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【Gladiator015】フェザー級王座防衛戦=原口央と再戦へ。MIKE─02─「やっぱり、MMAが最高だなって」

【写真】なぜ、MIKEなんだろう?(C)MMAPLANET

26日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGladiator015で、原口央とのリマッチに挑むフェザー級王者MIKEのインタビュー後編。

MIKEは東京で活動後、地元・奈良に戻り自身のジム『M3AFIT』を運営している。来年には奈良県内でもう1店舗、ジムをオープンさせたいという。現在40歳、ベルトを獲得し、ジム運営でも成功を収めた。それでもなお、MIKEが戦い続ける理由とは――。

<MIKEインタビューPart.01はコチラから>


――MIKE選手のプロデビューは2008年ですから、キャリア13年以上のベテランファイターです。連敗した時もありました。さらにジムもオープンして……その間に引退など考えたことはなかったですか。

「引退ですか? 考えたことはありました。あれは――パンクラスで田村選手に負けた時ですね(2016年10月、田村彰敏に判定負け)。周りにも『もう辞める』と言っていました」

――そこで、現役を続けようと思ったのは……。

「BURSTの佐々木信治さんが『田村選手を相手に、あそこまでやれるなら、まだ辞めなくていいんじゃないか』と言ってくれたんですよ。あの時、佐々木さんにそう言われなかったら、そのまま辞めていたと思います」

――そのようなことがあったのですね。

「佐々木さんって、地方でMMAのジムをやっているパイオニアだと思うんです。地方といっても大阪、名古屋、博多っていう大都市ではなく……」

――総合格闘技道場BURSTがある福山市は、広島県の第2都市とはいえ、やはり大阪や名古屋、博多と比べれば人口など大きな違いはあります。

「そうですよね。その環境で自分も選手として修斗でベルトを獲り、ジムとしても毎年プロ昇格者を出しているのは、本当に凄いと思います。僕も考えるんですよ。やっぱり奈良県で練習して、奈良から勝っていかないと意味がないよなって」

――現在、MIKE選手の練習は主に奈良のジムで行っているのでしょうか。

「大阪のジムに出稽古させていただくこともありますけど、基本的には自分のジムでの練習が中心です。奈良までNavE選手(Gladiatorフライ級王者)や、萩原京平選手とか来てくれたりします。あとは奈良県内にいる、レスリングで全国入賞している選手とかも来ていますし」

――一方で、ジムのプロ選手も増えているようですね。

「今年の11月でジムも丸3年、選手も20名前後います。プロのMMA選手、K-1アマチュア、アマチュア修斗、アマチュアMMA、そして柔術まで……練習相手も育っていますね。おかげさまで今は、自分のジムから練習で移動することが少なくなっているんですよ」

――どういうことでしょう?

「ウチのジムにはコンディショニングルームもあって、鍼灸師の先生の施術やパーソナルトレーナーのストレッチが、ジムの中で受けられるんですよ。しかも、夜遅くに練習が終わっても、僕だけじゃなくて会員さんもそうだし、外部の方も受けることができます。僕も今40歳ですから、コンディションの面で、この2人がいなかったら選手を続けられていないです(苦笑)」

――素晴らしい環境ですね。

「それと僕自身は、天理大学ラグビー部のトレーナーさんに、フィジカルを見てもらっています。そのトレーナーさんは、UFCファイターも使っている測定器と同じメニューで、トレーニングを見てくれているんです。ウチのジムは、めっちゃ田舎にありますけど、最新のものを取り入れていると思うんですよね」

――それだけコンディションづくりに注意するのは、最近のお話ですか。

「そうですね。やっぱり試合前って追い込みたいじゃないですか。でも追い込みたい気持ちを制して、追い込みすぎないことも大事だって、藤井恵さんに言われたんですよ。そこから考えが変わりました。僕も、試合前に追い込みすぎて体調を崩すこともあったので」

――次の試合に向け、現在のコンディションはいかがですか。

「ここ3、4年の中では一番良いと思います。最近の試合は、やっぱり悔しかったんですよね。グラジエーター初戦は相手が体重オーバーで、重すぎましたし。2試合目はジムをオープンしたばかりで……」

――そして3試合目は開始12秒、ローブローで終わりました。

「あの試合は、最近の中で一番調子が良かったです。今は減量の方法も変えて、前の試合のコンディションを維持することができています」

――お話を聞いていると、MIKE選手は今、ジムだけで生計を立てられる環境にあるのかなと思います。

「会員さんも150人ほどいます。おかげさまで、ジムだけでもメシは食えていけますね」

――では、それでもMIKE選手が現役として戦い続ける理由は何なのでしょうか。

「……MMAが好きなんですよね。川尻達也さんもラジオで『MMA至上主義』と言っていて、僕も本当にそう思うんです。もちろん、他のボクシングやキックボクシング、レスリングの選手も尊敬しています。でもやっぱり、MMAが最高だなって。試合が終わって『この試合で辞める』と思っていても、しばらく経ったら、またやりたくなる。その繰り返しなんです」

――なるほど。

「自分でも、選手としてのタイムリミットが迫っているのも分かっています。だからこそ1試合1試合、大切に戦っていきたいですね。MMAが好きだから」

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