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【UFC100】ヘビー級王座統一戦はスタミナ勝負?

2009.07.09

ブロック・レスナー (C) ZUFFA11日(土・現地時間)にラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで行われるUFC100は、メイン級カードのオンパレード。そんなメインイベンターが集結するヒストリック・イベントのトリを務めるが、ヘビー級世界王者対決ブロック・レスナー×フランク・ミアの一戦だ。

【写真】UFCヘビー級戦線におけるブロック・レスナーの運動能力は、キャリア不足を補って余りあるものがある (C) ZUFFA

キャリア4戦、その内訳が3勝1敗のUFC世界ヘビー級王者レスナー。ベラトールFCのキャリア10戦前後のファイターが優勝賞金17万5千ドルを獲得したことが話題になったが、レスナーの4試合目となった昨年11月のランディ・クートゥアー戦のファイトマネーは45万ドル。MMA史上最強の――、そして最もリッチなグリーンボーイだ。

元WWEのスーパースター、彼の運動能力の高さはそれ以前のレスリングでのキャリア云々よりも、プロレスのリングの見せたシューティングスタープレスを見るだけで明らかだ。


あの巨体でトップロープからバック宙を行うことができる身体能力、MMAファイターとすれば経験不足は否めないが、アスリートとしてのアビリティ、さらには大観衆を前にしても動じない気持ちは既に一級品といえる。

UFCでビュー戦、つまりMMA転向2戦目で今大会の対戦相手フランク・ミアにヒザ十字で敗れているが、その後の2試合というよりも1年半の練習期間により、ミアは前回戦った時のレスナーを基準にこの試合を考えては絶対にならないだろう。

技の習得度でいえば、そのトップを奪う力は元から持っており、減量が必要なスーパーヘビー級のボディから繰り出されるパワーは他を寄せ付けない。ミアの打撃の向上にも目を見張るものがあるが、クートゥアーが必死に踏み込んでパンチを届かせているのに対し、腕を伸ばすだけで相手に届くリーチも、レスナーの大きな武器になっている。

心技体、三つの素養のうち心と体を既に有しているレスナー。MMAでは素人だという意見も未だに聞かれるが、それだけノビシロを残しているという見方もできる。

フランク・ミア (C) ZUFFA【写真】暫定ヘビー級王者フランク・ミア。絶対的な体力差を前に、どこに勝機を求めているのだろうか (C) ZUFFA

そんな強すぎるルーキーに対し、ミアがとる作戦はスタミナ重視の消耗戦に持ち込むことではないだろうか。決してグッドシェイプを保つ方でなかったミアだが、明らかに肉体改造に取り組んでいたようで、コンディションの良さが、ミノタウロ・ノゲイラを下し世界暫定王者についた試合で見せた打撃の向上だけでなく、本来持つサブミッション・スキルを際立たせる可能性もある。

ミアとすれば、どれだけ長期戦に持ち込むことができるのか。つまりは、3Rまでレスナーの瞬発力を抑えることでミアの勝機が見えてくる。昨年8月のヒース・ヒーリング戦の時点で、レスナーはその15分間すら戦い抜くスタミナを持っていなかったことを露呈しているが、はたして現在のコンディションはどこまで引き上げられているのか。勝負はこの辺りにかかってくる。

また、日本では二つの世界の影に隠れる印象のあるTUFシーズン9コーチ対決マイケル・ビスピン×ダン・ヘンダーソンのミドル級戦だが、現地での注目度は抜群のモノを持っている。

TUFシーズン3ウィナーから、今回のコーチを経てビスピンの知名度は高い。そしてリアリティTVショー出身者らしく、キャラクターの浸透具合もダン・ヘンを上回っている。シーズン9でも、時には遅刻しセコンドに付けなくなりファイターに謝罪する姿や、過度な叱咤激励、さらにはダン・ヘンに挑発的な物言いをするなど、ショーにアクセントと付けてきた。

Henderson【写真】ジ・アルティメット・ファイターでも、特に着飾ることなく、素の性格で押し通したダン・ヘンダーソン。その朴訥な物言いには、物足りなさを感じたファンもいるかもしれないが、逆に好印象を与えていたようにも感じる (C)ZUFFA

一方、思った以上に無口で、素の部分を見せていたダン・ヘンは「この試合はレスリングや打撃ということでなく、体力勝負になる」と語り、フィジカルコンディションを高めるトレーニングにプライオリティを置いている模様だ。

「経験でも、フィジカルでも負けない」というダン・ヘン。ケリはオクタゴンのなかで見せるという、TUF以前のファイターらしい姿を見せている。

■UFC100 全対戦カードは下記の通り

<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[王者]ブロック・レスナー(米国)
[暫定王者]フランク・ミア(米国)

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[挑戦者]チアゴ・アウベス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
パウロ・チアゴ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン(米国)
マイケル・ビスピン(英国)

<ミドル級/5分3R>
秋山成勲(日本)
アラン・ベルチャー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マーク・コールマン(米国)
ステファン・ボナー(米国)

<ライト級/5分3R>
マック・ダンジグ(米国)
ジム・ミラー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
ジェイク・オブライエン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ドンヒョン(韓国)
TJ・グラント(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
CB・ダラウェー(米国)
トム・ローラー(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・グレイス(米国)
シャノン・グジェルティ(米国)

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