【UFN16】吉田、コスチェックに無念の完敗
■第10試ウェルター級/5分3R
ジョシュ・コスチェック(米国)
Def.1R2分15秒/TKO
吉田善行(日本)
【写真】日本屈指のケージファイターでさえも跳ね返されたUFCトップの壁。厳しい現実がそこにあった (C) ZUFFA
「柔道プレイヤーに投げられたことはない。それに俺は柔術も、ボクシングもできるからな」。不適なコメントとともにオクタゴンに現れたコスチェックに、「戦うためじゃない、勝つためにやってきた」と吉田もオクタゴンへ。
軽くローを蹴り、距離を測る吉田。コスチェックも最初は様子見のファイトから、大ぶりの右フックを放っていく。吉田は勢いのある左ハイを見せるが、首をロックしたコスチェックはダーディボクシングで攻めてくる。緊張感溢れる立ち上がり。コスチェックの右ストレートが吉田を捉える。
深追いをしないコスチェックは、ヒザ蹴りを見切って、しっかりと吉田の動きを見ている。反対に吉田へプレッシャーをかけ、ケージ際に追い込んだコスチェックはここで右ストレート一閃。一瞬腰を落とし、ケージで跳ね返るように立ちあがった吉田だが、意識があるかどうかも明らかでない。
そんな吉田に対し、コスチェックは間髪いれず、思い切り右フックを打ち抜いた――。
完全に意識を失った吉田は、腰から崩れ落ちるようにキャンバスに沈んだ。
吉田は、リングより金網の経験の方が多く、米国で勝つために開かれたケージフォース初代ウェルター級トーナメントに出場。パンクラスと修斗の王者を経験したファイターにTKO勝ちし、豪州と英国人ファイターを破り王座に就いた。UFCデビュー戦でもTUFファイターから秒殺一本勝ちを収めている――。
そんな吉田が完璧に跳ね返されたUFCウェルター級トップ5の壁。厳しすぎる現実が、吉田の前に、日本のMMAファイター達の前にそびえ立っている。
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