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【Strikeforce】10/9 サンノゼ、メインはニック×KJに決定

Nick Diaz vs KJ Noons
【写真】2007年11月10日、テキサス州コーパスクリスティで行われたニック・ディアズ戦でTKO勝ちを収めたKJ・ヌーン。この時は金星と捉えられていた (C) EXC

10月9日(土・現地時間)にサンノゼhpパビリオンで開催されるストライクフォース。世界ウェルター級王者ニック・ディアズの対戦相手が、KJ・ヌーンに正式決定した。

25日(水・同)、ストライクフォースから10月9日サンノゼ大会のメインが同プロモーション世界ウェルター級選手権試合ニック・ディアズ×KJ・ヌーン戦になる旨がリリースされた。「待ちに待ったリマッチ」と題されたプレスリリースにもあるように、この両者は旧エリート・エクストリーム・コンバット(EXC)時代から、長い遺恨を持っている。

EXC時代、首脳陣やShowtimeはニックのカリスマ性に着目し、プロモーションの顔として売り出しに掛かった。明言こそされていないが、EXCライト級のリミットが北米基準=ネヴァダ州MMAルールの155ポンドでなく、160ポンドとされたのは元々ウェルター級として戦っていたニックに合わせて制定されていたのは周知の事実。


Strikeforce【写真】大会ポスターも早速、ニックとKJの二人バージョンが発表されている (C) STRIKEFORCE

ニックのためのEXC世界ライト級王座決定戦で、彼と対戦したのが当時、プロMMA戦績4勝1敗、EXCでは1勝1敗という戦績の持ち主KJだ。

2007年11月、明らかにアンダードッグとして、王座に挑んだKJは、右ボディ+右フックで予想以上の健闘を見せると、ニックのダブルレッグに右ヒザを合わせ流血に追い込む。

さらに右フックでダウンを奪ったKJ。ニックは左目じりを大きく腫らせ、その左目じりと鼻のつけ根から流血を余儀なくされた。結果、1R終了時に、KJのTKO勝ちという番狂わせでベルトがその腰に巻かれると、ストップの裁定にニックは両中指を突き出し、ケージを後にした。

翌08年6月、KJにとって所縁の地ハワイでムシン・コーベリーを破ったニックは、メインでEXC世界ライト級王座防衛戦を終えたKJの前に予定通り現れ、決着戦の前哨戦となるマイク合戦が行われることに。ここでニックの後方に陣取っていた実弟ネイトと、KJの父が口論となり、ケージのなかで乱闘が発生。ディアズ兄弟は、キャットウォーク上で二人揃って中指を突き上げながら控室へと戻って行った。

この乱闘劇で、良くも悪くも両者の対戦への盛り上がりは最高潮に達した。しかし、KJはEXCのタイトル戦での提示額が、挑戦者のニックより見劣りしたため、タイトル防衛戦に難色を示すだけでなく、EXC自体に不信感を募らせるようになった。

EXCにとって最後のCBS中継となる08年10月のフロリダ大会で組まれた、ニック相手の防衛戦を拒否したKJ。彼に対し、EXCは9月19日にタイトル剥奪という処置をし、11月に活動停止。KJはボクシングに傾倒していった。

それから2年、KJ戦の敗北から2年11カ月を経て実現するリマッチ。ニックはこの間EXC、ストライクフォース、DREAMで8連勝、全ての試合で対戦相手を仕留めている。一方のKJは、今年の3月にMMAにカムバックし、これまで3連勝。パンチ偏重のスタイルは総合力こそ問われているものの、その拳の持つ力の怖さは、21日のジョージ・グーゲル戦で誰もが認識しているに違いない。

ウェルター級という体重は、KJ自体が純粋なライト級契約でケージやリングに上がったことが一度もなく、普段は80キロオーバーということを考えれば、決して無謀なチャレンジではない。ボクシングで頂点を目指したKJと、ヘタウマと称されるニックのパンチ。間違いなく一発ではKJ、総合力+手数の積み重ねでニック。試合結果もそうだが、試合内容も非常に楽しみなストライクフォース世界ウェルター級選手権試合といえるだろう。

■10/9 Strikeforce 対戦決定カード

<世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ニック・ディアズ(米国)
[挑戦者]KJ・ヌーン(米国)

<女子世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]サラ・カウフマン(カナダ)
[挑戦者]マルース・クーネン(オランダ)

<ミドル級/5分3R>
マット・リンドランド(米国)
ルーク・ロックホールド(米国)

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