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【RFC21】キム・チャンヒョンとの激闘制した佐々木信治 「格闘技を始めて10年、寝技しかやってなかった」

Shinji Sasaki【写真】2年10日振りの勝利を韓国で挙げた佐々木信治(C)MMAPLANET

2月1日のROAD FC21で、キム・チャンヒョンを激しい打撃戦の末に下した佐々木信二。

一昨年のパンクラス参戦以来、修斗、DEEPとなかなか結果が残せないなかで、拳を折りながらも厳しい精神戦を制した。その佐々木、韓国でこの試合は日本では考えられないような煽り方がされていた。

劇勝、復活ロードの一歩を踏み出した発展途上・佐々木のインタビューをお届けしたい。

──激闘の末の判定勝ち、おめでとうございました。

「ありがとうございます」

──今回、韓国でこの試合の煽り方が非常に気になりました。『かつて(※2008年4月)藤井恵に敗れたハム・ソヒの恋人キム・チャンヒョンが、彼女の夫である佐々木信治にリベンジ!!』的な乗りだったのですが。

「正式に公表とかしたわけじゃなかったのですが、一応は去年の10月の修斗30周年パーティーの席で発表させてもらっていたので……」

──では、もうお二人の関係を自分たちも書き記してしまって良いのですか?

「まぁ、隠すことでもないですから。改めて、触れるのも照れくさかった感じだったので」

──いや、でもROAD FCでの煽り方はさすがに……。

【写真】誰よりも佐々木の身を案じつつ、厳しい叱咤激励の声をコーナーから送った藤井恵さんと二人三脚で勝ち取った勝利か(C)MMAPLANET

【写真】誰よりも佐々木の身を案じつつ、厳しい叱咤激励の声をコーナーから送った藤井恵さんと二人三脚で勝ち取った勝利か(C)MMAPLANET

「それはビックリしました(苦笑)。まぁ、普通にキム・チャンヒョン選手と自分の戦いをフィーチャリングして欲しいという気持ちはありましたけど、どちらもパートナーの方がキャリアが上なので、そういう煽り方をされるも仕方がないのかと……。あまり気にしないでいました。でも、日本だと絶対にこんな煽り方をされるのは嫌です。選手として、自分の価値は何なんだと思ってしまいます(笑)」

──それはそうですね(笑)。このところ、国内で結果が残せていませんでした。このタイミングでRFCで戦おうと思った理由は何だったのですか。

「自分としては飽くまでもベースは修斗で、修斗を中心に戦っていきたいという気持ちは今も変わらずにあります。その流れで、サステインの坂本(一弘)代表からパンクラスからオファーをもらったり、あるいはDEEPであったり、今回のように韓国で戦うという話をもらったということなんです。僕の試合は坂本代表を通していただいていて、自分の方で『ここで戦いたい』という風に話をさせてもらうことはないです」

──なるほど。そのような修斗での戦いを一番に考えている佐々木選手にとって、韓国RFCでの戦いは打撃一辺倒の激しい殴り合いとなりました。極め系のイメージが強い佐々木選手が、最近は自分のパンチを当てて、相手の距離にはいないという打撃戦を展開してきたようにも映っていました。

「完全決着、そんな試合をいつも心掛けています。もちろん、寝技で一本を取ることが自分のなかでは一番しっくりきます。パンチは決して巧いわけじゃないし、どちらかというと寝技の方が得意でした。ただ、巧く戦おうとすると空回りする感じが続いていたんです。

お世話になっている人とも、そんな試合が続いてしまっていることについて話していた時に、『お前の良いところは気持ちを全面に出して戦うところだ。そうやって、気持ちを全面に出していけば、結果は自ずとついてくる』とアドバイスしてもらったんです。正直なことを言うと、自分でもそうなのか半信半疑でした。でも、とにかく気持ちで戦うようにすると、結果がついてこなくても試合後には出し切れたという想いがしました。と同時に、しっくりくるようになってきたんです」

──実は10年選手の佐々木選手が、経験を積み重ねてきて、そのような境地に辿り着いたということですね。

「かなり試合経験も積んできたのに、やっと……という感じですね(苦笑)」

──その気持ちで戦う試合は、やはりダメージの蓄積が心配されます。実際、打撃戦をするなかで相手の攻撃を受けてしまうという展開が、過去3試合ほど続いていました。

「それは自分が下手くそなだけなんです」

──キム・チャンヒョン選手にも、2Rにガツンとやられました。

「僕もあのパンチをもらった時に『来たか』と思いました(苦笑)。それもただ単に自分が下手くそなだけで。打たれ弱いというよりも、パンチが見えていない。見えていないところからもらったパンチだから、効いてしまう。だから、ホントさっきから言っていますが、自分は下手なんです。ずっと寝技しかやってきていなくて、藤井さんが引退して地元に帰ってきた去年から、ようやくミットを持ってもらうようになって。そこから打撃を始めたようなものなんです」

──えっ、それまで打撃をやってこなかったと!! では、まだノビシロがあるということですね。

「う~ん、発展途上だとは思っています。格闘技を始めてから10年、寝技しかやってなかった。打撃の先生もいなかったですし。だから、パンチが見えていなくて被弾して、倒れてしまう……」

<この項、続く>

■RFC22対戦決定カード

<RFCライト級選手権試合/5分3R&延長1R>
[王者]クォン・アソル(韓国)
[挑戦者]イ・グァンヒ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
福田力(日本)
イ・ドルヒ(韓国)

<88キロ契約/5分3R>
ユン・ドンシク(韓国)
高瀬大樹(日本)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジョンギョ(韓国)
ジョン・オジン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
田村一聖(日本)
チョ・ヨンスン(韓国)

<ヘビー級/5分2R>
ジム・ゴンオ(韓国)
ルカス谷(ブラジル)

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