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【Gladiator022】Road to ”Road to UFC”=パン・ジェヒョク戦へ、河名マスト「自分を信じて戦いたい」

【写真】色々あった計量、パン・ジェヒョクの視線が今からすると――そういうことなのかと納得できる (C)MMAPLANET

11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022でフェザー級王座決定トーナメント準決勝戦=河名マストが、パン・ジェヒョクと戦う。

鳴り物入りながら、「苦労する」――そんな評判のなかで、文字通り泥臭くキャリアを積みかさね、LFAで跳ね返された河名がアジア路線のグラジで王座を狙う。もちろん、その先にはRoad to UFCとUFCという絶対的な目標が存在している。

絶対的な組み力を如何にMMAに活用、いや転用するのか。進化した姿を見せる、そんな真価が問われるパン・ジェヒョク戦が決まった直後に行った河名インタビューをここでお届けしたい。


──グラジエイターに初出場、パン・ジェヒョクとフェザー級王座決定T準決勝を戦います。昨年11月の寿希也戦からここまで試合期間が空き、グラジエイターに出場となった経緯というのは?

「Road to UFCに出場できるのか。そこを待っていました。最初はメンバーに入れるというところから話が進まなくて、50/50という気持ちでいたのですが『出られない』という空気が強くなりました。結果、出場できなかったですが、そこから気持ちの切り替えは早かったです。

BRAVE CFとかUAEWなど中東で戦おうと考えて。マネージメントも、組めるかもということだったので。中東は日本で戦うよりも目に留まる。結果を残せば、インパクトがあるだろうと考えていました」

――それでも日本、そしてグラジ参戦となりました。

「今回のRoad to UFCではベルトを持っているのが判断基準になったように感じました。だからベルトを獲るということが念頭にあって。どこでベルトを狙うか、そこを思案していた時にグラジエイターからオファーがありました。ベルトが掛かったトーナメントで、外国人選手を呼んでくれる。去年、LFAで戦って外国人選手と戦う経験が必要だと感じていたのですが、そうなると中東でやろうが、日本でやろうが場所は関係なくなるので。

グラジエイターは実際にチャンピオンがRoad to UFCに出ていますし、自分が目指すところに向かう階段に確実になっていると思います。ちゃんと実績を残せば北米のメジャーに目に留まるのは明らかで、ただし今そこに引っかかってくるのは韓国人だったりモンゴル人だったりしているので、そこに自分が引っかかるように戦います」

――初戦で戦うバン・ジェフンは韓国人選手で、もう一人の外国人選手はモンゴルのダギースレン・チャグナードルジです。アジア圏の選手と戦うことに関しては、どのように思っていますか。

「今回戦う韓国人選手は、海外の選手にありがちな雑さがあって、際で強くて粘ることができると思いました。僕と戦うと誰もがそうなのですが、組みを拒否してきます。その拒否力が高いです。亀井(晨佑)選手との試合は、そういう試合にならなくてボクシングで突き放されたと思います」

――対して、透暉鷹選手との試合では組みを切って打撃を入れるという部分で強さを見せていました。そして、倒されても立ちます。

「倒しても立たれるというのは、倒し方に問題があるのかと思います。そこは寿希也戦前までは綺麗に投げる……レスリング的には相手にケガをさせないようにフォールを取れるように投げていたのを、如何に投げるときにケガをさせるのか。相手が立ちづらいように投げて落とすというのを寿希也戦で少し出すことができたので、今回もそこをしつこくやろうと考えています。相手がもう立ちたくないと思うように投げて、ダメージを与えようと思います」

――レスリングではケガをさせないように投げていたというのが、新鮮に聞こえます。

「そういう投げを使うと、自分もバランスを崩してケガをする可能性が出てきます。そうなるとレスリングという競技は成り立たないので。そこの綺麗さを捨てた、汚く相手を傷つける投げを出せると思います」

――つまりは組んでからの話で、そこまでの成長具合が気になるところです。

「う~ん、受け返しを一般会員さんのクラスでも丁寧にやるようにしています。プロ練習で受け返しを意識しても、それ以前の問題だったので。それすら恐怖が優ってできないので、それを一般会員さんのクラスで一からやってきました」

――もう勇気だけで向かっていた時期とは違うと。

「ハイ。無謀とは違うかと思います。立ち姿と目線、相手を俯瞰して見て自分の姿勢を崩さない。殴られると殴り返すか、組み返す。そこを丁寧にやろうと練習してきました」

――パン・ジェヒョクは打撃で出てくるファイターなので、そこが如何に成長しているのか試金石となる試合ですね。

「相手が思い切り振ってくれればくれるほど、自分が触ることができる機会は増えると思います。相手からすると、組まれても大丈夫だから思い切り殴ってくるわけで。相手がそういうつもりでいるなかで、組んだ時のプレッシャーが相手の想定より上だったら、もうこの試合は取れるんじゃないかと思っています」

――前に出てパンチを当てた方が勝つ。そのような思考で、今回も来ることが予想されます。

「だからこそ、付け入る隙が出てきます。相手が振って、組み返すことが勝利の方程式だとすれば、そこで組み勝てば向こうに切れるカードはない。そこでグゥの音も出ないほど完封できればと思います」

――実際問題、グラジのベルトはRoad to UFCへのチケット。その切符を手にするために、この2試合で何を見せないといけないと思っていますか。

「まず最低条件として、絶対に勝つこと。勝たないといけない。その勝ち方も、これまで通りずっとコントロールし続けるうえで如何に極め技に持って行くのか。それとも倒してダメージを与えるのか。それをこの2試合で見せないといけないことです。

ストレートを当ててKOができれば良いです。でも、そんなことできないので自分がこれまでやってきた形のなかで、コントロール+フィニッシュにいくことで相手も疲れる。もちろん、自分も疲れるのですが、フィニッシュにいくことがコントロールにつながり、コントロールすることがフィニッシュにつながると思っています」

――去年の1月にFight&Lifeで中村倫也選手と対談をしてもらい、あの時に倫也選手は「最長で2年でUFCに行く」と宣言して実現させました。対して河名選手は「最短で2年」と発言し、ここで王者になってRoad to UFCという道が開けば3年目のUFCはありえます。

「そう考えると、現状は……今年のRoad to UFCに出たかったけど、それが可能になればラッキーで。だから、今ここにいることは遅くはないと感じています」

――ところで今日、練習を見させてもらい意外だったのが、練習仲間から『スッと諦めることがある』という発言が聞かれたことです。

「アハハハハ。練習でやったことしか、試合で出ないです。でも、勝負ということを考えると練習と試合は違う。練習で弱くても、試合で強い場合もあって、その逆の人もいます。そういう意味で、僕は試合で自分の力を信じて出せると思っているので、出し切って勝つ。試合で諦めることは絶対にないです。

LFAまではただ無謀に突っ込んでいました。今は怖さを知った上での勇気です。少しは変わることができた思っているので、自分を信じて戦いたいです」

――では、このトーナメントへの意気込みを改めてお願いします。

「打撃からレスリングでコントロールするなかで見る人が見たら分かる――『ここで明らかにダメージを与えた』、『この動きはフィニッシュにつながっている』というのを自分の頭のなかで想像していて。それを表現できればなと思います」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022計量結果

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド:63.95キロ
今村豊:63.95キロ

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆:61.0キロ
田中壱季:61.05キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:56.5キロ
廣瀬裕斗:56.7キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.75キロ
天草ストロンガー四郎:65.6キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原克也:60.9キロ
別所竜弥:61.2キロ

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄:66.05キロ
徳野一心一馬:65.95キロ

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一:61.2キロ
テムーレン・アルギルマー:61.1キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト:66.1キロ
パン・ジェヒョク:65.55キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
ダギースレン・チャグナードルジ:66.1キロ

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉:61.65キロ※再計量
ジェイソン・マルガリョ:61.45キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士:76.35キロ
網藤雄太:76.55キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂:76.2キロ
加賀谷庸一朗:75.9キロ

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長:61.45キロ
溝口司:61.00キロ

<フライ級/5分2R>
江木伸成:56.3キロ
空:56.55キロ

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎:65.8キロ
藤岡陸:65.95キロ

<ライト級/5分2R>
後藤丈季:70.5キロ
水野翔:69.8キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.9キロ
直島弘昌:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
安枝匠:59.45キロ
吉田開威:61.15キロ

<ストロー級/5分2R>
田中優樹:51.75キロ
武尊:51.65キロ

<フライ級/5分1R>
MASATERU:56.25キロ
塩谷尚也:56.2キロ

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太:56.25キロ
西村剛:56.2キロ

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