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【TUF8】エスクデロ優勝も二人の戦いは始まったばかり

2008.12.14

(C) ZUFFA■第10試合 TUF8ライト級決勝/5分3R
エフライン・エスクデロ(メキシコ)
Def.3R終了/判定
フィリップ・ノヴァー(米国)

【写真】ノヴァーの打撃をかいくぐり、何度もテイクダウンを奪ったエスクデロ。文句なしの判定勝利を挙げた (C) ZUFFA

TUFシーズン終了後、黒帯昇格を果たしたノヴァー。「GSPのようだ」、「ライト級のアンデウソン・シウバ」というダナ・ホワイトのノヴァー評は、明らかに来るべきフィリピン進出を考えてのものと勘繰りたくなるほど持ち上げすぎとはいえ、彼が非常にバランスをとれたファイターであるということに変わりない。


試合は、カンフーから格闘技キャリアを始めたノヴァーのやや変則的な左ハイ、左ミドルでスタートを切った。エスクデロも蹴りを返し、そのままテイクダウンへ。クローズドガードで一度は固め、腕十字をしかけたノヴァー。エスクデロが両足を担ぐと、そのまま立ち上がったが、直後にフックを打ち抜かれる。

たまらずノヴァーはタックルを仕掛けるが、エスクデロはこれを切ってバックへ。なんとかチョークを逃れたノヴァーは、ガードに戻すが、ここでもエスクデロの強烈なパウンドが顔面を襲う。ハイガードから三角絞め、さらにアームロックへ移行したノヴァー、エスクデロは腕をフックされたまま立ち上がり、試合は再びスタンドへ。

蹴りからタイミングのよいタックルを仕掛けたノヴァーだったが、エスクデロはこの攻撃も見切り、ガードを取ったノヴァーをパウンドで攻める。残り時間30秒となり、立ち上がったノヴァーは飛び込んでヒザをボディに叩き込んだが、劣勢のまま1Rを終えた。

2R、飛びこんで右フックを放ったノヴァーから、またもエスクデロはテイクダウンを奪い、同時にサイドへ。立ち上がったエスクデロは、ローキックからパウンドの機会を窺う。立ち上がったノヴァー、ボディへのヒザ蹴りを見舞い、ようやくエスクデロの片足タックルを切ることに成功した。

エスクデロをケージに押し込み、テイクダウンを狙ったノヴァーは、ここでエルボーを放ち距離を取る。エスクデロのミドルに左ストレート、さらに右フックを繰り出すがノヴァーだが、ここでもカウンターのタックルでテイクダウンを許してしまった。

ガードでエスクデロの攻めを耐え忍んだノヴァーは、ヒールフックから逃げて立ち上がったエスクデロに、力いっぱいミドルを蹴り込んだが、ここも豪快なテイクダウンで切り返され、2Rが終了した。

最後の5分間。ノヴァーの右フックがヒットしたが、エスクデロは構わず組み付き、テイクダウンへ。グラウンドでは攻めることがないエスクデロは、立ち上がってきたノヴァーへテイクダウンすることだけに集中しているようだ。

左ジャブを二発ヒットさせたノヴァー、ようやくスタンドで自分の戦いに持ち込むことができたのも束の間、ここでもテイクダウンされてしまう。ハーフでガッチリと固めるエスクデロ。腰に手を回してホールドに徹するが、ノヴァーはミッションコントロールの体勢からエルボーを打ち込んでいく。

勝負を諦めないノヴァーは、このままラバーガードの状態に入りたい。が、自らの両手をクラッチしたエスクデロはテコでも動かない。試合時間は残り1分、ここでオモプラッタからスイープに成功したノヴァーは立ち上がり、残り時間30秒となったところで両足を蹴りあげ続けるエスクデロからパスに成功。パンチを落としたところで、タイムアップとなった。

判定はジャッジ3者とも、29-28でエフライン・エスクデロを支持。ノヴァーを買っていたダナ・ホワイトも、新しいメキシカン・スターに笑顔を見せ、優勝トロフィーを手渡す。

「フィリップは素晴らしいストライカーだと知っていたから、今日のような試合をするためにずっとコーチと練習してきた」とエスクデロ。UFCで最初に成功を収めたのはエスクデロとなったが、UFC世界王座を狙うノヴァーとの戦いは、この日始まったばかりだ。

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