【UFC105】TUF9ファイターより、エティン!? ハマン!!??
UFC105「COUTURE vs VERA」が、14日(土・現地時間)にマンチェスターのイブニングニュース・アリーナで開催される。全11試合中、開催地英国のファイターが出場しないのは、メインのランディ・クートゥアー×ブランドン・ベラと、アンダーカードのライトヘビー級戦アレクサンダー・グスタフソン×ジャレッド・ハマン戦の2試合のみ。9試合で計11人のUK UFCファイター出場する。
【写真】TUFシーズン9ファイターを実力で上回るUFC進出組。TVマッチには入っていないが、テリー・エティムは今後に注目大だ (C) MMAPLANET
大挙出場する御当地ファイターのなかで、メインカードに出場するのは大将格のマイケル・ビスピンをはじめ、ロス・ピアソン&ジェイムス・ウィルクスらTUF出身者が大勢を占め、アンダーカードでもニック・オシベチェック、アンドレ・ウィナーもそれぞれがシーズン9のベスト4と準優勝者だ。
ただ、そのシーズン9のレベルが低いという声は多く、知名度こそ高いが、実力的にはチームUK×チームUSAという構想以前に英国進出を果たしたUFCに出場していたファイター達の方が高いという見方は強い。
【写真】名勝負男ポール・テイラー。UFCに留まるためにもジョン・ハザウェイ戦は勝利が必要だ (C) MMAPLANET
アンダーカードでいえば、唯一の英国人対決となるポール・テイラー×ジョン・ハザウェイ、シャノン・グジェルティと対戦するテリー・エティン、そしてデニス・シバーと対戦するポール・ケリーらが、そのTUFファイターを上回る実力者と目されている。
UFC定期開催で、MMAビジネスが波に乗りつつある英国にあって、いち早くUFCデビューを飾った彼らのモチベーションは非常に高い。UFC戦績は3勝3敗、いずれも欧州大会の出場に留まっているテイラーだが、マーカス・デイビス、ポール・ケリー、そしてクリス・ライトルに敗れた3試合の全てでファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得している名勝負男。
殴られても前に進むスタイルは、ビスピンと同じウルフスレアー所属のポール・ケリーに通じるモノがあるが、今回は同じ英国人で22歳と7歳も年若のハザウェイが相手だけに、名勝負云々でなくUFC残留を賭けても勝利が必要だ。
ハザウェイはこれまでトーマス・イーガン、リック・ストーリーに勝利しているが、ビッグインパクトを残せているファイターではない。しかし、彼に敗れたリック・ストーリーが米国本土で勝利を挙げたブライアン・フォスター戦のパフォーマンスを見れば、ハザウェイの持つポテンシャルの高さを伺い知ることはできる。
188センチの長身で、テイクダウン攻防中の打撃の巧みさはその年齢には不相応というしかない。この一戦に勝利すれば、欧州要員からの脱却も見えてくるだけに、ファイト・オブ・ザ・ナイト候補の熱い一戦になることは間違いない。
ハザウェイが英国を飛び出すミドル級のスター候補なら、ライト級ではテリー・エティンに米国再進出の期待がかかる。昨年5月にラスベガスでリッチ・クレメンティに敗れたエティン。それ以前にもグレイソン・チバウに遅れを取ったが、現在は3連勝中で、UFC通算戦績も4勝2敗と勝ち越している。
この4-2という戦績は、評価の分かれる微妙なものかもしれないが、昨今の日本人選手のUFC戦績を見れば、二つ勝ちこすことの難しさは理解できるに違いない。
リバプールという英国の格闘技のメッカで生まれ育ち、卓越した当て勘を持つエティンだが、グラウンドもルタリーブリの黒帯マルセーロ・ブリガデイロ譲りの足関節、そしてフロント系チョークが冴えるオールラウンダーだ。ダース・チョークとギロチン・チョークで、これまでサブミッション・オブ・ザ・ナイトを二度獲得しているエティン。グラップリングの師ブリガデイロは、グジェルティ戦は『2R、ギロチンで一本』と既に勝利宣言を行なっている。
ケージ・レイジ時代からUFC上陸を経て、新たな人材が続々と現れる英国にあってハザウェイとエティンは特に今後が気になるファイターだ。
【写真】人知れず――的にUFCデビューを飾るジャレッド・ハマン、もっと注目されておかしくない実力の持ち主だ (C) EliteXC
なお同大会には、英国勢ではないがジャレット・ハマンがUFCデビューを飾る試合にも注目したい。エリートXC出場時に最も注目されたライトヘビー級ファイターだ。EXC崩壊後はなりを潜め、ウラジミール・マティシェンコ率いるVMATで調整の日々を送っていたが、ついにビッグチャンスが与えられた。
EXCの人材育成大会ShoXCで、試合開始直後にポアイ・スガヌマのジャンピングニーを受け、レフェリーが試合をストップしたことで初黒星を喫したが、早過ぎるストップに抗議、再戦を実現させている。そこでは文句なしのパンチによりKO勝ち、その力を誇示したハーマンが1年3カ月振りに実戦の舞台に戻ってくる。
対戦相手のアレクサンダー・グスタフソンは、スウェーデン人MMAファイターで、MMAデビュー以来8連勝中。スウェーデンではアマチュア・ボクシングで国内王者になっているハードパンチャーだ。それでも、幻のUFCのライバル・プロモーションで、最も期待されたライトヘビー級ファイターで、レスリングのマティシェンコに、打撃をアントニー・ハードンクに学ぶハマンだけに、インパクトを残す勝利を期待したいところだ。
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■UFC105「COUTURE vs VERA」対戦予定カードは下記の通り
<ライトヘビー級/5分3R>
ランディ・クートゥアー(米国)
ブランドン・ベラ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ダン・ハーディ(英国)
マイク・スウィック(米国)
<ミドル級/5分3R>
デニス・カーン(カナダ)
マイケル・ビスピン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マット・ブラウン(米国)
ジェイムス・ウィルクス(英国)
<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
アーロン・ライリー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ポール・テイラー(英国)
ジョン・ハザウェイ(英国)
<ライト級/5分3R>
シャノン・グジェルティ(米国)
テリー・エティン(英国)
<ウェルター級/5分3R>
マット・リデル(米国)
ニック・オシベチェック(英国)
<ライト級/5分3R>
ポール・ケリー(英国)
デニス・シバー(ドイツ)
<ライトヘビー級/5分3R>
ジャレッド・ハマン(米国)
アレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン)
<ライト級/5分3R>
アンドレ・ウィナー(英国)
ロナルド・デルガド(米国)