【UFC207】遂にドミニク、陥落。パンチ力+ヘッドスリップ=抜群の見切りでガーブラント政権誕生
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
コディー・ガーブラント(米国/5位)
Def.3-0:48-46.48 -46.48-47
ドミニク・クルーズ(米国)
タッチグローブはなかった両者。ドミニクのいつものステップに、ガーブラントはワンツーから前へ。ドミニクが右を当てると、ガーブラントがハイを見せる。ドミニクの前進にショートを狙うガーブラントはローを受けても、パンチにはスッと距離を取る。ドミニクの左ハイに、右オーバーハンドを合わせようとしたガーブラント。
ガーブラントはドミニクに前に出させて、パンチを狙う。場内はコディー・チャント。そのガーブラントの前進をサークリングでドミニクがかわしていく。ローを続けるドミニクは右ミドルをキャッチも、テイクダウンにいかない。ガーブラントも右ローを返し、想像以上に距離を取るファイトを展開する。
とドミニクはガーブラントの右フックでダブルレッグを合わせる。頭を抱えて、後方回転するようにスクランブルから立ちあがったガーブラント。ドミニクは右を入れて、接近戦でも連打を繰り出す。ガーブラントもドミニクの前進にダブルレッグを合わせ、トップを奪取。すぐにドミニクが立ち上がったが、初回の空気感は挑戦者優位だったか。
2R、ドミニクが左をかわされてから、ワンツー、そしてスリーを見せて前へ。ガーブラントの左を被弾したドミニクは、すぐに左を返す。一旦、両手をマットについたガーブラントはすぐに起き上がる。ドミニクがクリーンヒットを許すというかつてない展開。tそして、そのドミニクがパンチへの耐久力が強いことが分かった序盤戦。
残り3分となり、ドミニクの右ローがヒットする。右が届かなかったガーブラントだが、追いすぎないのでテイクダウンの隙を与えない。蹴りをキャッチされても、すぐに足を引き抜くガーブラントは、ローに右を合わせて左を振るう。ドミニクは空振りが多く、ガーブラントが右ミドルを蹴り込む。
左ミドルに続き、右フックを入れたドミニクは、残り10秒でテイクダウンを狙う。スプロールしたガーブラントと打ち合ったチャンピオン。思い通りの試合はデキていない。
3R、ガーブラントは右ハイを見せてバランスを崩すが、直後のパンチの交換で右を入れる。左目尻をカットして流血のドミニクは右を受け、自らのパンチは空を切る。ケージ中央で挑発しあった両者、ガーブラントが右から左を当てる。ガーブラントの左に右を合わせていくドミニクは左ハイから右フック。直後に前に出たガーブラントが右を入れ、左ジャブを合わせる。
ドミニクの右オーバーハンドをよけて、中央で戦おうと手招きしたガーブラントは、右を入れてドミニクがヒザをマットにつく。起き上がったドミニクが左フック、続く連打をヘッドスリップでチャレンジャーがかわす。
残り1分、左右のフックをダックアンダーでかわしたガーブラント、続く前進に低い姿勢からオーバーハンドを繰り出す。終盤、左を当てたドミニクだったがここもガーブラントのラウンドとなった。
頭が当たってカットした傷が、大きく開いているチャンピオン。対して、ガーブラントの顔は少し赤くなっている部分があるものの殆ど無傷だ。4R、右ローを再開したドミニクに対し、ガーブラントも左ミドルハイを繰り出す。構えを変えながら左を入れたドミニクだったが、続く打ち合いで左に右を合わされてダウン。
立ち上がったドミニクに対して、慌てず待ち受けるファイトを展開するガーブラント。対してドミニクはローでバランスを崩す。それでも距離を詰めないガーブラントは、左ジャブ、右をヘッドスリップでかわす。
逆にパンチがラフ、スラッピーになっていくチャンピオン。このような姿は想像できなかったが、ガーブランドのヘッドムーブ、スウェイ、ダックアンダーは予想をはるかに超越したレベルにあることが、試合を通して判明した。
左に右を合わせてが、これが彼振りになってなお余裕の表情を浮かべるチャレンジャー。続く左でダウンを打番と、右を入れてついにラッシュを掛ける。蹴りに右を入れて、バランスを崩させたガーブラントはついに、この回をついにビッグラウンドとした。
最終回、蹴りをキャッチして距離を詰めるチャレンジャー。ドミニクはジャブが当たらないまま、戦い続ける。右から左を当てたドミニクの右アッパーが空を切る。ヒザ蹴りもキャッチしたガーブラントは、カウンターのタイミングを図るファイトから、嘲笑するかのようにバーピーを見せる。
残り2分、ドミニクのダブルレッグをスプロールしたガーブラントは、蹴りをキャッチしてローを入れる。右ストレートからの右スピニングバックフィストも空振りしたドミニク。チャンピオンにパンチを振るわせて組んだガーブラントは、ケージに押し込んで時間の経過を持つ。ガーブラントはヒザを入れて離れると、両手をあげて勝利を確信。
タイムアップとともに笑顔を見せたドミニクとハグしたガーブラント。歴史が変わる一戦となった。
細かいステップ、角度とからの軸の向きを変える──、まるで下半身と上半身が別々に動きつつ連動しているようなスムーズなヘッドムーブで、ドミニクのパンチを無力化させ、そのシャッフルに翻弄されることなかったガーブラントが、3-0で新UFC世界バンタム級チャンピオンに。
「アメージングだ。皆に感謝している。僕はファイトとともに育った。彼はワールドベストだった。僕が今はベストだ。TJ・ディラショー、かかって来いよ。マザーフ○ッカー」と新チャンピオンは語った。