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【UFC192】激闘、スプリットでコーミエーが初防衛に成功する

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
ダニエル・コーミエー(米国)
Def.2-1:49-46.48-47.47-48
アレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン)

左右に回りながら左ジャブ、左ローを繰り出すグスタフソン。左ミドルを受けたコーミエーは距離を詰めてハイクロッチから豪快にリフトして、グスタフソンを真っ逆さまに投げつける。ハーフで固めるコーミエーが細かいパンチ&エルボーを落とす。蹴り上げから立ち上がろうとしたグスタフソンだが、コーミエーはこれを許さず腰をコントロールして抑え込む。右のパンチを受け、手首を掴んでもエルボーを落とされるグスタフソンは、クローズドに組んでスタンドに戻ることができない。

腕十字を軽く担いでバックを窺うコーミエー、グスタフソンはガードに戻すもパスを許すてしまう。コーミエーの流れになるかと思った刹那、グスタフソンがスクランブルからスタンドへ戻ることに成功する。右ローからハイを見せた挑戦者だが、コーミエーが右フックを打ち込み姿勢が乱れる。グスタフソンのテイクダウンをスプロールし、蹴りを狙ったところでスリップしたコーミエーだが問題なく初回を取った。

2R、距離を詰めるコーミエー。テイクダウンのフェイクを見せたグスタフソンが、接近戦でショートアッパーを入れる。コーミエーの右に背中を見せて距離を取り、右ヒザを入れたグスタフソンはそれをキャッチされても、走って間合いを得る。と、向かい合って逆にダブルレッグでコーミエーをマットに這わせたグスタフソンは、再びヒザを入れコーミエーにテイクダウを許さない。右目の下をカットし流血に見舞われたチャンピオンの右に、グスタフソンはヒザを合わせる。

コーミエーはダーティボクシングでアッパーを連打。離れたグスタフソンの腹と頭にワンツーを入れる。コーミエーの右がグスタフソンのテンプルを捉え、またもダーティボクシング。残り20秒でグスタフソンが2度目のテイクダウンを決める。背中を譲って立ち上がったコーミエーだが、思い通りにならないラウンドとなった。

3R、コーミエーのパンチに左ヒザを合わせるグスタフソンが、アッパーも決める。それでも前に出続けるコーミエーの右ストレートがヒットし、グスタフソンの足下がふらつく。ボディを返すグスタフソンが右を入れるも、コーミエーはクリンチからアッパーを連打で打ち込む。グスタフソンは左ジャブから右ロングアッパー、テイクダウン狙いのフェイクに大きくチャンピオンが反応する。

コーミエーの前進を左ジャブで制したいチャレンジャーだが、パンチを受けても王者の前進は止まらない。ばかりかダーティボクシングから右ストレート、ヒザ蹴りを打たれてもアッパーを続ける。激しい肉弾戦は互いにクリンチアッパーを打ち合い、グスタフソンのヒザがコーミエーの顔面を打ちぬく。追撃の左右のフックで前方に崩れたコーミエーが何とか立ち上がるが、グスタフソンがこれで試合をリードすることとなったか。

4R、グスタフソンは左ミドルから右ロー、前に出てくるチャンピオンに右ストレート、さらに左ジャブを続ける。ワンツーからシングルレッグ、ケージにコーミエーを押し込む。アッパーを嫌がり離れたチャレンジャーは右ミドルを蹴り込み、左フックも顔面に届かせる。コーミエーの前進に背中を見せて距離を取ろうとしたグスタフソンは、後方からパンチを3発ほど被弾する。向き合うと右フックを2発入れたグスタフソンに対し、コーミエーも右ストレートをヒットさせる。

距離を詰めることができなくなってきたコーミエーはワンツーを被弾。右に回るグスタフソンは左ミドルを入れる。体が伸びてきたコーミエーにヒザを放つチャレンジャー、テイクダウン狙いから再びヒザを入れる。それでも前に出るチャンピオンは、クリンチアッパーへ。と、ローを蹴りながらバランスを崩してしまう。疲弊が目立ってきたと思われたチャンピオンだったが、ワンツーを入れてラウンドを締めた。

最終回、グスタフソンは左ジャブから左ロー。そして右ストレートを打ち込む。コーミエーも左から右フックをヒットさせ、再び前進モードに。ヒザを入れるグスタフソンだが、コーミエーは構わず右フックを返す。走って間合いを外すグスタフソンに観客はブーイング。コーミエーはクリンチアッパーを連打する。首相撲を取れなくなってきたグスタフソンは、アッパーを受けないように顔を胸につけていく。待ちの展開が多いグスタフソンに、コーミエーが右フックを入れる。

ヒザを狙われようが、前に出続けるチャンピオン。首相撲狙いもワキを差して、ボディにパンチを連打する。止まらないコーミエーに、グスタフソンが右ヒザを顔面に入れる。最後に右ハイを見せたコーミエーは、タイムアップとなると両手を高々を掲げた。

1Rと最終回はコーミエー、2Rはグスタフソン。4Rもグスタフソンか。3Rは終盤にダウを奪ったのはグスタフソンだが、ラウンドの多くはコーミエーが優勢だった。果たしてジャッジの裁定は──。まずは48-47で票を取り合うと、最後の一人は49-46でコーミエーを指示、王者の初防衛成功に。

「アレックス、ありがとう。君がいて、今日の僕は強くなれた。ワンディメンショナルでないことを証明したかった。ストライカーとしても世界一だ」と疲労困憊の表情でコーミエーは語る。一方、グスタフソンは「DCはビーストだ。ヒューストンの皆に感謝している」と絞り出すようにコメントし、そのままケージを後にした。

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