【TUF15】第9週:準決勝進出、最初の2人はヴィックとヒエサに
【写真】逃げ切るという意味では、甘さを露呈したジェイムス・ヴィックだが、その体格を利用したファイトでジョー・プロクターを判定で振りきり、準決勝進出を決めた (C) UFC
11日(金・現地時間)に中継されたTUFシーズン15第9週。この日から準々決勝がスタートし、最初の2試合が行われた。まずはチーム・クルーズのジェイムス・ヴィックとチーム・ユライアのジョー・プロクターの一戦が、中継開始20分過ぎに始まった。
<ライト級/5分2R>
ジェイムス・ヴィック(米国)
Def.判定3-0:20-18,20-18,20-18
ジョー・プロクター(米国)
長身のヴィックに間合いを許さないで戦うプロクターだが、その上背を利したヒザ蹴りをヴィックが見せる。距離が詰まると、連打を見せるプロクター。スピードと回転数では、ヴィックを上回る。上下に攻撃を散らすようにローを滑らせるヴィックは、続いてアッパーから左ストレートをヒットさせた。
左ジャブを伸ばし、右アッパー、右ストレートを見せるヴィック。ヒットはしないが、攻勢の印象を与えて初回を戦い終える。2R、ヴィックは左ジャブからローをヒットし、前に出てプレッシャーを与える。懸命に抵抗は見せるが、自分のペースに持ち込めないプロクターが、ダブルレッグからテイクダウンに成功する。
すぐに立ち上がったヴィッグは、足のフックのない絞めを潰すように、トップを奪いサイドへ。ポジションを奪ってなお、自ら立ち上がったヴィックは首相撲からヒザを狙う。スタンドに戻ってもアグレッシブに攻めるのではなく、距離を取りながらパンチや蹴りを当てて、プロクターの攻撃をいなす展開を続けた。
右アッパーを見せたところで、右ストレートを喰う場面もあり、残り15秒を切るとガムシャラに前に出てきたプロクターのパンチがヴィックの顔面を確実に捉えるシーンも。明確なポジションを取りながら、スタンドに戻りポイントアウトを狙ったヴィック。現代MMAらしさを垣間見せる。終盤には乱打戦に持ち込まれるという甘さを見せたヴィッグだが、ジャッジ3者が20-18をつけ、準決勝進出を決めた。
今週行われたもう1試合の準々決勝、シーズン序盤に父を亡くしながらハウスに戻ってきたマイケル・ヒエサと、打撃ナンバーワンのジャスティン・ローレンスが戦う。ストライカー×レスラーの一戦は――。
<ライト級/5分2R+延長R>
マイケル・ヒエサ(米国)
Def.3R1分02秒 by TKO
ジャスティン・ローレンス(米国)
【写真】セレクション全体で1位指名だったジャスティン・ローレンスだが、弱点の寝技というよりも、ウィークポイントであるエリアで戦うというミスを犯し、マイケル・ヒエサに敗れた。ダナ・ホワイトは「ヒエサを軽視していた」と語った (C) UFC
サウスポーのヒエサに、サイドキックを見せるローレンス。ヒエサの蹴り足を掴んで組みつくと、一気にドライブ。ケージを背にしてバランスをキープしようとしたローレンスにチョークを仕掛け、バックに飛び乗る。
前方にヒエサを振り落としたローレンスは、腕十字を防ぎ、パウンドを落としていく。インサイドからパンチを落とすローレンスは、ヒエサの三角、ヒップスローの仕掛けを必死で潰してトップをキープする。
試合を動かそうとしているのはヒエサ。続いて右腕にキムラを仕掛ける。腰の下でクラッチしてディフェンスをするローレンスは、頭でヒエサの胸を押してパンチを落とす。残り1分、三角絞めを仕掛けたヒエサが、ガードからエルボーを叩きこむ。頭を抱えて、下げるしかないローレンスの腕を送ったヒエサだが、足のロックはルーズなままで極め切れない。それでもラウンド終了まで攻勢を握ったヒエサが、まずは大切な1Rを取ることとなった。
2R、初回同様に蹴り足を掴んでテイクダウンを狙ったヒエサだが、すぐに足を引き抜いたローレンスは、距離をしっかりとコントロールし、前蹴りから左右のフックを決める。続くミドルをキャッチされたローレンスは、シングルからダブルレッグと攻め込まれるが、ケージを背にしてバランスをキープ、ヒエサ自らが距離を取る。
頭を下げて突っ込んでくるヒエサをいなし、左フックを打ち込んだローレンスは、左ストレートに真っ直ぐ下がる場面も見られたが、スピニングバックフィストをかわして、左フックを打ち込む。
ヒザ蹴りから、動きの落ちたヒエサにワンツーを繰り出すローレンス。残り2分となりテイクダウン狙いを切ると、常に前に出てプレッシャーを与えるようになる。ローレンスが右の前蹴りから左ジャブを連続で見せると、ユライアが「テイクダウンを狙え」と大声を張り上げるが、ボディを受けたヒエサは前方に崩れ落ちる。
亀の態勢から、キムラ狙いを逃げられ、クローズドで固めるヒエサ。ローレンスも、「キムラを注意して、パンチ」というドミニクの声に応えられない。そのままタイムアップを迎えた両者、ジャッジは3者ともサドンビクトリー・ラウンドへ進むことを命じた。
前に出たヒエサに、左から右を打ち込んだローレンス。ヒエサのジャンピングガードをスラムで叩きつけ、トップへ。ヒエサはヒップスローを決め、マウントを奪取すると、パウンドを連打する。「寝技はサッ○だ」というユライアの言葉通り、頭を守るだけで何もできなかったローレンスにパンチを落とし続けたヒエサが、TKO勝ちを手にした。
この日の結果を踏まえ、2週間後に行われる準決勝はジェイムス・ヴィック×マイケル・ヒエサに決定。そして、番組終了直前に、次週=第10週に行われる準々決勝はクリス・サンダース×ヴィンチ・ピチェルと、チーム・フェイバー同士の対戦アル・イアキンタ×アンディ・オグルになることが、ダナ・ホワイトから発表され、TUFシーズン15第9週は幕を閉じた。
完売間近・・・、TUF15 オフィシャルアパレル残り僅か・・・