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【UFC105】46歳クートゥアー、約2年振りの勝ち名乗り

2009.11.15

【写真】ロブ・カーマン譲りの打撃を披露したベラ。とりわけ、その左ミドルは鉄人を窮地に追い込んだだけに悔やまれる判定となった (C) ZUFFA

■第11試合 ヘビー級/5分3R
ランディ・クートゥアー(米国)
Def.3R終了/判定
ブランドン・ベラ(米国)

組みついてもテイクダウンに至らないクートゥアー。ガブリからヒザをベラに突き上げ、ハイクラッチでテイクダウンを狙う。差し返したベラは、接近戦で戦うが、片足の状態になっても倒れることはない。

ベラがケージを背にして首相撲の態勢に入るが、クートゥアーは胸をしっかりと合わせ、隙間を作らせない。ブレイク後も、すぐに組みつき徹底的に打撃戦を避けたいクートゥアー。両者大きく呼吸をしながらコーナーに戻る。


2R、ベラの左ローが急所をかすめ、同時に左手が目に入り顔をしかめるクートゥアー。再開直後にヒザを見舞ったベラだが、クートゥアーは組みついてケージにベラを押しこんでいく。ケージを利用して、テイクダウンを許さないベラは、態勢を入れ換えてヒザをクートゥアーの腿に突きさすが、動きが少ない試合に。

3度目のブレイクがかかり、試合がスタンドに戻ると、ここでベラの左ハイ、ローキックにクートゥアーが態勢を崩す。さらに左ミドルでボディを攻撃されると、ついに鉄人は自らキャンバスに転がり込んでしまった。

クローズドガードを取ったクートゥアー。すぐにブレイクがかかり、スタンドに試合が戻るが、ベラとしてはパウンドの一つでも落としておきたいシチュエーションだった。続くスタンドの展開では、打撃の交換はなく、クートゥアーが組みつき、ケージにベラを押しこむ。ダーディボクシングで左フックを放った鉄人は、右目尻をカットしたこともあり、胸を合わせたままの状態で2Rを終えた。

最終回、左ローでクートゥアーのバランスを崩したベラだが、直後に連打を許す。ショーツを掴んで、テイクダウンを狙うなど、なりふり構わないクートゥーだったが、それでもテイクダウンを奪うことができない。右脇を差した状態で、クートゥアーは左フックを見せ、ショートアッパー、エルボーからダブルレッグへ。残り時間は2分30秒、ブーイングは審判のブレイクの声で歓声に変わる。

ベラはミドル、左ハイを見せるが、続いて放った左ミドルをクートゥアーに掴まれパンチを受ける。ダーディボクシングで最終ラウンドを優位に進めるクートゥアー。ここでベラがダブルレッグで鉄人をケージに押し込んでいくと、何とテイクダウンから、マウントを奪取する。しかし、パウンドのクリーンヒットはないまま、クートゥアーは暴れて立ち上がり、このスクランブルの直後に試合はタイムップ。ジャッジの裁定は三者ともに29-28でクートゥアーを支持した。

「ジャッジがどう試合を見たかは、私には分からない。今ヘビー級は私には大きすぎるから」と話すクートゥアーは、ライトヘビー級で戦い続けること示唆。「勝ったと思った。何ていっていいか分からない。サンキュー、ジャッジ」と泣き顔にも見えるベラは、裁定に不満を持ちオクタゴンを後にした。

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