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【Glory22】見えてきたルンピニー&グローリー二冠、シッティチャイが圧倒的なパフォーマンス魅せる

Sittichai【写真】帝王ロブ・カーマンから優勝トロフィーを受け取ったシッティチャイ・シッソンピーノン。GLORYに世界最高峰の雰囲気が戻ってきた(C) JAMES LAW/GLORY SPORTS INTERNATIONAL

5日(金・現地時間)フランス・リールのスタッド・ピエール・モーロワで開催される「GLORY 22 FRANCE」。GLORYとして初のフランス大会はキックボクシングファンも注目のラインナップとなった。

最近では米国でのイベントが続き、米国仕様のマッチメークが続いていたGLORY。しかし、今回は昨年4月のトルコ・イスタンブール大会以来のヨーロッパでのイベント開催。しかも、初のフランス大会ということもあり、かつてキック最高峰にあったGloryらしいカードが並び、リングサイドからはセーム・シュルトやアーネスト・ホースト、レミー・ボンヤスキーといった往年の名選手たちが試合を見守った。

注目が集まった4選手参加のライト級挑戦者決定トーナメントでは、現役ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者シッティチャイ・シッソンピーノンが強烈なインパクトを残した。

ムエタイの頂点に立ちながら、ヒジ・ヒザなしルールの試合にも出場、1月のKunlun Fightでは一夜にしてマーセル・グローエンハートとアンディ・サワーの歴代K-1MAX王者を撃破して一躍その名を世界に轟かせたシッティチャイ。トーナメント準決勝では元Glory世界ライト級王者ダビット・キリアと対戦した。

Kiria vs Sittichai<ライト級挑戦者決定トーナメント準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
Def.2R2分09秒by KO
ダビット・キリア(グルジア)

いざゴングが鳴ると、序盤からサウスポーのシッティチャイが試合を支配。

ジャブで距離を取りつつ、左ミドル&左ロー、左ストレートにつなげてキリアに付け入る隙を与えない。

2Rに入るとシッティチャイが左ミドルと左のヒザ蹴りでキリアの動きを止め、ロープを背負ったキリアのボディに左ストレートとヒザ蹴りをグサリ突き刺す。これでキリアが前のめりに崩れ落ち、カウント内に立ち上がることが出来ずシッティチャイが衝撃のKOでキリアを沈めた。

Jauncey v Sittichai<ライト級挑戦者決定トーナメント決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
Def.3-0:30-27,30-27,30-27
ジョシュ・ジョンシー(カナダ)

続く決勝でもシッティチャイは、サワーをセコンドにつけたジョシュ・ジョンシーを圧倒。強烈な左ミドルでジョンシーを下がらせ、左ストレート・奥足ローにもつなげる。2Rに入るとジョンシーのガードごと吹き飛ばさんばかりの左ミドルを蹴り、奥足ローでジョンシーの身体がくの字に折れ曲がる。

3Rこそやや手数が減ったシッティチャイだが、左ミドルと左のテンカオで反撃をシャットアウトし、大差の判定勝利。トーナメントを制して王者ロビン・ファン・ロスマーレンへの挑戦権を手に入れた。

本来はサウスポーのフィームー(テクニシャンタイプ)ながら、シッティチャイは今大会のように左の蹴り主体のアグレッシブな戦いも出来る。この勢いに乗ってロスマーレンに勝利すれば、GLORY&ルンピニーの現役二冠王という快挙を成し遂げることになり俄然、注目度が高まる勝ち方だった。

Adegbuyi vs Verhoeven<GLORY世界ヘビー級選手権試合/3分5R>
リコ・ヴァーホーベン(オランダ)
Def.3-0:49-47,49-46,50-45
ベンジャミン・アデブグイ(ルーマニア)

メインイベントの王者リコ・ヴァーホーベン×挑戦者ベンジャミン・アデブグイの世界ヘビー級選手権試合は、序盤、ボクシングスキルに勝るアデブグイがペースを掴む。それでも徐々にヴァーホーベンもパンチ&ローのコンビネーションで反撃に転じ、尻上がりに調子を上げていく。最終5Rには動きが止まったアデブグイに攻撃をまとめるなど、技巧派ぶりを存分に発揮したヴァーホーベンが判定勝利で2度目の王座防衛に成功した。

Adamchuk v Grigorian<ライト級/3分3R>
セルゲイ・アダムチャック(ウクライナ)
Def.3-0:29-28,29-28,29-28
マラット・グリゴリアン(ベルギー)

またスーパーファイトシリーズには7月4日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015~-70kg初代王座決定トーナメント~」に出場するマラット・グレゴリアンが登場。当初、グレゴリアンはジミ・クレバリーと対戦を予定していたが直前でカードが変わり、なんとK-1の70キロ初代王座決定トーナメントのリザーブマッチに出場するセルゲイ・アダムチャックと対戦することに。

試合はプレッシャーをかけてパンチで前に出るグレゴリアンVS距離を取って左ミドルを蹴るアダムチャックという展開が続いた結果、ジャッジ3名とも29‐28でアダムチャックを支持。グレゴリアンのアグレッシブさよりもアダムチャックのアウトボクシングが評価される形で勝敗がついた。

■GLORY 22 主な試合結果

<GLORY世界ヘビー級選手権試合/3分5R>
リコ・ヴァーホーベン(オランダ)
Def.3-0:49-47,49-46,50-45
ベンジャミン・アデブグイ(ルーマニア/2位)

<ライト級挑戦者決定トーナメント決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/3位)
Def.3-0:30-27,30-27,30-27
ジョシュ・ジョンシー(カナダ/5位)

<ライトヘビー級/3分3R>
ザック・ムウェカッサ(コンゴ/4位)
Def.1R1分58秒by KO
カーロス・ブルックス(米国)

<ライト級挑戦者決定トーナメント準決勝/3分3R>
ジョシュ・ジョンシー(カナダ/5位)
Def.3R2分59秒by TKO
ジミ・クリバリー(フランス)

<ライト級挑戦者決定トーナメント準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/3位)
Def.2R2分09秒by KO
ダビット・キリア(グルジア/2位)

<ライト級/3分3R>
セルゲイ・アダムチャック(ウクライナ)
Def.3-0:29-28,29-28,29-28
マラット・グリゴリアン(ベルギー/10位)

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