【Bellator163】実力差まざまざと見せつけ、デイビスが新ベラトール世界ライトヘビー級王者に
<Bellator世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
フィル・デイビス(米国)
Def.3-0:50-43 .50-44.50-45
リアム・マクゲリー(英国)
構えを変えてサイドステップを踏むデイビスに対し、マクゲリーが左ジャブを伸ばす。オーソ中心のデイビスに対し前蹴りから左ジャブを続けるチャンピオン。デイビスはローを蹴るが、ジャブを入れられる。デイビスの最初のテイクダウン狙いを切ったマクゲリーは続くダブルも受け止めてヒザを突き上げる。
離れたデイビスは左フックを入れて組み付き、すぐにパンチを打ちながら離れて左右の蹴りを放つ。そのまま組んで倒したデイビスはマウントで殴って、バックコントロールへ。腰にヒザ蹴りを受けながら立ち上がったマクゲリーだが、またもバックを譲ってグラウンドに持ち込まれる。パンチを落とすデイビスに対し、マクゲリーは前転回転でガードへ。
デイビスは立ち上がり、打撃の間合いに。ジャブを当てられながらも、右を伸ばして組んだデイビス。切ったマクゲリーが右ミドル、デイビスはキャッチしてなお自らバランスを崩してしまう。
2R、マクゲリーは引き続き左ジャブを繰り返し、遠い距離を取りたいデイビスにプレッシャーを強める。左ミドルを連続で決めた王者に対し、デイビスは差し上げテイクダウンが決まらない。対してマクゲリーはジャブだけでなく左フック、そして右ハイを見せてペースを強める。こうなると上体に力が入った王者に対して、左の差し上げテイクダウンを決めたデイビスがトップへ。デラヒーバから足冠狙いのような動きを見せたマクゲリーに対し、ハーフをレッグドラッグ気味に潰したデイビスがパスからアームロック、そしてマウントへ。
背中を見せ、すぐに仰向けに戻ったマクゲリーに対し、デイビスはアメリカーナから肩固め、上体を起こしてエルボーを落としていく。引き続きアメリカーナも、デイビスはケージを蹴ってシザースからスタンドへ戻ることに成功する。残り15秒、お互いに大きな一発もなくラウンド終了となった。
3R、マクゲリーの左ジャブ、デイビスは右ロー、そして左ミドルを蹴っていく。左ロー、右ハイ、即組んだデイビスがダブルレッグから持ち上げる。引き込むように自ら下になったマクゲリーがロールして足関節。ヒザを畳んだデイビスがマウントを取ってアメリカーナ&ヒジ、そして肩固めと圧倒する。
ニーインベリーに対し、背中を譲ったマクゲリーは前転から足を取りに行く。デイビスは再びヒザを畳んでマウント、足を戻した王者が足を大きく振り上げたところでデイビスがレッグドラッグ&パスへ。続いてニーインベリー、マウントとチャンレジャーの猛攻が止らない。背中を預けたマクゲリーが前転からガードに戻すも、続くトルネードスイープをも潰したデイビスがスタンドに戻る。
直後にラウンド終了となり、序盤の3Rは挑戦者が取った。チャンピオンシップラウンドとなる4R、デイビスの左ミドルに王者は右ハイ。デイビスは右ローから右オーバーハンド、そして間合いを外す。マクゲリーはジャブもややスピードが落ち、続くヒザ蹴りをキャッチされて倒される。ノーギのスパイダー、そしてトライアングルを狙ったチャンピオンだが、デイビスは担ぎパスからマウントをまたも奪取していく。
デイビスは右エルボーを落とし、ブリッジに対してアメリカーナ。起き上がろうとしたところで頭をコントロールして抑えたデイビスが、またもニーインベリーから腕をコントロールしていく。マクゲリーのシングル狙いを潰し、マウントから勢いのあるパンチを落としたデイビスはあえてサイドに戻りアームロック、頭を跨いでキムラを狙う。ハーフに戻し、スイープを仕掛けた王者。デイビスはスタンドに戻って、即ラウンド終了を迎えた。
最終回、左ジャブから前に出たマクゲリーは、組まれたところでアームロックもデイビスは腕を振り払う。続くテイクダウン狙いにギロチン、頭を抜いたデイビスがトップ奪取&マウントへ。続いて肩固めに入ると、極めよりマウントを選択する。アームロックとヒジのコンビネーション、デイビスの強さばかりが目立つ一戦は残り2分30秒に。
マクゲリーが暴れても、それを泳がせてトップコントロールを続けるデイビスはマクゲリーに全く反撃の機会を与えない。ついに背中を預けたマクゲリーはリスト&ボディコントロールで全く立ち上がることができない。前転もガードすら取れないマクゲリー。すぐに足を超えられニーインベリー、マウント&パンチで攻め続けたフィル・デイビスが圧倒的な力を見せつけ、25分間を戦い切った。
独特な寝技の持ち主マクゲリーを、抜群のコントロール術で制したデイビスが圧勝でベラトール新世界ライトヘビー級王座に就き、「友人、神、世界中のファンに感謝している。柔術ファイターにとって、パスガードが一番きつい攻撃なんだ。そこをずっと練習してきた。そして、素早いギロチンに気を付けていたんだ」とデイビスは息も切らさず試合を振り返った。
一方、「素晴らしいレスラーのフィル・デイビスに敗れた。カムバックしてベルトを狙いたい」と前王者マクゲリーは肩を落とした。