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【BFC34】テイクダウンで圧倒、ロンバードが王座防衛成功

2010.10.29

<BFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
ヘクター・ロンバード(豪州)
Def.5R終了/判定3-0(49-46、49-46、49-46)
アレクサンダー・シュレメンコ(ロシア)

サウスポーの両者、シュレメンコが左ミドルを見せると、前に出たロンバードが得意のラッシュをかける。ここを凌いだシュレメンコに投げを狙ったロンバードは、シュレメンコの左ミドルを掴み、フックを叩きこむ。

思わず後退したシュレメンコは、バックハンドブローを見せるが、空を切り、直後にロンバードがテイクダウンに成功する。ガードから亀になったシュレメンコにパウンド&エルボーを落とし、ロンバードが試合を優勢に進める。

シュレメンコが立ち上がっても、慌てずにすぐテイクダウンを奪い返したロンバードは、強烈なエルボーを落としていく。と、シュレメンコはスイープからバックへ回り十字を仕掛ける。これは前方に落とされたが、トップを取ったロンバードも序盤のようにエルボーを多用できない。ガードから足をすくう仕草を見せたシュレメンコに、ロンバードがタイミングを計って左エルボーを落としたところで、1Rが終了した。


劣勢ながら1Rを切り抜けたシュレメンコは、スタミナ不足を指摘されるロンバードに対し、どのように戦うか。いきなりバックハンドブロー、さらにスピニングバックキックを見せたシュレメンコ、この蹴りの直後に組みついたロンバードがバックを奪う。向き合ったシュレメンコを突き放したロンバートの左がヒット。しかし、直後の左フックにシュレメンコが右ハイを合わせる。

打撃オンリーの過去数戦と違い、テイクダウンを主体に戦うロンバードは、シュレメンコにギロチンの機会を与えず、1R同様にトップをキープ。ケージ際に押し込み、立ち上がろうとするシュレメンコを、逆に後方に倒したロンバードだが、抑え込むまでには至らない。

すぐに立ち上がったシュレメンコは距離を取り、左ハイキックを放っていく。ジャンピングニーを繰り出したシュレメンコが、着地したところで左右のショートフックを見せたロンバードは、ボディにヒザを受けながらテイクダウンに成功する。

エルボーを落としながら、2Rも攻勢のまま終えたロンバードだが、スタンドでスピードが遅くなったのは明らかだった。3R開始直前、レフェリーはドクターにシュレメンコがカットした部分のチェックを要請。出鼻がくじかれた形の両者とも、疲れが目立つなか、足を止めて単発のパンチを放ち、ロンバードがテイクダウンする。

クローズドガードをとるシュレメンコ、トップのロンバード共に動きが少なく、レフェリーがブレイクを命じる。スタンドで組みついたシュレメンコはニーを突き上げ、さらに左ハイを見せるが、ロンバードはテイクダウン一本槍。ロンバードが倒して抑えるという、動きの少ない試合に。

再度のブレイク後、試合はスタンドで再開すると、シュレメンコが後ろ回し蹴り、ヒザを見せるが、ここでもロンバードがテイクダウンを奪いラウンドを締めた。4R、額に大きなコブをつくったシュレメンコは、左へ下がりながらミドルを見せる。打撃で勝機を掴みたいところだが、パンチの打ち合いに持ち込めない。サイドキックや遠い距離からラウンドハウスキックを繰り出すが届かず、近づいてローを蹴るが、組まれてテイクダウンを奪われる。

八方ふさがりのシュレメンコは、立ち上がっては倒されるという試合展開を打開できない。バックを奪われたまま立ち上がったシュレメンコが、胸を合わせるが、そのままロンバードは反り投げを見せる。

立ち上がって距離を取ったシュレメンコは、ここでも直後の蹴りにテイクダウンを合わせられ、顔面にエルボーを受ける。手を広げ、何もしてこないとレフェリーにアピールするシュレメンコだが、その攻撃を招いているのは彼自身だ。ブレイクがかかり、スタンドに両者が戻った直後に4R終了のゴングが打ち鳴らされた。

5R開始直前、またもドクターにシュレメンコの傷のチェックを要請したレフェリーにブーイングが送られる。チェック後、左ジャブから組みついてヒザを見せたシュレメンコ。最終回とあって、ついに打ち合いに応じる構えを見せる。近距離でパンチを受けながら、自らもパンチを繰り出したシュレメンコに、ロンバードも拳を返していく。

左ジャブの連打から、右ハイを見せるも空振りに終わったシュレメンコ。ロンバードの左フックも空を切る。飛び込んでパンチを当てたシュレメンコに対し、ロンバードは左フックで待ち構える。シュレメンコの左ハイをキャッチし、バックに回ったロンバードはロールしながらグラウンドへ。

立ち上がったシュレメンコが左フックを思い切り振るうと、ロンバードは初めて逃げのテイクダウンを仕掛ける。シュレメンコをケージに押しこんだまま動かないロンバード、レフェリーはついにスタンドの組み合いでもブレイクを命じる。

バックフィスト、左右のフックと前に出るシュレメンコに対し、足を使って距離を取るロンバードは残り15秒で、ジャンピングニーをキャッチしテイクダウン。立ち上がったシュレメンコのバックを制したまま、チャンピオンは5Rの戦いを終えた。

判定は当然、3-0でロンバード。「シュレメンコはタフだった。言い訳はしないけど、万全じゃなかった」と試合を振り返ったロンバードは、ストライクフォース世界ミドル級王者=ジャカレに対戦を呼びかけた。

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