいが──流血レフェリーストップとなってしまった。

アマMMAは8勝1敗で5つのTKO勝ち、プロでもKO率は60パーセントを誇るブランド。インファイトでのボディの連打など、MMAでそれを見せるかという距離で容赦なく連打を駆使することができる。ブランドが自身の強さを発揮するには、ハッドンの組みを突き放す必要がある。組みに付き合うとバック奪取&ダーティボクシングでハッドン優位は明白だ。ブランドとしては拳の強さを見せ、ハッドンが組む前に打撃に応じるように仕向けたい。

■視聴方法(予定)
8月21日(水・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S08 Ep02対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
パット・ピトリック(カナダ)
アンドリアス・グスタフソン(スウェーデン)

<ヘビー級/5分3R>
リズワン・クニエフ(ロシア)
ウゴ・クーニャ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
コーテヴィアス・ロミアス(米国)
マイケル・インプラト(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
トーレス・フィニー(米国)
キャム・ロウストン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
ビリー・ブランド(米国)
コディ・ハッドン(豪州)

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