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【DEEP CAGE IMPACT in OSAKA 】渋谷カズキ戦へ、柴田MONKEY─02─「出て来るものは衝撃的ですよ」

【写真】道着をやることでグラップリングが強くなる。それが岩崎正寛の教えだ(C)YUYA MONKEY SHIBATA

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催されるDEEP CAGE IMPACT IN OSAKA 2022のメインイベントで、渋谷カズキと対戦する柴田MONKEY有哉のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2年10カ月の間、自身の練習環境と生活環境を見直してきたという柴田。その中でたどりついた環境の一つが柔術であり、カルペディエム芦屋であった。岩崎正寛代表から黒帯を授与され、さらにMMAのための組み技を学んだ柴田が、どのような新しいMMAを見せるのか。さらに現在のDEEPフライ級をどう見ているのか――復帰戦を控えた柴田に訊いた。

<柴田MONKEY有哉インタビューPart.01はコチラから>


――カルペディエム芦屋といえば、関西のMMAファイターが数多く行っていますよね。

「関西の有名選手は結構行っていますね。MMAに必要な組み技の技術を知っている人たちがいて、組みに関する練習会が定期的に、継続して行われています。おかげで、日常のスケジュールとして柔術の練習が存在している。それが僕には無かった環境やと思うんです。そういう意味では、岩崎さんは関西MMAの組み技の底上げをやってくれている人なんです」

――なるほど。

「プロ選手が集まって練習するには、みんなに呼び掛けて、集まってもらって練習会を開催しなければいけないことが多かったんですよ。それと、そういう練習会やと、どうしてもスパーリングばっかりになってしまう。でも今は岩崎さんのところで、しっかりと技術的なことも教わっています。練習会のために人を集める手間もなくなって、ただ自分が強くなることを考えればいい。そうやって組みと柔術に強くなれる環境があるのは、すごく大きいです。

カルペディエム芦屋は体験レッスンのあと一般会員として入会し、週2回ほどレッスンを受けています。そのあと岩崎さんから声をかけていただいて、プロ選手練習会に参加するようになりました。

その間に、柔術で5つの大会に出ているんですよ。先月には試合結果を認められて岩崎さんから、カルペディエム芦屋第一号の黒帯を授与していただきました。今回の試合も岩﨑さんにはセコンドに就いていただきます」

■2020年以降 柴田MONKEY有哉の柔術戦績

2020年2月9日
FULLFORCE CUP JIU-JITSU OPEN 05
アダルト茶帯ライトフェザー級 オール一本優勝

2021年4月4日
ASJJF TOKYO SPRING INTERNATIONAL JIU JITSU CHAMPIONSHIP 2021
アダルト茶帯ライトフェザー級 3位

2021年11月13日
GroundImpact 2021 WEST(道着部門)
アダルト茶帯フェザー級 優勝

2021年11月13日
GroundImpact 2021 WEST(NO-GI部門)
アダルトエキスパートライトフェザー級 優勝

2021年12月13日
GroundImpact Gi-1 2021
アダルト茶帯ライトフェザー級 優勝

――次の試合では柴田選手の新しいMMAが楽しみです。一方、柴田選手がMMAの試合を休んでいる間、DEEPフライ級の層が厚くなってきました。

「面白くなってきましたよね。いろんなタイプの選手がいて、ちょっとずつ個性が出てきているので。その中で足りないのは自分みたいなタイプなのかな、と思っています。

龍ちゃん(福田龍彌)は京都で、僕は大阪なので回数は多くないけど、一緒に練習したことはあります。同じ階級やし、同い年なので昔から意識はしていました。今は少しずつ変わってきていて、良い試合しているなって思いますよ」

――暫定王者の藤田大和選手が台頭してきたのも、柴田選手不在の期間ですよね。

「そうなんですよね。最初はMMAにアジャストしきれていない印象がありました。でもやっぱりパンチに自信を持っているし、簡単に寝かされない、あるいは寝かされても強くなってきて。最近の試合を見ていて、自分に必要なことをやってきたんやな──と思いました」

――そして頂点にいる正規王者の神龍選手について、ご自身が対戦して以降はどのように見ていますか。

「あぁ、マコっちゃんは……」

――マコっちゃん? そう呼ぶぐらい、神龍選手とは交流があるのですか。

「アハハハ。彼とは試合をしたあと、インスタでメッセージをもらったんです。そのあとGroundImpact Gi-1 2021に彼が来ていたので、一緒に写真を撮影してもらいました」

――そうだったのですね。

「今のマコっちゃんって、自分と似ていると思うんですよ。自分でジムを出して、それまであった練習環境から抜けて、自分の練習環境を作っているところじゃないですか。龍ちゃんとの試合を見ていて、苦労しているんだろうなぁと思いました。『俺も分かるよ』みたいな」

――それだけ層が厚くなったフライ級の中で、ご自身はどれくらいのポジションにいると思いますか。

「どれくらいやろう……もちろんファイターやから、全員に勝つつもりでいます。ただ、試合はやってみないと分からないので、全員に勝つかもしれないし、全員に負けるかもしれない。でも『自分のベストは尽くしている』っていう状態ですね。その自分が今どれくらいのポジションにいるのか、次の試合でハッキリすると思うんです」

――では次の対戦相手、渋谷カズキ選手の印象を教えてください。

「ちょっと僕に似ているところがある気がするんですよ。下からも攻めて来るし。でも僕が今やっていることがハマれば、一瞬で終わる可能性もあるし、3R圧倒する可能性もあるかなって。かます気はないけど、かます試合になると思います」

――……そのココロは?

「アハハハ、今はそういう気持ちなんですよ。なんかね、もう気負っても仕方ないので(笑)。ただ勘違いされたくないのは、この期間はただ休んでいただけじゃない。格闘技で強くなるために考えて、練習面と生活面を見直してきました。その結果が自然に出ると思います。そこで出て来るものは結構――衝撃的ですよ」

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