【UFC FOX17】ヴァレンチーナ・シェフシェンコ、組み技が強いムエタイ女戦士がカフマン下す
<女子バンタム級/5分3R>
ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(ペルー)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
サラ・カフマン(カナダ/6位)
ペルー国籍、タイのタイガームエタイ所属のロシア人シェフチェンコは、レガシーFCでMMAとキックで活躍してきたファイター。パンチを振るって前に出るカフマンに対し、サークリングでかわすシェフチェンコは組まれても逆にケージにカフマンを抑えていく。ヒザ蹴りを入れるシェフチェンコは、ムエタイ流の崩しからトップを取る。ガードの中から立ち上がったシェフチェンコをボディロックで取られたカフマンは、ここも首投げで倒され、マウントを奪われる。足を戻したカフマンがケージに持たれて立ち上がろうとするとシェフチェンコはパンチを入れる。
すぐに組みにいったカフマンは引き込んでヒール。足を抜いたシェフチェンコはバックに回り込む。カフマンは背中を預けて立ち上がると胸を合わせてヒザ蹴り。シェフチェンコもヒザを返し、左ヒジを見せた。
2R、シェフチェンコがスピニングバックフィストからミドルというコンビネーションを見せるが、これは届かない。組んだカフマンが離れるとシェフチェンコはスピニングバックフィストを繰り出す。組み合いのなかでシェフチェンコは左エルボー、そしてヒザをボディに就き刺していく。カフマンのクリンチ、そしてスクランブルのなかで首投げの要領でトップを奪うシェフチェンコがガードの中からパウンドを落とす。カフマンはエルボーを下から入れるが、劣性は否めない。
残り1分になり試合がスタンドに戻ると、シェフチェンコは組みの攻防にあると有効にヒザを使う。両ワキを差してもテイクダウンを奪わないカフマンがこのラウンドをも失ったか。
最終回、シェフチェンコは打撃だけでなく組みに強いムエタイ戦士振りを見せつけ、カフマンのクリンチを切り返し、自ら組んではヒザを入れる。両ワキを差してテイクダウンを取ったシェフチェンコ、カフマンもすぐに立ち上がり離れる。シェフチェンコは後ろ回し蹴りを繰り出し、カフマンが組んでくると初めてシングルレッグから足を払われテイクダウンを奪われる。
逆転にはフィニッシュしかないカフマンはサイドからパンチ、上四方になるとエルボーを繰り出す。ワキをすくってアームロックか腕十字、あるいは反応に合わせてバックが欲しいカフマンは、エビを使ったシェフチェンコを追いかけてサイドコントロールを続ける。カフマンはボディにエルボーを入れるが、残り時間は1分となる。腕狙いのカフマンだが、シェフチェンコは抑えは許しても腕は取らせない。頭を跨げないカフマンはニーンベリーからマウントへ。
左右のパンチを落とすカフマンだが、シェフチェンコは背中を預けてすっと立ち上がりタイムアップに。その瞬間にシェフチェンコは笑顔を浮かべ、カフマンは頭を振った。ジャッジ一人がカフマンにつけるという不可解な判定もあったが、8日前に出場が決まったシェフチェンコがスプリット判定勝ちを手にした。
組み技の強さを問われ、シェフチェンコは「ファンだけでなく対戦相手を驚かせたかったの」と笑顔で語った。