ロディ・パイパーの存在を越えて――コルトン・トゥーブス
4日(木・同)にカリフォルニア州リムーアのタチパレス・ホテル&カジノで行なわれたTPF03。その第3試合でプロMMAデビューを果たした19歳の青年が、ソールドアウトとなった会場で、デビュー戦とは思えないほど注目を浴びていた。
【写真】父ロディ・パイパーも端正な顔立ちをしていたが、コルトン・トゥーブスは精悍さも持ち合わせている (C) MMAPLANET
実父にプロレスや映画で活躍したラウディ・ロディ・パイパーを持つコルトン・トゥーブス。奮闘むなしくMMAデビュー戦を勝利で飾ることができなかったトゥーブスだったが、一点の曇りもない真っすぐな視線の先に、父親の存在を越えたMMAファイターに成長するという明確な目標を持っている。
――プロMMAデビュー戦で、惜しくも判定負けを喫してしまいました。今の心境を教えてもらえますか。
「これまでアマチュアの試合を4度、経験して負けたことはなかったんだ。ベストを尽くしたけど、勝てなかった。対戦相手の方が、今夜は僕より良い動きだったということだよ。この試合で、色々と課題が見つかったから、またスクールに戻って、コーチや練習仲間とやるべきトレーニングを積んで、課題を克服していきたい。今日よりも、もっと強くなって勝利を手にしたい」
――MMAの練習はチーム・クエストだけでやってきたのですか。
「僕がチーム・クエストで練習するようになったのは、3年前からなんだ。マーシャルアーツ自体は子供の頃から10年続けているけど、シリアスにコンバットスポーツに向き合うようになったはチーム・クエスト入りした3年前からだよ。それまで試合に出たこともあったけど、リングで戦うという状況はMMAを始めてから。これからも、ずっとチーム・クエストの一員として戦っていくつもりさ」
――チーム・クエストといえば、日本の岡見勇信選手が12月に練習をしていました。
「ユーシンは最高のナイスガイだよ。彼から学ぶことは凄く多かった。ホント、一人でオレゴンにやってきて、家族の一員のように皆と過ごしていた。僕は日本語が話せない。彼の英語も十分じゃない。でも、コミュニケーションは取れるよ。練習中は何も問題なかった。言葉の壁があったことはあったけど、そんなものすぐに乗り越えることができたよ」
――ところでトゥーブス選手のお父さんは高名なプロレスラーのラウディ・ロディ・パイパーさんです。観客席から、大きな声で声援を送っていました。
「父は試合が決まってから、ずっとこの日が来るのを楽しみにしていた。『もっと手数を出して、深く踏み込まないといけない』って試合後にアドバイスされたよ。テイクダウンを狙ったとき、滑って思うように倒せなかった。それでスタミナをロスして、思うように動けなかった。悔しいよ。でも、ネガティブになることはない、ここからだよ。練習も実際の試合も強い心を持って挑んで、絶対に諦めないようにしていきたい」
――ただMMAデビュー戦を迎えた選手と違い、ロディ・パイパーの息子ということで、注目を集めていました。
「凄いプレッシャーだった。今日は特にプレッシャーを感じた。でも、そんなこと言っていても始まらないし、2、3年後は父の名前でなく、コルトン・トゥーブスとしてみんなに認められるようになりたいと思っている」