【特集アジア】マハラジャMMA=SFLラジ・クンドラに訊く
7日(金・現地時間)にインドはチャンディガルで開催されたSuper Fight League02。MMA普及のアプローチに独特な味を持つMMAのプロモーション、そのオーナー&プロモーターはラジ・クンドラだ。
【写真】左がラジ・クンドラ氏。右は共同オーナーでインドのアクションスター=サンジャイ・ダット。二人の掛け合い漫才は早くもSFL名物となっている (C) MMAPLANET
1975年9月9日生まれ。ロンドン生まれ、2年前にインドに結婚後、移住。英国のパスポートを持っているけど、心はインド。数多く存在するインド語のなかでもヒンドゥー語など3つの言葉を操ることができる。インドのプロクリケットリーグのラジャスタン・ロイヤルズのオーナーでもある。
特集アジア、マハラジャMMAの伝道者にインドの格闘技事情、そしてSuper Fight Leagueの方向性を訊いた。
――ロンドンで生まれ育ったクンドラさんですが、いつ頃からMMAに興味を持つようになったのでしょうか。
「ロンドンに住んでいるときは、ずっとフットボールが好きだった。でも、インドのフットボールにも興味を持っていたけど、政治的にゴタゴタが付きまとっていたので、妻とクリケットリーグ(※プレミアムリーグ)、ラジャスタン・ロイヤルズの共同オーナーになったんだ。
インド人は日本や中国のカンフーやカラテ・ムービーなど、アクションが好きでね。4年ぐらい前からMMAに興味を持ち始め、本当のアクションであるMMAをこの国に持ちこもうとボリウッド(ムンバイ発インド映画産業)のスター、サンジェイ・ダットと協力してMMAの運営、普及を目指すことにしたんだ。
UFCやDREAMだけでなく、PRIDEなど過去のMMAの映像をチェックし続けた。インドは今、MMAを持ちこめる状態にあると判断した。ただし、ただのMMAではダメだ。人々はMMAが何か分かっていない。ボリウッドやコンサートを楽しんでもらった後にファイトを見る。そんなコンセプトが必要だった」
――MMAに注意を払うようになって4年、それ以前はMMAの存在は知っていたのですか。
「7年、8年前からケージファイトというものがあるのは知っていた。でも、インドに持ち込んで何とかしようというほど、興味はなかった。4年でMMAを学び、半年前にMMAのこれからの可能性を探るために米国へ行ったんだ。米国では既にUFCという巨大企業が存在する。そんなマーケットに闇雲に進出するつもりは一切なかった。
その時、SFLのCEOに就任してもらったケン・パビアに会ったんだ。彼の話を聞いて、インドでビジネスとして成功すると確信した。過去4年で、もの凄くMMAにハマったんだ。もともと、15歳のときから3年間、キックボクシングの練習をしていて、凄く楽しかった思い出があるしね」
――MMAは世界に広まりましたが、成功したプロモーションはそれほど多くありません。どのようにSFLを運営していくおつもりですか。
「インドは中国と並んで、経済の発展している国だ。そして、インドでは英語が通じる。さっきも言ったようにアクション映画も人気が高い。私とサンジェイはブリウッドで映画の仕事をしてきたから、コネクションあるし、スポンサーも集めることができる。
スポンサーも相当な金額を投資してくれているんだ。ただし、お金だけあっても成功を収めることはできない。正しいタイミングで、正しい物事を進めないといけない。そして、我々は何よりもインドで初めてのMMAオーガナイゼーションという勲章を手にしている。
フェデレーション(アソシエーション・オブ・ミックストマーシャルアーツ・インディア=AMMAI)も発足させ、レギュレーションも制定した。
正直、インドは変わったマーケットだ。まだ、MMAがどんなものか理解されていない。ケージファイティング、流血、それが何か分かってない。ただ、その理解されていないとはいえ特性を分かっていれば、問題ない。
まだまだ発展途上でも、インドのボーイズたちの試合を組んで、ファンの琴線に訴えること。同時に世界レベルのカードも組む。外国勢のレベルの高い試合だけでは、インド人は興味を持ってくれないだろう。インド人が見て、ハッピーになるイベントを創っていく。
だから4試合をローカルな試合、4試合の国際戦をいつも組むようにしている」
――観客層としてのビジネスターゲットは、どのような人々なのでしょうか。
(この項続く)