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【Road FC65】キルギスの未知強シェイドゥラエフと対戦、原口央「これは凄い選手が出てきたなと」

【写真】MMAファイターとして、強さを追求するうえでの満足度は200パーセントの相手と韓国で戦う原口央(C)

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65で、原口央がラザバリ・シェイドゥラエフとグローバル63キロトーナメント準決勝で戦う。
Text by Takumi Nakamura

トーナメント準々決勝でムン・ジェフンと対戦し、テイクダウンからのトップ&バックコントロールのファイトスタイルを貫いて勝利した原口。準決勝では9戦9勝すべてフィニッシュして勝利しているキルギスのシェイドゥラエフと対戦する。典型的な未知の強豪との対戦を前に、原口は「知名度に関係なく本当に強い選手たちと戦って勝ちたい」と力強く語った。


――6月のトーナメント準々決勝ではムン・ジェフン選手をテイクダウンしてトップキープするという試合運びで下しました。まずジェフン戦を振り返っていただけますか。

「ジェフン選手はROAD FCのバンタム級チャンピオンで、自分が挑戦者のつもりで戦いました。なので気負うこともなく、5分3R=15分間、自分の試合がしっかりできたと思います」

――ジェフン選手は伸びのある打撃でアグレッシブに攻める韓国人選手らしいファイトスタイルの持ち主でした。どんな試合展開を考えていたのですか。

「爆発力があるのは分かっていたので、距離をとって、自分のスタイルでいけば大丈夫だと思っていました。ただジェフン選手は柔術も黒帯で寝技もできると聞いていて、寝技になっても自分が先に動いて、自分の試合運びをできればいいなと思っていました」

――1Rにテイクダウンを奪ってからは終始、央選手のペースだったと思います。あのテイクダウンで手応えを掴みましたか。

「あのテイクダウンも、相手のミドルキックをキャッチしてのもので、あれで相手との距離感が分かったんです。この距離なら打撃はもらわないと思ったし、油断をせずに1Rと同じ戦いをすればいけるだろうと思いました」

――おそらくあのミドルキックで央選手にダメージはなかったと思いますが、会場から大きな声援が起きていましたよね。アウェーならではのことだと思いますが、そこはどう感じましたか。

「ちょっと場の雰囲気に持っていかれそうだったんですけど、なんとか冷静を装って戦いました(笑)。会場そのものはすごく広かったし、RIZINに似たような雰囲気だったんです。韓国でのMMAの盛り上がりを感じましたね」

――試合の話に戻ると2Rにはテイクダウン・バックコントロールして、3Rを迎えました。3Rもテイクダウンに成功して、試合を優位に進めていましたが、早いタイミングでブレイクを命じられた場面がありましたよね。あのブレイクは想定していましたか。

「試合前にも言われていたんですよ。ROAD FCはバチバチの打ち合いが求められて、もしテイクダウンしてトップをとっていても、レフェリーがこれ以上動きがないと判断したら、早めにブレイクすると。だから僕もそこは意識してトップをとりながら、細かく足を動かしてアピールはしていた……つもりだったのですが、それでもブレイクになっちゃいましたね。

正直、あの時は『まじか!? ここでスタンドに戻ったらきついぞ』と思いました(苦笑)。相手としてもあそこでスタンドに戻って足を止めて打ち合って、自分の得意の展開にしたかったんでしょうけど…僕は空気を読まずに自分のスタイルをやりきりました」

――イベントのカラーとして打撃が重視されて、そうした展開を促すリクエストもあると、自分の考えがぶれる選手もいると思います。央選手はそういうものは気にならないタイプですか。

「僕は周りにああしてほしい、こうしてほしいと言われたからと言って、自分のスタイルを変えるつもりはないし自分のスタイルを貫こうと決めています」

――ジェフン戦以降はどこを意識して練習していますか。

「試合があるからということは意識せずに、普段通りにプロ練習に参加して、自分のレベルを上げています。試合後も試合前も変わらず、僕は試合が終わっても練習量を落とさない方なんで」

――では普段の練習で意識している部分はどこでしょうか。

「試合になると緊張やダメージもあって、練習よりもキツい状況で動かなければいけないと思うんですよ。だから普段の練習でもスパーリングの本数は減らさないで、なるべくインターバルはあけずにやっています。そのスパーリングでもわざと動き続けて、自分が体力的にしんどくなるような練習をしています」

――より試合を想定したスクランブルを意識して練習しているようですね。

「僕は打撃が強いわけでもないし、フィニッシュできるわけでもない。一番の武器はスタミナとねちっこさなので、そこを試合で出すためにどうしたらいいのかを考えて練習しています。疲れた時、しんどい時にどこまで動けるのか。そこは常に意識している部分ですね」

――レスリング・スクランブルの攻防で動き続けるスタイルは精神的・体力的にも一番ハードな戦い方です。×対戦相手だけでなく、妥協しないという面では自分自身との戦いもあると思うのですが、そこをやりきる自信はありますか。

「そこが自分の強いところだし、強い選手は仮に泥仕合になっても最後まで攻めきることができる。正直、僕もあれをしよう、これをしようと迷っていた時期がありました。ちょうどその頃にRIZINのバンタム級GPが行われて、扇久保博正選手が自分のスタイルを一切曲げることなく戦いきって優勝したんですよね。

僕はスタイル的に扇久保選手に似ているし、扇久保選手のように自分のスタイルを貫く選手が最後は勝ち切ることができるんだと思いました。打撃に特化した選手、寝技に特化した選手はいるし、どこか特化した部分があったとしても平均的にトータル強くて、そのスタイルを貫ける選手はすごい。最後まで自分をやりきる貫く選手が、最後は勝てると思っています」

(C)ROAD FC

――では準決勝で対戦するラザバリ・シェイドゥラエフにどのような印象を持っていますか。

「一言で言うと、強い、ですね。周りからもあの選手は強いぞと言われます」

――まさに央選手が前回のインタビューで話していた「知られていなくても、強いヤツ」の典型的なタイプです。

(C)ROAD FC

「今回のトーナメントが行われるまで、シェイドゥラエフ選手のことを知らない人の方が多かったと思うんですよ。

でもいざ蓋を開けるとあれだけ強いという。トーナメントの準々決勝を終えた時点で9戦9勝、4勝が打撃かパウンドによるKOで、5勝がサブミッションによる一本勝ち、これは凄い選手が出てきたなと思います。しかもシェイドゥラエフ選手はまだ22歳なんで、まだまだ強くなっていくでしょうね」

――基本的にシェイドゥラエフ選手は組み技の強みを生かして、打撃はフルスイングする。トップキープしながら絞め系のサブミッションが強いというタイプです。組み技の強さを軸に試合を組み立てるという部分では央選手と共通していますよね。

「組みに自信があるのは僕もシェイドゥラエフ選手も同じだと思います。ただ組みの種類が少し違うと思っていて、僕はピュアレスリング主体で、シェイドゥラエフ選手はどちらかというとグレコ寄り。上半身をしっかり固めてテイクダウンするタイプですよね」

――ではその組みのスタイルの違い、そこでのテイクダウンの攻防が勝敗の一つのポイントになりそうですね。

(C)ROAD FC

「う~ん……もし純粋な組みの勝負になっても間違いなく強いし。

スタンドの打撃も思い切り振ってきて、シェイドゥラエフ選手は穴がないんですよね(苦笑)。だからそこをどう崩すかを練習で積めていこうと思います」

――過去最強の相手という認識ですか。

「はい。今までやってきたなかでトップの選手だと思います。だから自分がどのくらい出来るのか楽しみにもしています」

――今回のグローバルトーナメントに出ると決めた以上、こういった強豪と戦うことは望んでいたことですか。

「そうですね。僕自身、バンタム級に階級を落とした理由が世界と戦いたかったからで。こうして海外の強い選手と試合を組んでもらって、しっかり勝ちにいきたいです」

――今、MMAで上を目指すなかで色んな選択肢があると思います。央選手はファイトスタイル同様、海外の強い選手に勝つという自分の考えを貫いているのですね。

「はい。やるからには強い選手とやりたいし、前回も言ったけど、シェイドゥラエフ選手みたいに名前は知られてなくても強い選手はめちゃくちゃいると思うので、そういう知名度に関係なく本当に強い選手たちと戦って勝ちたいです」

――では最後の質問です。グローバルT準決勝戦、どのような試合を見せたいですか。

「僕は朝倉海選手や井上直樹選手みたいに華のある試合は出来ないですが、こういう選手が海外でも頑張っているんだよという姿を見せたいです」

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