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【UNRIVALED 01】山北渓人と対戦、吉永力「ポイントなら負ける可能性もあるので、一本を狙う」

【写真】イヤゴ・ウエノや山本博斗ら軽量級の実力者から一本勝利を奪い、実績を積み上げてきたのが吉永だ。UNRIVALEDでもチャンスとあらば短期勝負を狙うか(C)SATOSHI NARITA

3日(祝・水)に東京都板橋区のUNRIVALED特設会場で開催されるグラップリング大会UNRIVALED 01で、山北渓人と対戦する吉永力。
Text by Satoshi Narita

トライフォースに所属し、ブラジリアン柔術では最軽量級を主戦場とする吉永は、アジアや全日本、配信大会KITなど注目度の高い勝負の場で極めの強さを見せつけてきた。ギを脱いでもその極め力は発揮されるのか。試合に向けての意気込みから柔術との出会いまで語ってもらった。


池袋を中心に各支部で指導に当たる吉永。トライフォースが認める数少ない最高位インストラクターでもある

――吉永選手✖山北選手のカードは10月末、追加カードのひとつとして発表されました。オファーがあったのはいつ頃ですか。

「ちょうど1カ月前ですね。10月に入ってから話があって」

――その時はどのような気持ちでしたか。

「そうですね……オファーをいただけたから『試合しようかな』って感じでした」

――なるほど(笑)。対戦相手の山北選手にはどんな印象を?

「このあいだのパンクラスの試合(PANCRASE324)しか見てないんですけど、テイクダウンが強いのと、ずっと動き続ける、止まらない選手だなって印象です。塩漬けするよりも、一本を狙ってくるイメージがあります。戦績を見ると16連勝(アマ10勝、プロ6勝)だし、スゴイですよね」

――その山北選手が「レスリングvsギロチン」とツイートしていたように、吉永選手は吉永選手で、アジアや全日本優勝の実績がありつつ、昨年10月のKIT.01でイヤゴ・ウエノ選手をギロチンで絞め落とし、一躍名を上げた印象です。そもそも柔術を始めたのはいつ頃のことですか。

「小中は野球をやっていて、中学3年生の終わりにねわざワールド桜島に体験に行って入門しました」

――格闘技には興味があったのですか。

「中学生の頃にプロレスごっこにハマって、何か関節技をかけるスポーツをしたいと思っていました。で、僕の父親が上谷田(幸一)さんと知り合いだったので、ねわワで練習するようになって」

――還暦を過ぎても海外参戦を続けるレジェンド柔術家と、そんなご縁があったのですか。

「ハイ。それから専門学校入学を機に、福岡のパラエストラ博多に入りました。専門学校はすぐ辞めちゃったんですけど、泊(憲史)先生にはとてもお世話になりました。今でも尊敬している先生です」

――地元・鹿児島から福岡へ。東京に出てきたのは?

「4年前ですね。今、25歳なのでハタチそこそこの頃で。きっかけは、パラエストラ博多がトライフォース博多に替わって、早川(光由)先生のもとで学びたいという気持ちが強くなったからです。今は公認アスリートとして、日中はトライフォースが提携しているさくらライフさんで介護の仕事をさせていただきながら、夜は指導もやらせてもらっています。練習環境は素晴らしいですね。早川先生に指導していただけるし、芝本(幸司)先生や澤田(伸大)さん、山田(秀之)さんもいらっしゃるし」

――吉永選手というと柔術のイメージが強く、ノーギやグラップリングの印象はあまりなかったのですが、直近の試合で言えば今年9月のJBJJF全日本ノーギ選手権になりますか。

「ああ、米倉(大貴)選手にボコボコにされました(苦笑)。ノーギは青帯以来で、17歳とかが最後の試合だった気がします」

――それほどのブランクがあって、なぜ再開しようと?

「きっかけがあればやりたいと思っていたんですよね。で、QUINTETにトライフォースが出た時、QUINTET練というノーギの練習があって、僕も参加していたんです。それから『出てみたいな』という気持ちが芽生えてきて」

――ギありとなしで、どのような違いを感じますか。

「道着があると疲れてしまう、身体がデカいほうではないので掴まれて動けなくなることがあるんですけど、ノーギだとけっこうスルスルと動けて、個人的には『良いな』と思っています。まだ結果が出せていないので何とも言えないんですけど……」

――肌に合っている?

「楽しいですね。テクニックも、足関とか難しいですけど、やりがいがあるというか、新しい挑戦という感じがして。今年の(柔術の)全日本に出なかったのも、ノーギの練習に専念したかったからで、両立は難しいだろうと断念しました。これからもノーギの大会があれば、どんどん出てみたいですね。経験を積まないとわからないことがまだたくさんあるので、柔術と並行していければと思っています」

――それほどノーギ志向になられていたのですね。そんな吉永選手は、UNRIVALEDではどのような試合をしたいと思っていますか。

「今回は『一本を狙う』を念頭に置いて練習してきました。通常のノーギクラスもそうですし、鈴木(和宏)さんや中島(康輔)さん、山田さん、小岩(健一)さんたちとのノーギでの選手練や、芝本さんにも付き合っていただいたりして。

UNRIVALEDは引き込むとマイナスになりますし、柔術の場合は抑え込んでいる状態から逃げられてもポイントは入らないけど、エスケープポイントもあります。MMAの選手は抑え込まれてからのエスケープが上手いというか、立ち上がって逃げられるイメージがある。ポイントだと負けてしまう可能性がありますから、一本を狙うスタイルで挑もうと思っています。あとは時間ですね。15分でいつもより長いので、ペース配分をしっかりしつつ、動き続けたいと思っています」

■視聴方法(予定)
11月3日
午後3時00分~ TIGET LIVE

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