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【Bu et Sports de combat】武術の叡智はMMAに通じる。四大要素を学ぶ組手と極真セミコン大会─03─

Goki【写真】前回に触れられたフリッカー、剛毅會の組手と極真によるセミコンから見えて来るモノとは(C)MMAPLANET

いよいよ3日(日)にエディオンアリーナ大阪で、国際空手道極真会館によって、I.K.Oセミコンタクトルール2018全国交流大会開催される。

極真空手が開くセミコン・ルール、顔面直接殴打なし、上段と中段回し蹴りが認められ、下段への攻撃が禁じられた競技ルールは、剛毅會が型の武術の四大要素のレベルを高めるために必要な型稽古、その型の理を学ぶべき手段として、用いられている直突きと前蹴りのみが許された、顔面は当てない組手と共通点が多い。

顔面に突きを入れる状況があるなかで、極真の空手が如何に変化が起こるのか。これはMMAに日本人の打撃の間合いが生まれる第一歩かもしれない。

<四大要素を学ぶ組手と極真セミコン大会Part.02はコチラから>


──今回のトーナメント、戦う空手家同士の波長がノンコンだとノンコン、フルコンだとフルコンという風になるのではないかと思っています。直接殴打が認められていなくても、戦う者同士の波長がグローブ空手だと、当てないグローブ空手になるかもしれない。だから、どのような空手になるのか凄く楽しみです。そして極真の選手が遠目の間合いで倒す打撃を確立すれば、MMAでも日本人の打撃の間合いというものが生まれるかもしれないです。

「機会があれば映像を見て欲しいのですが、松井館長だけは組手でもスタイルが違うんです。組手とは相手とのやりとり、やりとりを勉強するモノなのです。ただし、フルコンでは何も相手のことは見ていなくて、自分の攻撃だけに懸命になり手数だけを出して、一方的に打っていれば旗が挙がってしまうんです。

そういう結果になっているから、選手たちもそのような動きになる。繰り返しますが、そういう組手は剛毅會でいえば武術の四大条件を勉強する稽古になっていないということです。

そのなかで松井館長はご自分なりに考えて、どうすれば良いかというなかで今回の交流会を開く。そういう部分に僭越ながら、私も共感した次第です」

──そこが究められたら、素手の直接顔面殴打が競技会で可能ではないかと。連打でなく、それが一撃の理想形なわけですし。

「当てる、当てないは別にして、このルールの組手をすることで、絶対に変わってきます。フルコンも変わるし、それはさきほど言われたようにMMAも変わって来るでしょう。

柔道やレスリング、柔術出身の人はあの小さなMMAグローブをつけて、打撃有りのMMAを何となしに戦ってしまうわけです」

──ハイ。

「寸止め空手の人もそうです。案外、フッとMMAをやってしまう。そんなに深く考えていない」

──MMAファイターはMMAグローブをつけて、全局面で戦うのに空手家は……史上最強のカラテは戦わないのか。そういう点においても、セミコン・ルールにより掴んだ間合いが確立すれば、素手顔面直接殴打有りのフルコンタクト空手が可能となり、その戦いがMMAにも相通じる戦いになるではないかという浪漫を感じざるをえないです。

「一つ言えることは空手の場合は、競技で通用する打撃をやるのではないということなんです。剣道で防具をつけて、人を斬れるのかというと話は別です。これと同じです。

平時において人を斬る稽古はできない。しかし、防具をつけて叩く稽古をしていた者より、叩かないで稽古した者こそ、幕末になって戦えたという話もあります。

だから当てる、当てないではないんです」

──う~ん、当たると痛いし、ケガをするし、そのことによって恐怖が生まれる。なので、当てると当てないは違うと思うのですが。恐怖が武術空手でいうところの質量に関係してくるわけではないですか。

「そうですね。そこでいえば、当てないと恐怖はないですね。当てないなかで、恐怖はなくても、当てて良かったらやられていたんだと見極める指導者が必要になってきます。

つまり、今回のようなルールを試行するようになると、指導者と審判が大変になってきます。ルールというのは、標準的な皆が納得するモノを設定しないといけないです」

──ハイ、ルールとは優劣をつける競い合いに公平性を求める……ある意味、矛盾している存在です。

「その結果、間を制することができているのか、そうでないのか。その一瞬を見極めることが必要になってくるのです。先を制しているのかどうか、それは分かる人間にしか分からないモノなので。

剛毅會の目的は、あくまでもそこにあります。私とすれば、そこを組手で身に付けることができれば、MMA……つまり何でも有りに近い状態で通用する。逆に通用するモノでなければ意味がない。そのための手段として、勝ち負けのある状況……競技会でこそ学べることもあるだろうし、そのために鍛錬するようにもなる。

そういうことで、このセミコンタクト交流会とは、将来的にMMAファイターも出るべき大会、ルールだと思います」

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