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【ONE90】青木真也の挑戦を受ける、エドゥアルド・フォラヤン「マーシャルアーツは人間性」

Eduarud Folayang【写真】今大会にはフィリピンからも複数のメディアが彼を追って来日している(C)MMAPLANET

31日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるONE90「A NEW ERA」のメインで青木真也の挑戦を受けるONE世界ライト級王者エドゥアルド・フォラヤン。

2年4カ月前にシンガポールで青木からタイトルを奪取した彼は、その1年後に母国マニラでベルトを失い、昨年11月に王座決定戦に勝利し王座に返り咲いた。

そして初防衛戦で夢だった来日を実現させた彼は記者会見の席で、夜なのにグッドモーニングという一声を発した。ONEの戦いのフィロソフィーを体現しているマーシャルアーチスト、フォラヤンは日本で戦うことで何か精神的な影響を受けているのであろうか。あの言い間違いの理由、青木戦についてフォラヤンに尋ねた。


──ついに来日が実現しました。

「何もかもフィリピンと違っているけど、凄く良い雰囲気だね。本当に日本に来られて良かったと思っている。バギオやマニラの喧騒とは本当に違うね。マナブがあの人並の中にいると戸惑うと前に言っていたことが分かったよ(笑)。とにかく整然としているね、日本は」

──分かってもらえましたか(笑)。昨夜(※取材は29日に行われた)の記者会見では、グッドイブニングというべきところをグッドモーニングと言い、すぐに訂正したのを見てエドゥアルドも緊張しているのかと。

「いや、あれはさ……皆を笑わせたかったんだ」

──えっ、冗談だったのですか。

「そうだよ(笑)。凄く多くの人が硬い表情でいるし、空気を和やかにしたかったんだ。でもさ、誰も笑ってくれないんだよ……。アレって思って、何も反応がない……って(笑)」

──私はエドゥアルドがあそこでジョークを言うとは思えなかったですし、同時通訳のトランシーバーをつけていた日本のメディアに関しては、きっと通訳の方も冗談のようには訳さなかったのだと思います。

「僕が間違っていることに気付いていないのかな……とか考えて。滑っちゃったね(笑)。だからナーバスになっているということはないよ、ワクワクはしているけどね」

──今回、一緒にやってきたラカイのメンバーはSNSなどを見ても日本を満喫しているようで、試合を控えて彼らと気持ちにズレはないでしょうか。

「皆が喜んでいるよ。だってMMAが始まった国にやって来ることができるたんだからね。もちろん、僕は試合が控えているから観光気分で外に出かけることはできない。でも、マーシャルアーツとは人間が日々、切磋琢磨するモノ。つまりマーシャルアーツとは人間性なんだよ。人間性で成り立っている。チームの皆が東京にやってきて喜んでいるのは凄く良いことだよ。彼らの笑顔が見られた、それは僕にとってプライスレスなことなんだ」

──なるほどぉ。いやぁ、本当にエドゥアルドらしい言葉です。そんななか会見では青木選手とのフェイスオフで思わず、笑みがこぼれてしまっていましたね。

「僕らはスポーツとしてケージのなかで戦うわけで、個人的に憎しみを抱いているわけじゃない。何より記者会見場で戦うわけじゃないし、僕らは同じ人間なんだ。で、拳を握って向かい合っていると、思わず笑ってしまったんだ。でも、日曜日にはマーシャルアーチストとして、100パーセント集中しシンヤに勝つために、彼の前に立つことになる」

──日本大会は通常のイベントより、かなりファイトウィークも多忙ですね。

「それはONEチャンピオンシップが大きくなり続けている証だよ。アジアのマーシャルアーツ界の人間全てにとって良いことだと思う。西洋の格闘技界の人々に、僕らの力を披露する時がやってきたんだ。そういう部分も、僕がONEで戦うやりがいになっている」

──いよいよ2日後には、その日本大会のメインで戦います。

「開催地は関係ないよ。シンガポールで戦っても、東京で戦っても僕は変わらない。ただ東京ということでシンヤへの注目度が他よりも高いということだけ。だから、余計に楽しみといえば楽しみだね。

PRIDEやK-1などを見てきた僕にとって日本は特別な国で、この国で戦えることは僕のキャリアがまた一段上がったと理解している。凄く嬉しいことだよ。でも、試合は試合だからいつもと同じように戦うよ」

■ONE90対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
[挑戦者]青木真也(日本)

<ONE世界女子ストロー級(※56・7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィォン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]長谷川賢(日本)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
[挑戦者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
若松佑弥(日本)

<ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<キック72キロ契約/3分3R>
ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
アンディ・サワー(オランダ)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
仙三(日本)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
V.V Mei(日本)
クセニア・ラチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
アンソニー・アンゲレン(オランダ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
ハキーム・ハメック(フランス)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パニコス・ユーサフ(キプロス)
モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)

<キック・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ユン・チャンミン(韓国)
バラ・シェッティー(インド)

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