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【HERO LEGEND】佐藤嘉洋<01>「身体能力が上がったんです」

Yoshihiro Sato

【写真】シュー・イェン戦にて連敗をストップ。現在の心境とこれからを佐藤が語る(C)Takumi Nakamura

5月17日(土・現地時間)に中国は広東省深圳(シンセン=シェンデン)市の深圳体育館で開催された同国最大のキックボクシング・イベント=英雄伝説のビッグショー「英雄伝説2014世界搏撃王争覇戦in深圳」に出場した佐藤嘉洋。

英雄伝説世界72キロ王座決定戦でシュー・イェンと対戦した佐藤は終始ペースを掴んで優勢に試合を進めたが、判定はジャッジ3名とも0-0のドロー裁定が下され、試合後にはイェンの王座獲得がアナウンスされた。しかし、佐藤陣営と英雄伝説の間で試合結果・裁定についての交渉が続き、再審議の末、大会から約2週間後、佐藤が暫定王者に認定される結末を迎えた。

試合後から暫定王座認定までの経緯は佐藤が自身のブログで詳細を説明している。MMA PLANETではイェンを圧倒した試合内容、そして今後の展望について聞いた。

――英雄伝説 世界72kg級暫定王座を獲得した佐藤選手です。大会後に試合結果が変更され、日本で暫定王座獲得の一報を聞き、認定証とベルトが届けられるという、今までになかった王座戴冠劇だったと思います。その経緯は佐藤選手がご自身のブログで細かく説明しているので、今日は試合そのものについて話を聞かせてください。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

――試合を振り返ると、1Rから佐藤選手がプレッシャーをかけ続けて、何度もイェンをコーナーに追いつめてパンチからローとヒザ蹴りで攻め込みました。2R開始直後にイェンがパンチで前に出てきたものの、その後は1Rと同様に佐藤選手が前に出続ける展開となり、3Rも佐藤選手がパンチとローでプレッシャーをかけ続けました。最終的にドローという結果でしたが、内容ではイェンを圧倒していたと思います。

「作戦がばっちりハマった感じはありますよね。すごくいい戦いが出来たと思います。もちろん反省点はありますよ、会長(小森次郎)とも話をしましたし。そういった課題はあるにせよ、自分らしい動きが出来た試合だったかなと思います」

――イェンは中国のトップファイターで、直近の試合ではマイク・ザンビディスにも勝利しています。正直なところ、もっと競った試合になることを予想していました。

Sato in Chaina【写真】もっと競った内容になるかと予想された試合。予想外に佐藤は自らのペースで戦い抜いた。もっとも試合後の流れはもっと予想外だったに違いない(C)CFP

「僕もあそこまで圧倒できるとは思っていませんでした。2012年にK-1MAXで城戸(康裕)と戦った時も、最後は城戸がバックブローで倒していますが、それまではほぼ互角だったので、自信になりましたね。イェン・クラスの選手は圧倒できるんだなっていう。そういう力がついてきた…ではなくて戻ってきました」

――とはいってもイェン戦の前はブアカーオ・バンチャメーク、ジャバル・アスケロフ、ペットマンコン・ガイヤーンハーダオに敗れて3連敗中でした。それまでのスタイルを貫くのか。それとも新しいスタイルに着手するのか。その分岐点だったと思います。

「本当にキツい時期でしたけど…今更スタイルを変えても、という気持ちもありました。自分のスタイルを維持しながら、プラスアルファを積み上げる。そういうつもりで練習を続けました。今回の試合で1Rに二段蹴り、サンダー・デス・キックを出したんですけど(笑)、あれはずっと練習していた技なんです。野杁正明や高橋幸光の二段蹴りを参考にして。ちゃんと当たれば一発で終わるし、相手にアレがあると思わせればローも当たります」

――他に今だから言えるイェン戦に向けて準備してきたものはありますか。

「右ストレートですかね。ちょっとワンツーの打ち方を変えてみたら、自分の肘が痛くなるくらい右ストレートの威力が上がりました。『おお…こんなん始めてや!』と感動しました。試合では当たりませんでしたが、これから山ちゃん(山崎秀晃)のような右ストレートを見せられるかもしれません」

――3連敗した試合も決して完敗したわけではなく、あと一歩のところで手が届かなかった、接戦と言える内容でした。

「僕は一昨年にも3連敗(シェムシ・ベキリ、サニー・ダルベック、健太)しましたが、あの時と今回では中身が全く違います。よく力が落ちている選手が『自分は落ちていない。まだ伸びている』と言うことがあるじゃないですか。僕も彼らと同じで自分のことを信じ切って、そう思っているんだと思います。でもそれを自分ではなく第三者から言われると嬉しいですよね。ちゃんと試合を見てもらえているなって。身体能力の面でも継続している秘密特訓のおかげで、アスケロフ戦の頃にはかなり向上していたんです」

――スピードや反応が上がっているのですか。

「身体のバネそのものですね。体質が変わって、うちの接骨院の院長にも『身体が変わりましたね』と言われています。確かにアスケロフ戦で出した飛びヒザ蹴りが今までにない打点の高さで、あの時はマットが柔らかくてクッションのようになっていたからだと思ったんです(笑)。でも実際はそうではなくて、僕の身体能力が上がっていたんです」

<この項、続く>

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