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【HERO LENGENDS】郷野&ペトロシアンが戴冠、卜部勝利の英雄伝説。佐藤嘉洋の戦評

HERO LEGENDS【写真】砂漠の特設会場に7000人の観客が集まった英雄伝説。レフェリングは『?』という場面も見られたが、ジャッジの裁定に地元判定的なモノは見られなかった (C)HERO LEGENDS

8月28日に中国甘粛省敦煌市の鳴沙山月牙泉野外特設会場で開催された英雄伝説アジアチャンピオンリーグ総決戦in敦煌。

Sato日本から卜部功也と郷野聡寛が出場し両者揃って判定勝ち、郷野はアジア王者に輝き、さらにはジョルジオ・ペトロシアンが英雄伝説70キロ級王者シュー・イェンを破ってベルトを巻いた同大会。同大会で日本チームのキャプテンを務め、引退式が行われた佐藤嘉洋氏による主な試合の選評が届いたので、お伝えしたい。

Special Thank to Mr.hiroyuki Iwakuma / Chinese Fighting Promotion

Petrosian<英雄伝説70キロ選手権試合/3分3R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
Def.3R1分17秒 by KO
シュー・イェン(中国)

「英雄伝説70キロ級世界王者にスーパーテクニシャンのペトロシアンが挑むという、まるで2003年のWKA世界ムエタイウェルター級タイトルマッチの防衛戦で佐藤嘉洋がガオランを挑戦者として迎え討ったときのような一戦だ。

試合前半こそ、シューは思い切って攻撃を仕掛けていくものの、それを見切ったペトロシアンは早々に膝でダメージを与え、またガードの隙間から綺麗に左ストレートを当てる。2Rにはペトロシアンが膝で2回ダウンを奪うも、レフェリーはダウンと認めず試合続行。しかし、シューの心はすでに折れているように見えた。

最終回、バックブローなどで起死回生を図るも、ペトロシアンはそれも交わし、最後はパンチの連打からの膝蹴りでシューは力無くリングにうずくまり、これ以上立つことはなかった。ペトロシアンの完璧なKO勝利。ジョルジオ・ペトロシアン、英雄伝説70kg級世界王者に」

<70キロ契約/3分3R>
フェン・シンリー(中国)
ヨードセングライ・フェアテックス(タイ)
※ノーコンテスト:ヨードセングライ・フェアテックスが42度の高熱のため棄権

「計量時には睨み合い、さらに記者会見でも舌戦を繰り広げた両者。ヨードセングライはK-1 70キロを制したマラット・グレゴリアンを完封している超強豪。2006年のK-1 MAXのオープニングファイトに出てきて、カマル・エル・アムラーニに何もさせずに勝利したときは、本当に衝撃を受けた。しかし、そのヨードセングライ、体調不良でまさかの試合直前で欠場となってしまった。開会式には出ていたのだが、限界に達してしまったのだろう。また生で憎らしいまでの強いヨードセングライを見たい。早い復帰を願う」

Gono<アジアチャンピオンリーグ72キロ王座決定戦/3分3R>
郷野聡寛(日本)
Def.EX R 10-9
シンバード・シットバン(タイ)

「郷野選手をはじめて間近で見たのは、2005年2月に開催された、私にとっての全日本キック最終戦だったと記憶している。彼も同様にその大会に出場していた。当時、彼はヘビー級で戦っていて、近年は中量級で試合をしているのだから、その適応力は計り知れない。また、総合格闘技出身ながら巧みなボクシングテクニックで長く格闘技界で活躍している猛者でもある。数年前は計量失敗の連続で評価を落としたが、今回の英雄伝説では、体重調整も慎重かつ細心の注意を払っているように見えた。

ブラジルで素晴らしい減量法にも巡り会えた様子。計量は無事に一発でパスした。対戦相手は同じくトーナメントを勝ち上がったタイのシンバード。ちなみに、この試合は72キロ級のアジアチャンピオン決定戦である。すなわち、私が持っていた英雄伝説の世界タイトルと同じ階級ということになる。ムエタイ特有の佇まいや間合いに、郷野は手を焼くが、首相撲でシンバードの体力を消耗させることに成功する。しかし中盤以降もなかなか攻め込ませてもらえず、試合は延長へ。

延長ラウンドもなかなか差がつきにくい試合内容だったが、ローキックの印象がジャッジに支持され、郷野聡寛が見事英雄伝説72キロ級アジアチャンピオンの座に輝いた」

Urabe<61キロ契約/3分3R>
卜部功也 (日本)
Def.2-0:30-29.30-29,30-30
カン・エン(中国)

「今大会の功也選手の相手は、長く中国ライト級のトップファイターであり続けているカン・エンだ。試合が始まった。カン・エンは序盤をスピードのある右ジャブ、フックでうまく戦ったのだが、卜部功也も右のパンチ、左膝を中心に反撃し、徐々にペースを握る。持ち前のアンタッチャブルなスタイルを存分に活かし、終盤はアウェイということも見据えて積極的にポイントを稼ぎ、見事な判定勝利を飾った。英雄伝説×新生K-1の構図の対抗戦をモノにした。

試合前日に功也選手といろいろ話をさせていただいた。新世代キックボクサーと我々旧世代のキックボクサーの違いなどを語り合った。昔はとにもかくにも打倒ムエタイが第一で、日本チャンピオンクラスになれば皆が必ずムエタイに挑んでいた。なぜなら日本のキックボクシングは、元々は『打倒ムエタイ』という意思のもとに発足したという起源があるからだ。

しかし、時は流れそのあり方も変容していった。だから功也はいまだに対ムエタイとの対戦経験はゼロなのだという。しかしながら本人に聞いてみると、ムエタイとの戦いには興味津々。『壊し屋タイプのタイ人トップと戦ってみたい』と大変意欲的だった。現在のムエタイは8割方首相撲とバランス崩しに偏重していて、K-1ルールに向くタイ人は少なくなっているのも事実。だが、ブアカーオやゲーオのようにK-1ルールでも活躍できる選手が、探せば必ずいるはず。卜部功也は、現在K-1に参戦している60キロ級の中では、技術的に一歩抜きん出ている。打倒ムエタイではなく、K-1ルールでムエタイトップファイターと凌ぎを削る試合が観てみたい」

<75キロ契約/3分3R>
ラムソンクラーム・チューワッタナ(タイ)
Def.3-0:30-27,30-27,30-27
ジャン・ジンシュアイ(中国)

「当初、佐藤嘉洋と対戦予定だったラムソンクラームは、長くムエタイ中量級のトップ戦線に居続ける選手。対戦相手のジャンになにもさせず、キャッチからの右ストレートでダウンを奪い判定勝利。のらりくらりと戦うムエタイスタイルにジャンは対応できなかった。英雄伝説には珍しいムエタイルールの試合」

■ 英雄伝説その他の試合結果

<アジアチャンピオンリーグ64キロ王座決定戦/3分3R>
リュウ・ウェイ(中国)
Def.3-0:30-27,30-27,30-27
タン・ヤオ(中国)

<アジアチャンピオンリーグ68キロ王座決定戦/3分3R>
メン・チンハオ(中国)
Def.3-0:30-28,30-28,30-28
パランチョク・シッジョンバン(タイ)

<60キロ契約/3分3R>
ジュー・シュアイ(中国)
Def.3-0:30-29,30-29,30-29
コンパヤック・シッジョンバン(タイ)

<75キロ契約/3分3R>
ウェン・ジンドゥー(中国)
Def.1R by KO
ゾウ・シーイー(中国)

<68キロ契約/3分3R>
リー・チェンチェン(中国)
Def.3-0:30-27,30-27,30-27
ラー・ペンホン(中国)

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