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【Interview】OFC出場、BJ(前編)。「評価をひっくり返すチャンス」

2013.01.26

BJ

【写真】2005年11月のユーフォリア=アトランティックシティ大会以来の海外での試合に臨むBJ (C)MMAPLANET

2月2日(土・現地時間)のマレーシアの首都クアラルンプール、スタジム・プトラで開催されるOne Fighting Championship07「Return of Warriors」に出場が決まったBJ。

日本の56キロ級を支え続けてきた3強の一角が、負傷を経て7年2カ月振りとなる海外での試合。BJに現在の心境を聞いた。

――OFCクアラルンプール大会出場を控えているBJ選手です。今回の試合が決まったのはいつ頃でしょうか。

「最初は12月に試合があると聞かされていたのですが、色んな事情があってなくなってしまいマネージメント・サイドから、『年が明けてからのイベントに話を振ってみます』と聞かされていました。そして、昨年の終わりごろに2月2日に決まったという連絡があったんです。

それでもあるのかないのか分からなかったんですけど、正式発表されたので、ルールとかも調べ直しました。結構、過激なルールですよね」

――そうですね、サッカボールキックもエルボーもある。

「最初は面倒くさいな……なんて思っていたんですけど、対策を練って練習していくうちに自分に合っていると感じるようになりました。制限が少ない分、自由に動けるっていう風に」

――WEC時代から水垣偉弥選手のセコンドに就き、米国へ何度も足を運び、北米への挑戦を掲げてきたBJ選手が、ここにきてアジア、OFCを戦場に選択した理由を教えていただけますか。

「元々、僕は修斗でやっていくつもりだったんですが、水垣のセコンドで北米に行くようになって、フライ級ができるという話が聞かれるようになりました。日本で戦うことがマンネリ化、倦怠期に入ったような感じがあったので、チャレンジしてみるもの良いかなっていう気持ちでした。

ただ、フライ級がなかなか始まらないなか、怪我をしてしまい、タイミングを逸してしまいました。その間、ウルシさん(漆谷康宏)がUFC行きというチャンスを手にし、僕は僕で自分の道を見つけないといけないと思っている時に、OFCの人達が拾ってくれたんです」

――そのマンネリ化に関係している部分ですが、修斗バンタム級(=56キロ級)でBJ選手、漆谷選手、そしてマモル選手の3強時代が長く続いていました。2人のライバルが、UFCやUFCへ行く前にKOTCやTPFで試合を重ねているなか、負傷からカムバックしたBJ選手は、昨年3月に修斗で韓国のジョ・ナムジン選手に敗れてしまいます。あの時は『BJは大丈夫か』という声も聞かれました。

「あの敗北は進退を考えるほどショックでした。調子は良かったのですが、最後の調整の詰めの部分で失敗し体調が悪いままリングに上がり、記憶もぶっ飛んでしまって――。途中から試合内容も全く覚えていないんです。

わけの分からない状態で戦い、気が付けば判定負けをしていたということで、本当にショックでした。これからどうしようと思い、気持ちもチグハグになっていましたね。そうこうしているうちに、グランドスラムの朝練習に来る選手たちが増えて来て、色々な人達の動きを見るようになりました。

そのなかで自分の動きを見直して、考えながら練習していくうちに、また北米や海外でやっても大丈夫かなっていう自信がついてきたんです。それぐらい技術もついていけるようになったので、去年の3月と同じ評価をされているようなら、逆にひっくり返す良いチャンスだと捉えています」

――BJ選手の修斗王者時代、これは他の選手にも当てはまるのですが、日本人相手にパワーで押し切る試合をする選手は、海外のより体力のある選手と戦った時、いつものような戦いができないという風に感じていました。体力で海外勢を凌駕するファイターも出現していますが、そうでないケースでは厳しいと。

「その通りだと思います。僕もパワーで制してきた者は、パワーで押し切られてしまうと感じていました。水垣の試合を見ても、そう感じた部分はありました。で、なぜ日本人が北米や海外へ行くと勝てないのか、ずっと考えていました。

そうすると日本人しかやっていない動き、北米へ行くと向こうの選手がしない動きがあることに気付いたんです。それこそ、パワー以外の部分で補えるモノじゃないかと。そこを取り入れて練習していくと、何となく形が見えてきたものがあります。それを次の試合で試してみたいですね」

――ケージやヒジという部分で、目指すものが同じ選手たちが多くなってきたという感覚はありますか。

「あります。練習内容も変わってきました。ただ5分のスパーリングを繰り返すのではなく、シチュエーション・スパーや時間、リズムを変えて練習するようになり、日本人選手のなかでも北米でやっていけるというヒントを掴んできた者がいる。自分もその一人であれば良いなと思って練習をしています」

この項続く。

■OFC「Return of Warriors」対戦カード

<OFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
エリック・ケリー(フィリピン)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)

<フライ級/5分3R>
レイ・ドーヨーゲン(フィリピン)
BJ(日本)

<ライト級/5分3R>
ヴィシール・コロッサ(南アフリカ)
ローウェン・タイナネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
レオ・クリシュナ(インドネシア)
ピーター・デイビス(マレーシア)

<ウェルター級/5分3R>
ズリ・シラワント(インドネシア)
アダム・カユーン(マレーシア)

<バンタム級/5分3R>
タン・ブー(豪州)
レイモンド・タン(マレーシア)

<マレーシア・フェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
レイモンド・チュウ(マレーシア)
メルビン・イェオウ(マレーシア)

<マレーシア・フェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
AJ・リアス・マンソール(マレーシア)
ジャン・カイチー(米国)

<フライ級/5分3R>
ジアンニ・スッバ(マレーシア)
サイフル・メリカン(マレーシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジェイク・バトラー(米国)
アントーニ・ロムロ(インドネシア)

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