【UFC113】スティーブンス、ポイントメーキングで接戦制す
■第9試合 ライト級/5分3R
ジェレミー・スティーブンス(米国)
3R終了/判定
サム・スタウト(カナダ)
【写真】一発のインパクトが大きかったスティーブンス。蹴りでなく、パンチの手数でスタウトが上回っていた場合、ジャッジはどのように裁定しただろうか (C) ZUFFA
ストライカー同士の対戦は、スティーブンスのテイクダウンでスタート。フックガードから、骨盤を蹴り上げ立ち上がることに成功したスタウトだが、スティーブンスの左、右とパンチを浴びる。スタウトは右ローを蹴り込み、左ボディをヒットさせる。ここでスティーブンスの右がヒットし、スタウトが尻持ちをついた。
すぐに立ち上がったスタウトは、ローからパンチを見せるものの距離が遠い。間合いを詰めたスティーブンスは思い切り左右のパンチを振るうが、これは空振りに。スタウトの蹴り足を掴み、右をヒットさせるなど、スティーブンスの攻勢は続く。ローを放っては、距離を取るスタウト。スティーブンスも、やや距離を取りながらラウンド終了を迎えた。
2R、左目を少し腫らしたスタウトが右ロー、左ジャブを見せる。右ミドルを蹴るスタウトだが、スティーブンスの右が再び彼の顔面を襲う。スタウトはローを軸にファイトを組み立てるが、ここに右を合わされ、再びトップを奪われる。アームロックを切られたスタウト、スティーブンスが距離を取ったところですかさず立ち上がるも、スタンドの打撃戦では主導権を握ることはできない。
残り2分となり、スタウトのローが効果を見せ始めたのか、スティーブンスのパンチは手打ちが目立つように。前に出るのはスタウトだが、自らの攻撃を終えて距離を取ると、スティーブンスが追いかける。だが、その追い足は十分でなく、テイクダウン狙いも切られたスティーブンスは、パンチの距離が遠くなり体も流れ気味になる。
ここぞとばかりに左ジャブから右を打ち込んだスタウト。スティーブンスがこれをカウンターで迎え撃ち、詰将棋の最後の詰めを許さない。一進一退の攻防となった試合は最終ラウンドへ。スタウトのローが、スティーブンスの急所にヒットし、いきなり中断となった3R。再開後、スティーブンスの右が、左ミドルを蹴り込んできたスタウトの顔面を捉える。
距離を詰めて、ヒザをボディに突き上げたスタウト。手数は上回るが、精度はスティーブンスに遅れを取る展開が続く。ラウンド中盤、スティーブンスの左ヒザがスタウトの顔面にヒットするが、直後のローでスティーブンスの動きがストップ。棒立ちになったスティーブンスに、スタウトはパンチの連打でラッシュをかける。
バランスを崩し、キャンバスに背をつけたスティーブンスにエルボーを連打するスタウト。スタンドに戻ると、スタウトの左ミドルがスティーブンスを捉える。スティーブンスの左アッパー、スタウトの左ストレートが相打ちになるも、試合終了30秒前で前に出るのはスティーブンス。と、残り15秒でテイクダウンに成功し、すぐにスタンドに戻ったスティーブンスはポイントメーキングという面で強かさを見せてタイムアップに。
ジャッジの裁定は、30-27、28-29、29-28でスティーブンスの勝利。蹴りの積み重ねよりも、インパクトの残る一発を重視、メインの試合展開にも影響を及ぼすであろう裁定基準でスティーブンスがスタウトとの接戦を制した。