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【UFC128】ジョーンズ、衝撃的な強さで王座奪取に成功!!

■UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R
[挑戦者]ジョン・ジョーンズ(米国)
Def.3R2分37秒 by TKO
[王者]マウリシオ・ショーグン(ブラジル)

タイミングがずれながらも、しっかりとオクタゴン中央で握手を交わした両者。いきなり飛びヒザ蹴りを見せるジョーンズに対し、ショーグンは落ち着いてこれを受け止め、その後のハイキックをガードする。

しかし、ジョーンズは組みついて、腰をコントロールすると、後方に倒すようにテイクダウン。ガードワークも得意とするショーグンは、ハイガードを見せるもジョーンズが担ぐように一本足を超えていく。

ここでハーフから潜ると、得意のダースが待ち構えているため、なかなか動きが取れないショーグンにジョーンズはエルボーとパウンドを落としていく。


クローズドに戻したショーグンだが、それでもリーチの長いジョーンズのエルボーは、彼の顔面に届く。エルボーとパウンドを繰り返すジョーンズは、ショーグンが亀の態勢になるとヒザをわき腹に見舞い、寝技に固執せず、立ち上がり際にも顔面を蹴り上げ、パンチ、前蹴りを打ちこんでいく。

呼吸を整えるショーグンに対し、攻め急ぐことなく打撃を入れるジョーンズは、スピニングバックエルボーを見せる。すると、ここでバックを奪った王者が、トキーニョばりのヒールを狙うも、ジョーンズは苦も無く足を引抜き、トップをキープする。

圧倒的な強さを見せつけたジョーンズは、2Rに入っても余裕の展開を見せ、スピニングバックエルボーからパンチ、さらにロー、左ハイと一方的にショーグンを攻めたてる。ショーグンが溜まらず組みついても、ヒザをボディに突き上げ、再び距離をとって左ボディフックを放っていく。

まっすぐ距離を詰めるしかできなくなったショーグンに、ジョーンズはサウスポーから前蹴りやローを見せ、オーソドックスに戻すとパンチを伸ばす。引き込むように下になったショーグンに、ジョーンズは構わずエルボーを落していく。口の下をカットし、眉間、鼻の横と傷が増えたショーグンは、ハーフながらロックアップ。ジョーンズは、脇を差し返し、エルボーを顔面だけでなくボディにも落していくと、大きくショーグンを跨ぎ、ヒザ十字を仕掛けるような仕種から鉄槌を落した。

3R、両目の下を腫らしたショーグンは、PRIDE時代のように肩を開いて連打を見せるが、ジョーンズはバックステップでかわしていく。すると、ショーグンはハイキックをかわしてバックへ回り込むも、ここで1Rと同様にヒールを狙って失敗する。ジョーンズのアームロック狙いはかわしたが、再びガードを強いられた王者。

挑戦者のパウンドの連打と、情け容赦のないエルボーがショーグンの顔面を襲う。頭を抱えて動きが鈍くなったショーグンは、それでも懸命に立ち上がる。しかし、ジョーンズはこの勝機を逃さず、左ボディフックから、ショーグンが崩れ落ちるところにヒザ蹴りを顔面に突き上げ、攻め続けた世界戦を完全勝利し、新UFC世界ライトヘビー級王座に就いた。

新チャンピオンは「夢が現実になった」と、感極まったような声を絞り出したが、その声が似つかわしくないほどの圧倒的な勝利だった。

また、ショーグンが自らの敗北を認めるしかないというコメントの後、チームメイトのラシャド・エヴァンスがオクタゴンへ。「これは僕の夢、やるべきことやるだけ」と、王座奪取の喜びがかき消されたように無表情となったジョーンズ。挑戦を煽るジョー・ローガンに、ラシャドも「僕は一度も、ソレを口にしていない」とコメントしたため、ブーイングを浴び、衝撃的な王座奪取に水を差すような雰囲気になってしまった感は拭えない。

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