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【Grandslam07】さようならグランドスラム?!  相原代表×勝村P対談─01─「考え直す時」(相原)

Katsumura & Aihara【写真】対談の内容とは裏腹に明るい2人(C)MMAPLANET

25日(日)、東京都江東区のディファ有明でGrandslam07が開催される。

イベント開催が迫ってきた某日、グランドスラム相原雄一代表から勝村周一朗プロデューサーと共に取材をしてほしいという依頼があった。この時、胸に去来したのは──今大会が最終イベントになるということではないかということ。果たして、グランドスラムは3年8カ月で活動を停止してしまうのか。

団体でなく、単独イベントとして日本のMMA界に一石を投じたグランドスラムとは何だったのかを、改めて振り返ることとなった。


──このタイミングで、相原代表から勝村さんとの対談をお願いしたいという依頼があり、来たるべき時が来たということなのかと……あまり気が乗らない取材になってしまうのですが。

相原 そうですね……グランドスラムも今回が7度目の開催となり、これまでも多くの人の応援があってイベントを行うことができました。ただ、興行を行うという部分で状況は良くないのが事実です。それはグランドスラムだけでなく、日本のMMAプロモーションの全てがそういうなかで活動をしているのですが……。

そのような状況下で、グランドスラムは団体でなく選手を抱えない、束縛しないイベントとしてスタートをしました。そのイベントという単一大会で物語を完結させるスタイルが、日本のMMA界では確立させることが厳しいという状況が続いてきました。

同時に活動開始当初はケージの大会が少なく、「ケージで戦いたい」という選手の要望に応えるつもりでスタートしたのですが、今や日本のMMA界もケージが当然になっています。そういうなかでグランドスラムという大会が必要とされているのか?

必要がないのであれば、無くても良いじゃないか──とここで、一度考え直すタイミングが来たのかと思っています。

──……。

相原 自分たちの自己満足でイベントを続けても、逆に日本の格闘技界に迷惑を掛けてしまうかもしれないので。

勝村 相原さんはそのようなことを口にされる方ではないのですが、ケージで戦いたいから新しいイベントを始めて欲しいと言っていたはずの選手が、何かと理由があってグランドスラム出場がならないことが続きました。

──私もこの仕事をしてきて、少なからずグランドスラムが抱える事情は耳にはいってきたのですが、まぁ……色々とあったかと思います。つまり、次の大会がグランドスラムの最後のイベント開催になるということでしょうか。

相原 そこに関しては、「そうなる」とは言えません。

勝村 定期的というか、会場を抑えているので選手に声をかけてイベントを開くという形式は最後で良いかと考えています。でも、最後ではないです。

相原 最後なら最後としっかりとお伝えして、同情票でチケットを買うようにします(笑)。

勝村 最後っていうと、もうできなくなってしまうので。でも、僕も相原さんもグランドスラムらしい形でイベントを開くことができればという考えは持っています。

相原 そうですね、そういう気持ちはありますし、嘘はつきたくないので、今回が最後とは言いません。

Grandslam 思い出の一番──ビクター・ヘンリー×所英男。第1回大会

Grandslam 思い出の一番──ビクター・ヘンリー×所英男。第1回大会

──グランドスラムらしい形というのは?

勝村 さっきも話したように、もともとは選手の要望で始まった大会です。海外から戻ってきた選手が一旦、日本で試合をする。出場してきた団体で、目標を見失いがちなので一度見つめ直す。そして、戦っていきたい先を考えた試合を戦う。

それがグランドスラムのコンセプトでした。いつの間にか僕たちも会場を抑えたから、イベントをやらないといけないという風になっていたのが、去年の10月にノリ(田中路教)が日本で1試合したい。でも、既存の団体の枠に入る試合でないところで戦いたいという気持ちを訊き、急遽会場を抑えるところから2カ月半ほどであの大会を迎えました。

──その結果、素晴らしい雰囲気のイベントとなりました。

勝村 前回の大会は、グランドスラムが原点に戻った気がしました。そして、そういう大会を開いてほしいという選手の声もあります。だから、今回が最後ではないのですが、そういう声が出て来て、僕と相原さんが衝き動かされるようならイベントを開く。そういう方向性になるのかと考えています。

相原 準備と環境が整えば、グランドスラムをやらないというわけではないですし、ここで一旦考えなおそうと言う区切りのイベントになるわけです。

Grandslam 思い出の一番──安藤達也×芦田崇宏。第2回大会。

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──ディファ有明が使用できなくなることも、考え直す要因の一つになっていますか。

相原 それは大きいです。朝から1日会場を借りて、ケージを組み、アマチュアからサバイバー、そして本戦をやるというのがウチの流れなので。後楽園ホールではウチはできない。だから、勝村さんのいった特別な想いになるイベントですら、会場探しはこれまで以上に苦労することになります。

──正直、日本のMMAはなかなか状況が好転しない。そのなかで選手もジム関係者も、現状に満足できない状況があるなかでパンクラス、修斗、DEEPとの関係が非常に大切であるということが、グランドスラムの状況を見て私も知ることができました。

勝村 だからこそ、僕が修斗からZSTで戦うようになったように、何かのきっかけに試合って存在すると思うんです。そういう風に選手やジム関係者にはグランドスラムを使って欲しかったです。どうしても、3つのプロモーションでは補えきれない選手が出て来るはずなので。

相原 3つの団体には伝統のあるベルトがありますし、やはりそれは皆さんが築いてきた歴史ですから。そこを主戦場にする選手が、ジムの看板選手になるのも理解しています。

Grandslam 思い出の一番──小見川道大×中村ジュニア。第3回大会。

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その一方で、勝村さんが先ほど言われたノリ君、RIZINに出たかった伊藤(盛一郎)選手、ONE後の上田(将勝)選手、所(英男)のようなグランドスラムの使い方を選手も持ってくれれば良かったのですが……。

上田選手は恩義を感じてくれて、その後も試合を受けてくれたこともありましたし。そういう選手との関係を望んでいると、既存のプロモーションからは「甘いこというな」となるのかもしれないですが。

──単体で完結するグランドスラムは、前後の流れが必要でないので、その大会に出る選手をその場だけといわれようが、大いにプッシュして大会を開き、定期イベントとは違う意味で余韻が残ることもしばしあったかと思います。

相原 グランドスラムは必ず名勝負が生まれるというのは自画自賛ですが、そういう部分はあったかと思います。ただ、そこを理解してもらえなかったのもは、我々にも足りない部分があったのでしょうね。

勝村 歯車でない、軸になる試合を組んであげることはできるのですが……。難しいですね……。やはり美味しいとこ取りと思われたのも知れないですし、厳しい反応もありました……。僕はジムをやっている人間なので、そういうイベントがあれば良いと思ったので、一緒にやらせてもらったのですが、やはりジムの方針として違うところは当然のように存在しましたしね。

今回の長南(亮)のように、佐藤(天)選手はパンクラスで次はタイトルマッチだろうという状況でも、試合間隔が空き過ぎるということで試合をするという方針のジムもありますし。だからって、皆に長南のような方針になってくれとは言えないですけど、パンクラスで間が空くからグランドスラムで試合を組むという風に、この大会を使ってくれるのは有り難いことです。

相原 田中選手はそうやってACBという流れを作ってくれましたしね。グランドスラムを上手く使ってくれると自分達も嬉しかったです。ロシアまで応援は行きませんが(笑)。

<この項、続く

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