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【AJJC2016】ライト級出場、岩崎正寛「国内で争うのも良いことですが、世界を意識して次につなげる」

Masahiro Iwasaki【写真】常に世界の舞台を意識する岩崎らしい話が訊かれた(C)TKAO MATSUI

10&11日(土・日)に東京都足立区の東京武道館で国際ブラジリアン柔術連盟=IBJJF主催のアジア柔術選手権2016(Asian Jiu-Jitsu Championship 2016)が開催される。7月の全日本選手権でフェザー級を細川顕とシェアした岩﨑正寛。アジア選手権では、どんな試合を見せてくれるのだろうか、意気込みを訊いた。
Text by Takao Matsui 


――少し前の話になりますが、リオ五輪はテレビ観戦されましたか。

「はい。特に柔道とレスリングを注目して視ていました」

――どちらも柔術で活かすために習っているそうですね。どういう部分に注目されていたのでしょうか。

「柔道だと組手ですね。組んだ後、どうやって投げにつなげるのかを勉強させてもらいました。海外の選手は力で抱えて投げることが多いので、どうやって対抗するのか注目していたんです。とくに73キロ級で金メダルを獲得した大野将平選手は見事でしたね。組んでから投げに入るまでのスピードが速かった。あれは参考になりました」

――柔術に活かせる部分もありますか。

「ありますよ。それを柔術にもらっちゃえば良いんじゃないかなと僕は思います」

――レスリングについても同じですか。

「同じですね。レスリングの場合は上と下、どちらからもテイクダウンを奪うことができますから柔術でも使える技術はあります。今回のオリンピックは、柔道は組手に注目し、レスリングはゲーム全体の流れやつくり方を勉強させてもらいました」

――ジャンルが違っても取り入れられる技術はあるのですね。それはそうと7月の全日本選手権は、フェザー級準決勝でホブソン・タンノ選手を破った後の笑顔が印象に残りました。

トラウマを克服したホブソン・タンノ戦。ホブソンも今回、リベンジを狙ってライト級にエントリーしている(C)TAKAO MATSUI

トラウマを克服したホブソン・タンノ戦。ホブソンも今回、リベンジを狙ってライト級にエントリーしている(C)TAKAO MATSUI

「1回戦でヒジを痛めてしまったので、どこまで戦えるか不安だったので、勝つことができて嬉しかったですね」

――1回戦は、ラグナロク柔術の保坂大希選手と戦いましたが、腕十字でアドバンテージを取られていましたね。8-0で勝ちましたが、まさかヒジを痛めていたとは。

「気づかれないようにしていました。テーピングでガチガチに固めて。過去にも同じようなことがあって負けた経験があったので、トラウマではないですけど不安になりましたね」

――過去とは、いつのことですか。

「2014年のムンジアルです。1回戦でサンドロ・バタタ・ヒベイロに勝ったんですけど、ヒジを壊されてしまって。2回戦でレアンドロ・フェルナンデスに一本で負けました。あれと同じような流れだなと、少し不安が出てしまっていたんです」

――トラウマを克服できたと。

「いつもの力は出せないけど、やってきたことを出せれば70パーセントでも勝てると思うようにして、実際に乗り越えることができました」

――それがあの笑顔につながったのですね。

「トラウマを克服できたことも含めて、嬉しかったです。僕は、絶好調よりもケガや調子が悪い方が、試合で結果が出るんだなと改めて思いました」

――絶好調よりも悪い方がいいなんて、不思議な現象です。

「19歳の時の西日本選手権は、それまで調子が良かったのに8秒で負けたこともありますし、2013年のプロ柔術MATSURIでは、万全の態勢に仕上がって日本一を狙うぞと気合いが入っていたのに杉江“アマゾン”大輔さんに、あっさりと19秒で一本負けしました。自分が調子に乗っている時が、一番、怖いです(苦笑)」

――全日本選手権の決勝はカルぺディエムの同門の細川顕選手だったため、シェアをしました。

「ええ。石川代表からは、『やってもいいよ』と言われていたんですけど、最初からシェアすることを決めていました」

――今回は、ムンジアルの出場権がかかってきますので、決勝で細川選手と対戦することになったら、どうするつもりですか。

クローズドアウトするかしないかという前にカポラルがいる。それが岩崎と細川の共通認識だ(C)TAKAO MATSUI

クローズドアウトするかしないかという前にカポラルがいる。それが岩崎と細川の共通認識だ(C)TAKAO MATSUI

「そこは、細川さんに任せます。確かに権利はかかってきますけど、その時になったら細川さんと話しますよ。みんなは僕と細川さんが戦うのを見たいようですけど、ホドリゴ・カポラルに勝つのは簡単なことではありません」

――カポラルはヨーロピアン選手権のチャンピオンですし、確かに大きな山になりそうですね。

「力が凄くありますし、ガンガン攻めてくる。トップが得意なので、厳しい試合になりそうです。今大会の優勝候補でしょうね」

――意識しますか。

「もちろんです。柔道やレスリングのアジア選手権を見ていると、世界トップクラスの選手が出てきてしのぎを削っていますよね。柔術はヨーロッパとかパンが、そういう位置づけだと思うんです。アジア選手権にも、もっと世界のトップクラスが出てきてほしいなと思います。

今回で言えば中量級は、カポラル、イサッキ・パイヴァ、マイケル・リエラ、ホベルト・サトシの4人が中心になると考えています。ただムンジアルに参加することではなく、世界で勝つことを目的にしているならば、そういう選手を意識することが大切かなと思っています」

――国内で争っている場合ではないと。

「争うのは良いことですが、世界への意識ですね。それこそが、次につながると思います」

――なるほど。世界で戦っている岩﨑選手らしい言葉です。

「とはいえ、出場選手はみんな強いですよ。僕が1回戦で負けることもあるかもしれませんし。優勝するまでに4回、計40分も戦うわけですから、厳しい試合になるのは間違いないですね」

――優勝できる自信のほどは?

「誰にも負けたくないですね。できれば1-0の僅差でしぶとく勝ち上がって、優勝します(笑)」

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