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【PJJC2018】フェザー級出場の大塚博明は、1回戦でヨーロピアン3位のジョアオ・メンデスに敗れる

3月21日(木・現地時間)から24日(日・同)にかけて、カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が行われた。レビュー第4回は、フェザー級に出場した大塚博明(フィジカルスペース)の戦いを振り返りたい。


<フェザー級1回戦/10分1R>
ジョアオ・メンデス(ブラジル)
Def. by 8-0
大塚博明(日本)

大塚の初戦の相手は、ジョアオ・メンデス。弱冠21歳にして、今年のヨーロピアンで3位入賞を果たしている成長株だ。試合開始後さっそく引き込んだメンデスは、大塚の両手首を持って強烈に引きつける。大塚が立ち上がって距離を取ろうとしたところで、メンデスはその両足に自らの両足を巻きつけ、横に倒して上に。レアンドロ・ロも得意とするこのベーシックなスイープで、メンデスが2点を先制した。

下になった大塚はメンデスの左足に絡んで崩しにかかるが、それを察知したメンデスはその絡みを切りながら見事な体捌きで右にパス。足を抜かれかけた大塚だが、メンデスの左足に絡んでディープハーフを作る。

足を抜きたいメンデスと、下から崩したい大塚の攻防。やがて上体を起こして大塚の首元を抑えたメンデスは、ニースライスから左ヒザを抜いてサイドに。メンデスは下から懸命に動いてポイントを取られまいとする大塚が、うつ伏せになりかけたところでバックを狙う。背後に付かれかけた大塚は横回転を続け上になるが、メンデスもそのまま動き、結局メンデスがハーフで大塚の胸を合わせて押さえ込んだところでポジションが固定。一連の攻防で、メンデスに2つのアドバンテージが与えられた。

さらにメンデスは、大塚の上半身を潰しながら絡まれている右足をヒザまで抜く。嫌がった大塚が横向きになったところで再びバック狙いへ。しかしこれを横回転して防ぐ大塚は、体をずらして上の体勢で正対することに成功。上下は入れ替わったものの、この攻防でメンデスにアドバンテージが追加された。

残り4分。クローズドガードの中の大塚は良いグリップを探るが、メンデスはその両手首を取る得意の形に持ち込む。状況を打開したい大塚が立ち上がろうとしたところで、メンデスがすかさず序盤と同じスイープを決めて上になり、4-0とした。

下になった大塚はブエノの左足にデラヒーバで絡むものの、バランスを保ったメンデスは再びニースライスの形に。首を殺されかけた大塚が半身を起こそうとしたところで、またしてもバック狙いにゆくメンデス。右足に絡みながらなんとかマットに体を付けて守ろうとする大塚を引きはがして両足フックを完成し、メンデスが8-0と大量リードを奪った。

残り1分。そのまま絞めを狙うメンデスに対して大塚は諦めずに動き、体をずらして再び正対してクローズドガードの中にことに成功する。大塚は座ったままメンデスのズボンを押して距離をとってガードを開けようとするが、メンデスはまたも横に崩すスイープを仕掛ける。大塚は崩されながらも、最後の望みを掛けてその左足をアキレス腱固めに捉えるが、ここで時間切れ。最後にメンデスにさらにアドバンテージが追加されて試合終了となった。

ポイント、アドバンテージ共に大きく差を付けられての敗戦となった大塚。上を取ってもクローズドガードからの強烈な引き付けに攻め手を作れずスイープで横に崩され、下になるとニースライスからバック狙いの前に防戦を余儀なくされた。昨年の世界大会では、地力に勝る相手に見事な戦略を実行して勝機を掴んでみせた大塚だが、今回のようにさらに上のクラスの強豪が相手となると、戦略以前に絶対的な地力を上げるしかなさそうだ。フェザー級という過酷な階級に挑み続ける姿を、今後も見守りたい。

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