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【UFC108】スタウトが打撃で兄ローゾンの持ち味殺す

2010.01.03

Stout■第7試合 ライト級/5分3R
サム・スタウト(カナダ)
Def.3R終了/判定
ジョー・ローゾン(米国)

【写真】揃って敗戦を喫したローゾン兄弟。スタウトはUFC戦績を4勝4敗の五分に戻し、試合前に自ら語った「王座挑戦まで、正しいプロセス」という試合での勝利だった (C) ZUFFA

試合開始早々、左オーバーフックから、組みついてテイクダウンを奪ったローゾン。ハーフガードのスタウトにパウンドを落とし、続いてエルボーを見舞っていく。

ローゾンが立ち上がりパウンドを落とそうとしたところで、スタウトは距離ができ、自らも立ち上がろうとする。そのためにスタウトがキャンバスに手をつけると、ローゾンはその左腕をめがけ、突進しながらアームロックへ。回転しながら腕を捻りあげたローゾンだが、スタウトはそのまま前方に3回転してエスケープに成功する。


右目尻をカットしたスタウトは、低く潜り込んでシングルレッグを仕掛けてきたローゾンにパウンドを落とす。尻持ちを突いたものの、立ち上がりニーをボディに入れたスタウトに対し、ローゾンはテイクダウンが決まらなくなる。テイクダウンを潰されたローゾンは、自ら引き込むようにガードポジションの態勢に。頭を上げて、立ち上がったスタウトはスタンド戦を望み、ローゾンのテイクダウン狙いをディフェンスしながら、左ボディフックや右ハイを放っていく。

ローゾンの右に左を合わせるスタウトに対し、徐々に劣勢に追い込まれたローゾンはスピニングバックフィストを受けてラウンドを終了する。

2R、打撃戦に付き合わされ、思うように攻められないローゾンだが、左ハイキックが顔面をかすめた直後にダブルレッグでテイクダウンを奪うことに成功する。頭を押さえ立ち上がったスタウトは、距離をとって再び打撃戦へ。

それでもローゾンは、スタウトの右ミドルをキャッチしてバックを奪うが、すぐに向き合わされ距離を取られてしまう。ローゾンは懸命にパンチを振るうものの、打撃戦となると威力はやはりスタウトが上。ローゾンがガッチリ顔面を固めると、ここぞとばかりローを蹴るスタウトが完全に試合をコントロールする。

遠い距離から飛び込み、そのままハーフガードの態勢に入ってローゾンは、フックガードの態勢をとるが、スタウトは当然のように距離を取って立ち上がる。徹底してテイクダウン・アテンプト自体を殺そうと試みるスタウトは、アッパーを放つ確率が高くなる。遠い距離からしか組み付けなくなったローゾンは、テイクダウン狙い→ガードとポイントを絶対に奪えない攻撃を繰り返し、試合は最終ラウンドへ。

最終R、やみくもにパンチを放ちシングルを狙ったローゾンだが、テイクダウンを奪えず立ち上がると、ここでもスタウトの打撃の餌食に。ローで体が折れ、いよいよ追い込まれるローゾンにヒザを突き上げたスタウト。ポイントリードを頭に入れ、自信満々にパンチを振るうスタウトは、安全圏から左フック、ロー、右ストレートを放ち、ダブルレッグは思い切り、振り払った。

前に出て、打撃を喰らい続けるローゾンは、ほとんどサンドバック状態だが、残り2分になるとテイクダウンに成功し、傷口を狙ってエルボーを落としていく。ハーフからマウントを奪ったローゾンは、上半身を起こし、腰を押そうとしてきたスタウトにギロチンを仕掛ける。

これを逃げられスタウトが立ち上がると、カニばさみからヒールを狙ったローゾン。しかし、一か八かの飛び道具も察知され万事休す。残り時間30秒で思い切りアッパーを被弾し、立っているのが精いっぱいの状態に。最後の仕上げと、スタウトがパンチを連打したところでタイムアップとなった。

死力を尽くして戦ったローゾンだが、ジャッジの裁定は当然スタウト、30-27が2人、30-29が1人と、3-0でスタウトが判定勝ちを手にした。

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