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【UFC241】3年振りのオクタゴン。ネイト・ディアズはアンソニー・ペティスと殴り合うことができるのか?!

UFC241【写真】ガチガチの殴り合いにネイトが持ち込むことができるのか。また乗ってしまうペティスがいるのか (C)Zuffa LLC/Getty Images

17日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC241「Cormier vs Miocic 2」。メインで昨年7月にダニエル・コーミエーに敗れ、UFC世界ヘビー級王座を失ったスタイプ・ミオシッチが13カ月振りのファイトで、そのコーミエーに挑戦する一戦が組まれている。


コーミエーにとっては昨年11月のデリック・ルイス戦以来、2度目の同王座防衛戦となる。復帰といえばコメインでアンソニー・ペティスと相対するネイト・ディアスは、2016年8月のコナー・マクレガー戦以来、実に3年振りのファイトとなる。一度はあのマクレガーに殴り勝ち、絞めで勝利したネイトは自らの間合いでのボクシングで絶対的な強さを誇る。胸を合わせた状態での豪快な払い腰、寝技では上もさることながら下から三角、スクランブルでのギロチンと極めも強いウェルラウンダーだ。

一方でネイトの強みが発揮されるのは、打撃でも寝技でも相手ががっぷり四つで真っ向勝負に応じたケースだ。足を使われ、すかされ、防御に徹すると追い足を持たず、自分から相手を切り崩す術はあまり持たない。根っからのブロウラーが、強さと強さをぶつけ合う戦いで強さを発揮する──それがネイトのMMAといえる。

対してペティスも真っ向勝負上等だが、より現代MMAを消化したうえでのアグレッシブなファイターといえる。スイッチヒッターで両方の構えから前足、後ろ足で蹴ることができることで、自身はペースを握り対戦相手にダメージを与える。パンチの距離でいえばネイトが有利だが、この蹴りがあることでペティスは自らの制空権を支配することが可能となる。加えて、今年の3月にスティーブン・トンプソン戦でKO勝ちを手にしたスーパーマンパンチのように、制空権よりも遠い位置からの弾道弾も有している。

さらには勝負に徹し、ケージに押し込んで削り合いを挑むことも辞さないペティスを相手に、ネイトが我慢のファイトを覚悟できているのか。追い足のないスタイルが、この3年のブランクで変わることはないだろう。よってパンチのレンジよりやや外からの足技、さらに外側からの飛び技に対し、横に移動ができるか。これによって左ストレート以前の右リードフックをペティスのアウトから被せるような動きができれば、一気に戦局はネイトに傾くこともあり得る。

試合勘に関していえば、もともとアスリート・タイプでなく、ブロウラーのネイトは積み上げて練るというよりも、天賦の才に依って戦ってきた部分が多分にある。この3年の間にMMAいや、戦いが身近にあれば彼の勝負勘の低下はさほど見られないだろう。故に真っ向勝負は問題ないが、だからこそネイトが姿を見せなかった世界最高峰の舞台でシャーウス・オリヴェイラ、マックス・ホロウェイ、ダスティン・ポイエー、トニー・ファーガソンらと3つの階級で7試合もハードなファイトを繰り返してきたペティスとしては、エキスパート・スポーツの頂点に君臨するMMAファイターとして意地でも負けてはいられない。

その日々の鍛錬が、ネイトのキラーインスティンクトを打ち破ることができるのか。あるいは日進月歩のMMAを戦い続けてきたペティスの顔面を嘲笑うかのようにネイトの拳が捉えるのか。オクタゴンの中の事実を確認するしかない。

■ UFC241対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
【王者】ダニエル・コーミエー(米国)
【挑戦者】スタイプ・ミオシッチ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ネイト・ディアス(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヨエル・ロメロ(キューバ)
パウロ・コスタ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ガブルエル・ベニテス(メキシコ)

<ミドル級/5分3R>
デレック・ブルンゾン(米国)
イアン・ハイニッシュ(米国)

<ライト級/5分3R>
デヴォンテ・スミス(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ(米国)
クリストス・ギアゴス(米国)

<バンタム級/5分3R>
マニー・バーミュデス(米国)
ケイシー・ケニー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ハナ・シファーズ(米国)
ジョディ・エスキベル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ブランドン・デイヴィス(米国)
カン・ギョンホ(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
サビーナ・マゾ(コロンビア)
シェイナ・ドブソン(米国)

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