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【Bellator180】ヒョードル×ミトリオン。ラストエンペラーのラストファイト?!は、倒せる距離が倒れる距離

Mitrione vs Fedor【写真】MSGでこの両者が拳を交える (C)MMAPLANET

24日(土・現地時間)、ついにニューヨーク州シューヨークのMSGで開催されるBellator180「Sonnen vs Silva」。メインでイベント名にある通り、チェール・ソネン×ヴァンダレイ・シウバというレジェンド対決が組まれた今大会、ダブルメインの1試合目としてエメリヤーエンコ・ヒョードル×マット・ミトリオン戦が行われる。


本来2月18日のBellator172で対戦予定だった両者だが、計量まで済ませたミトリオンが試合当日になって体調不良により欠場が決定。逃げたという声にSNS上で「結石の手術を受ける」ことを説明し反論していた。

4カ月後の仕切り直しの一戦は、メインが純粋にレジェンドマッチであるのに対し、年齢的に2歳しか差がないミトリオンはまだピークを目指す状態で、第一線で戦っているファイターという違いがある。

いわば名声を持つ者同士でなく、名声を必要とするファイターと対戦するという点で、ヒョードル×ミトリオンは、ソネン×シウバより勝敗により興味が惹かれる。要はヒョードルが全盛期と比較してどれだけできるのか──が、勝敗に結びついてくるわけだ。

皇帝ヒョードルはPRIDE時代に柔軟な肩を起因とした伸びる、そして威力溢れるパンチを武器に、テイクダウンの受けが強く、寝技でもしっかりとしたポスチャーからえげつないパウンドを落とし、関節や絞め技まで駆使できていた。

そのヒョードルもStrikeforce時代にファブリシオ・ヴェウドゥム、アントニオ・ペイザォン、そしてダン・ヘンダーソンに3連敗を喫し、米国進出に失敗してしまう。以来、5年11カ月振りの北米再上陸。この間、ロシアと日本で5連勝しているが、近々のファイトですら1年前のファビオ・マルドナド戦で、ここ3年は年に一度しか実戦を経験していない状況だ。

マルドナド戦でヒョードルは辛くも2‐0の判定勝ちを収めているが、初回にはKO負け直前まで追い込まれている。母国ロシアの試合ということが影響したのか、驚異的な粘りとマルドナドの失速で何とか星を拾ったという印象だ。

構えも柔らかくパワフルなパンチも変わりないように見られたヒョードルだが、軸が乱れるのが早く、以前より前かがみのファイトになりがちで、自らの攻撃中に左フックを被弾しキャンバスに崩れ落ちた。ヒョードル自身、スタイルは変わっていないものの、MMAは進化し距離とディフェンス能力が、彼の全盛期とは違う。

今もKOパンチは持っている。ただし、圧力に屈せず、攻撃を返すことができるファイターが世界中で増えた。それでもヒョードルがラストエンペラーと呼ばれるのに相応しいのは、前に出て相手のパンチが当たる距離で自らの攻撃を仕掛けることだ。

特にKO負け寸前まで追い込まれながら、マルドナドの懐に入って反撃に出たことが、判定を奪い取ることができた最大の要因だ。現代MMAにアジャストするのであれば、ヒョードルは今よりやや外のレンジで、自分のパンチだけが当たる距離と角度を保つほうが、ポイントアウトで勝利に近いだろう。

ただし、彼の闘争本能がそれを許さないのか、アジャストは今さら不可能なのか、彼は前に突っ込んでいく。接近戦でフックを連打し、自らもパンチを被弾してしまう。そして、倒れてからの粘り=精神力は境地的な一方で、パンチに受けると簡単に倒れるようにもなっている。

強い気持ちは維持しているが、精神力で補えない局面に陥りやすくなっているのが、今のヒョードルだ。ミトリオンはサウスポー、彼もまた一発を被弾することはあるが、本来は距離を保てるファイターだ。そして、相手が踏み込んできたところで、まっすぐ左を当てることができる。

もちろんヒョードルにも有効な手(拳?)であるものの、試合の入り方で距離を間違えると、ミトリオンもまたガードが低いので一気に勝負を決められる可能性もある。互いに倒せる距離が、倒れる距離。何が起こるか、一瞬で勝負が決することも十分にある戦いとなるだろう。

■Bellator180対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
チェール・ソネン(米国)
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)
マット・ミトリオン(米国)

<Bellator世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ドゥグラス・リマ(ブラジル)
[挑戦者]ロレンツ・ラーキン(米国)

<Bellator世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]マイケル・チャンドラー(米国)
[挑戦者]ブレント・プリムス(米国)

<ライト級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
ザック・フリーマン(米国)

<Bellator世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]フィル・デイヴィス(米国)
[挑戦者]ライアン・ベイダー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイムス・ギャラガー(アイルランド)
シンゾー・マチダ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ネイマン・グレイシー(ブラジル)
デイブ・マーフォン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ヘザー・ハーディー(米国)
アリス・ヨウガー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ライアン・クートゥアー(米国)
ハイム・ゴザリ(イスラエル)

<ライト級/5分3R>
ジェローム・ミックル(米国)
アンソニー・グラッチーナ(米国)

<168ポンド契約/5分3R>
ジョン・サラガド(米国)
ヒュー・マッケナ(米国)

<130ポンド契約/5分3R>
マチュー・リーゾ(米国)
セルジオ・ダ・シウバ(米国)

<ライト級/5分3R>
ネイト・グレッブ(米国)
ブラッドリー・ディジア(米国)

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