【Pan Championship】パン柔術重量級3階級レポート
ミッドヘビー&ヘビー級もファイナルは行われず
12日(水・現地時間)から16日(日・同)まで、米国カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターで開催されたIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権。大会クライマックスといえる日曜のアダルト黒帯の部、ミディアムヘビー級から重量3階級の模様をお届けしたいと思う。
【ミディアムヘビー級】
<ミディアムヘビー級準決勝10分×1R>
キーナン・コーネリアス(アトス)
Def. 4-2
ムリーロ・サンタナ(バルボーザ)
黒帯として初参戦ながら本命と目されたキーナン・コーネリアス(アトス)は、準々決勝で最大の関門というべきムリーロ・サンタナ(バルボーザ)戦を迎える。ここで下攻めを選択し、片手をポストして上になる形で上を奪ったコーネリアスは、その後返されてもまた上を取り返して4-2で勝利。百戦錬磨のベテラン、サンタナを上回る試合巧者振りをみせた。コーネリアスは続く準決勝は、相手のバックを狙いにいき、それを嫌がった相手が反転した所で三角に。そこから腕を伸ばして圧勝した。
もう一つの山からは、同門アトスの業師グットー・カンポスが数々の接戦を制して決勝に勝ち上がり、コーネリアスと優勝をシェア。チーム戦でもあるパン大会において、今回あえてこの階級ではなく、ウルトラヘビー級に参戦したアトス総師アンドレ・ガルバォンの思惑通りの結果となったといえる。それにしてもこれで、ライトフェザー、フェザー、ライトに続いてこの階級もまた決勝戦なしとなってしまった。
【ヘビー級】
軽量級の有望株、アリ・ファリエス(アトス)の義兄弟でもあるユーリ・シモエス(ブラザ)が、準々決勝では新黒帯のジャクソン・ソウザ(チェッキマット)をアドバンテージ2つ差で、準決勝では元世界王者のハファエル・ロバト・ジュニア(ヒベイロ)をアドバンテージ1つ差で振り切って決勝進出。11年末に黒帯を取得したシモエスにとっては、ベテランからの大きな勝利となった。
もう一つのブロックからは、ハーフガードの名手にして昨年度のムンジアルヘビー級準優勝者のルーカス・レイチ(チェッキマット)が、一本勝ちを重ねて勝ち上がった。そこでシモエスとレイチによる決勝戦が行われるかと思われたが、両者はかつてチェッキマットの同じ支部で練習した仲。それもあってかレイチが若いシモエスに優勝を譲る形で2人がこの階級をクローズアウト。この日は結局5階級において決勝戦が行われない事態になってしまった。
【スーパーヘビー級】
<スーパーヘビー級決勝10分×1R>
ルイス・パンザ(バルボーザ)
Def. 腕十字
ベルナルド・ファリア(アリアンシ)
ディープハーフガードの名手ベルナルド・ファリア(アリアンシ)と、ルイス・パンザ(バルボーザ)が決勝に進出。パンザは足関節を得意としており、先日のコパ・ポジオのヘビー級GPにおいても、ロンドン五輪米国柔道代表のトラヴィス・スティーブンス(ヘンゾ・グレイシー)の足首をアキレス腱固めで破壊するほどの極めの強さの持ち主だ。この決勝戦においても、下から足を狙って上になりかけてアドバンテージを取ったパンザ。さらに三角絞めの体勢からファリアの腕を伸ばしにかかり、オモプラッタにつなぐ。それを逃れようとファリアが回転した時に、再び腕を伸ばしてパンザが一本勝ち。常にサブミッションを狙い続けるパンザは、ポイントの取り合いが重視されがちな現代競技柔術において非常に面白い存在だ。
■パン選手権、男子黒帯アダルトの部結果
【ミディアムヘビー級】
優勝 グットー・カンポス(アトス)
準優勝 キーナン・コーネリアス(アトス)
3位 ホドリゴ・ピンポーリョ(バッハ)
3位 ヘナート・カルドッソ(チェッキマット)
【ヘビー級】
優勝 ユーリ・シモエス(ブラザ)
準優勝 ルーカス・レイチ(チェッキマット)
3位 ラファエル・ロバトJr(ヒベイロ)
3位 ホベルト・トゥッサ(バッハ)
【スーパーヘビー級】
優勝 ルイス・パンザ(バルボーザ)
準優勝 ベルナルド・ファリア(アリアンシ)
3位 タルシシオ・ジャーディム(チェッキマット)
3位 アンドレ・カンポス(バッハ)