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【UFC98】ループが“不可解判定”で勝利

2009.05.24

Roop vs Kaplan■第1試合 ライト級/5分3R
ジョージ・ループ(米国)
Def.3R終了/判定
デイブ・カプラン(米国)

【写真】この試合でループが勝ったと思った者が、ジャッジ2名以外にどれだけいただろうか (C)ZUFFA

頭一つ大きなループがワンツーからハイキックを繰り出すも、蹴り足はカプランの頭上を通過していく。対して、オクタゴン中央に位置取り、ローを繰り出すカプランだが、なかなか自分の距離を作ることができず、飛び込んでフックを放つも、ループが組んでからのヒザを見せた。

ループの左ハイとカプランの左ローが交錯すると、やや距離が詰まり、ここでカプランの左フックがヒットする。ケージ際に追い込みワンツーをヒットさせたカプランは、ラウンド終了間際にダブルレッグからテイクダウンに成功する。ループがガードから蹴りあげを見せると、距離を取ったカプランはスタンドに戻り、1Rはほぼスタンドの展開に終始した。


2R、開始早々テイクダウンを奪ったカプランは、続いてパスを狙う。ループはクローズドガードの態勢から、エルボーを頭部に放つ。試合がスタンドへ戻ると、再びカプランがテイクダウンを狙ったが、ここはループがよく見てダブルレッグを切る。ならばとシングルを仕掛けたカプランが、ここでテイクダウンに成功した。

そのままグラウンドでケリをつけるつもりはなく、テイクダウンでポイントを重ねるようなカプランのファイトだが、ループは腰が弱く、このラウンドだけでも3度目のテイクダウンを許してしまった。インサイドからボディ+顔面とパウンドを落とすカプランに、ループはガードから有効な反撃を見せることができないままラウンドが終了した。

「終わらせろ」とセコンドの指示を受け、最終Rに挑むループ、ポイントで劣性なのは百も承知だが、ミドルをキャッチされ、またもテイクダウンされてしまう。サイドから瞬時にマウントを奪取したカプランは、ここもグラウンドに固執することなく、片足を戻されると自ら立ち上がる。近距離での打撃戦でも、ループは首相撲からヒザを狙ったが、クラッチが緩く空振りに終わる。ハイキック2連発を放つも、ローを返されるなどループは攻勢に出ることできない。残り時間10秒、ループがノーガードのカプランの顔面にアッパーを打ち込んだところで試合終了となった。

ジャッジの裁定は一人が29-28でカプラン、しかし、残り二人は30-27でループ。ブロックされたハイキックと、テイクダウンを何度も許しガードからエルボーを放っただけのファイターの勝利。UFCにおける判定勝ちの方程式が崩れたといってもいい、首を傾げざるを得ないループの判定勝ちだ。

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