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【OFC22】安藤晃司にとって、キャリア最大の脅威=ソロパベル・モレイラ

Zoro Moreira【写真】2年振りの実戦となるゾロ。当時と同じパフォーマンスを見せることができると、安藤にとって間違いなくキャリア最強の相手となる(C)MMAPLANET

7日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE FC 22「Battle of Lions」。日本から安藤晃司、水野竜也の2選手が出場し、それぞれがソロパベル・モレイラ、ブライアン・ラフィクと対戦する。

水野は5月に同大会のメインでイゴール・シヴィリと初代OFC世界ミドル級王座決定戦に臨むレアンドロ・アタイジにTKO負けを喫して以来、半年ぶりの復帰戦となる。当初、オング・ラ・エヌサンと対戦予定だったが、昨年10月に同じくアタイジに敗れているラフィクとの対戦となった。アタイジに負けた者同士、中央アジアのロシア系ファイターやブラジル勢との契約を進めるOFCで生き残るために負けられない戦いとなる。

一方、安藤はタイトル挑戦をゲットするための一里塚というべき、ゾロ戦に挑む。一昨年の10月に朴光哲戦でよもやのKO負けを喫し、OFC世界ライト級王座奪取に失敗したゾロは、失意のままMMAトレから距離を置き、ついにはシンガポールを離れブラジルに傷心の帰国をしてしまう。前回の試合から実に25カ月のブランクを経て、実戦に戻って来たゾロだが、彼があの時と同じだけのパフォーマンスを見せることができれば、安藤にとってはキャリア最大の脅威となることは間違いない。

リオデジャネイロ州マカエウという小さな町で10歳の時にブラジリアン柔術を始めたゾロは、指導者の交代に伴いグレイシーバッハ系のアカデミーで研鑽を重ね、2005年の柔術世界大会茶帯ミドル級で優勝を果たす。この年、グレイシーバッハが本格的に米国進出すると、総本山バッハ所属の実力者たちは、ホベウト・ゴルドのグレイシー・ヒュージョンに籍を移すことになる。ここでMMAのトレーニングを始めたゾロは、2009年にイヴォルブMMAのあるシンガポールへ移り住み、錚々たるタイ人トレーナーの下でムエタイの習得を始めた。

強烈なロー、近距離では首相撲からのヒザ蹴りとエルボーも得意としており、寝技に持ち込めば当然のように柔術黒帯の真価が発揮できる。なによりOFCルールに体が馴染んでおり、サッカーボールキックも冷静に状況を見極めて使いことなすことができるのも強みだ。ポジショニングを熟知し、トランジッションに優れたファイターのサッカーボールキックほど危険なモノはない。

【写真】長身からヒザ蹴りは脅威。ローとハイ、迎えうっての右フックも怖い(C)MMAPLANET

【写真】長身からヒザ蹴りは脅威。ローとハイ、迎えうっての右フックも怖い(C)MMAPLANET

打撃、寝技と個別にみるとゾロのソレは安藤を上回っているといえるだろう。加えてゾロは打と組の間を埋めるべき、タイクリンチを使いこなす。公称190センチ近い長身に合った打撃と組みを持つゾロは、繰り返すが安藤にとってキャリア最強の相手だ。安藤は本人も言うように、ローで足を攻撃され、ヒジ打ちやヒザ打ちを被弾することを当然という強い気持ちで前に出ることで勝機を見出したい。殴られた時の心身の強度、ここで安藤はゾロに遅れを取ることはないはずだ。ボロボロになっても戦い抜く精神力、この部分の違いは両者の間に確実に存在する。もちろん、殴られず、蹴られず、スマートに勝利を手にすることができれば一番だ。だが、この試合がそんな風に済むとは安藤自身が微塵にも思っていないに違いない。その心構えが、安藤を勝利に導く。精神論を振りかざしていてもMMAは勝てないが、その部分に付け入るべき隙がある相手だからこそ、この試合は安藤にとって気持ちの戦いになる。

■ OFC22対戦カード

<ONE FC世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)
イゴール・シヴィリ(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
安藤晃司(日本)
ゾロパベル・“ゾロ”・モレイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ルイス・サッポ(ブラジル)
バフチヤル・アバソフ(アゼルバイジャン)

<ウェルター級/5分3R>
ドウェイン・ヒンズ(トリニダードトバゴ)
ウォーレン・デラック(南アフリカ)

<フェザー級/5分3R>
ロッキー・バトルバトル(フィリピン)
マーチン・ングエン(豪州)

<ウェルター級/5分3R>
ズリ・シラアワント(インドネシア)
ジェフ・フアン(台湾)

<ミドル級/5分3R>
ブライアン・ラフィク(フランス)
水野竜也(日本)

<フェザー級/5分3R>
キャリー・バロス(フィリピン)
メイジャー・オーバーオール(米国)

<フェザー級/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ワカー・アマール(パキスタン)

<女子アトム級/5分3R>
クリスティー・ギャナウェイ(シンガポール)
アデック・オマール(マレーシア)

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