【UFC184】山本KID徳郁、3年振りの実戦復帰は指が目に入り、無念のノーコンテストに
<バンタム級/5分3R>
ロマン・サラザール(米国)
NC .2R2分37秒
山本 “KID” 徳郁(日本)
2013年2月以来、3年振りの実戦復帰となったKID。対するサラザールはUFC1戦1敗、通算9勝3敗のファイターだ。いきなり距離をつめて左ストレートを放ったKID。続いてワイドスタンスで、距離を詰めて右フック、サラザールは右ハイを蹴っていく。KIDは右ジャブを伸ばし、サラザールは右ローを見せる。サラザールの飛び込みにアウトから右フックを被せるKIDは、続いて右フックを打ち込む。サラザールのパンチはほぼ見切っているKIDは、テイクダウン狙いも問題なく切っていく。
右アッパーを見せたKIDは、左ローへ。やや疲れた様子が見えるKIDは、目に指が入ったとインターバルを要請する。再開後、サラザールの蹴りは空振り、それでも前に出てくるところをKIDが捌く。ほぼ相手の拳を被弾しなかったKIDが初回を取った。
セコンドの朴光哲の「会場(の反応)を気にしないで、相手に集中して」という声に送られたKIDは、2R開始直後にテイクダウンを奪われるが、左腕を差して立ち上がる。左ボディを決めたKID、やや口が開き気味になってきたのが気になる。接近戦でヒザを入れ、右フックをかわしたサラザールが、今後は指が入ったとアピール。手を合わせて謝罪するKID、すぐに試合が再開するとサラザール左フックを放っていく。左ローからややスラッピーなフックを2つ見せたKIDは、サラザールの前進を左で迎え撃つ。
左フックを放ったサラザールにKIDの指が両目に入り、試合が中断。ドクターチェックが行われる。時間を掛けて回復に努めるサラザールだが、戦意喪失気味だ。「大丈夫だといわれても、俺の目は見えない」と不満顔のサラザールの目を再びドクターが診る。サラザールが「左目が見えない」と繰り返し、ビッグ・ジョン・マッカシーは試合続行不可能と判断、ノーコンテストを宣言した。
今回のKIDに関わらず、 MMAでよく見られるアクシデント的なアイポーク。スラッピングやストッピングは指セパレートのMMAグローブを付けている限り、掌をマットと垂直にしていても、距離が合わないと水平になり指が入りやすい。レフェリーも常に注意を払うしかない、MMAの競技特性であり、円滑に試合が進まなくなる根幹的な問題だ。