【UFN16】吉田完敗、そびえ立つウェルター級トップ5の壁
12月10日(水・現地時間)、米国ノースカロライナ州フォートブラッグ基地では『UFC Fight Night FIGHT FOR THE TROOPS』が開催された。
【写真】コスチェックが右ストレートから間髪入れずに右のフックを叩き込み、吉田をKO。その実力を見せつけた (C) ZUFFA
UFCでは、2年振りとなる米軍基地からの中継。今大会は米スパイクTVで3時間の放送で、東海岸時間から太平洋時間まで4つの時間帯で同時に中継が始まる完全ライブ方式となっている。
そのメインイベントには、日本の吉田善行が出場。UFCで神の階級と称されるウェルター級トップ5に入る難敵=ジョシュ・コスチェックと激突した。吉田がコスチェックから勝利を挙げることができれば即ウェルター級トップ集団入りとなり、ファンの大きな期待を集めたが、そんな吉田を完璧に跳ね返したUFCウェルター級トップ5の壁。厳しすぎる現実が、吉田の前に、日本のMMAファイター達の前にそびえ立つ結果となった。
試合は、プレッシャーをかけていくコスチェックに、吉田は左のロー&ミドルを多用した。しかし、1R2分過ぎには、吉田をケージ際に追い込んだコスチェックが右ストレート一閃。一瞬腰を落とし、ケージで跳ね返るように立ちあがった吉田に対し、コスチェックは間髪入れずに右のフックを叩き込み、完全KO。10月25日の『UFC80』に代役出場、チアゴ・アウベスと激しい一戦を繰り広げたばかりのコスチェックが、圧倒的な力の差を見せつけた。
また、セミファイナルでは、ジョナサン・ゴーレー×マイク・スウィックによるウェルター級戦が行われ、スウィックがワンツーからのショートアッパーでゴーレーからダウンを奪う。と、倒れながらも必至にスウィックの足にしがみつこうとするゴーレーに、まさに“クイック”なパンチの嵐。時間にして33秒、スウィックが一気に勝負をつけた。
さらに、WEC世界ライトヘビー級王者スティーブ・キャントウェルがUFC初登場。キャリア6戦6勝でUFCデビューとなるラザック・アルハッサンを相手に落ち着いた試合運びながらも、最後の腕ひしぎ十字固めではタップしないアルハッサンの腕を歪な方向へと捻じ曲げ、戦慄のフィニッシュ。終わってみれば、実力者が実力通りに、それでいて、大きなインパクトを残した試合の連続となった。
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