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【ADCC2017】女子60キロ級 湯浅麗歌子、ニコリニと互角の激闘。その力を見せつける

Rikako Yuasa【写真】体重差のある戦い、ビッグネームとの戦いで湯浅はその実力を知らしめた(C)SATOSHI NARITA

9月23日(土・現地時間)と24日(日・同)の2日間、フィンランドのエスポーにあるエスポー・メトロ・アリーナでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・レスリング選手権が行われた。

2年に1度のノーギグラップリングの世界最高峰の舞台で行われた戦い。ムンジアル黒帯3連覇中の湯浅麗歌子が2階級重い──かつての女王との激闘の展開した女子60キロ級の模様をお伝えしたい。


<女子60キロ級1回戦/10分1R・延長5分>
ミシェル・ニコリニ(ブラジル)
Def. by レフェリー判定
湯浅麗歌子(日本)

今年のムンジアル女子ルースター級を制して世界3連覇中の湯浅は、2階級上の柔術世界王者にして、ADCCでも13年優勝、15年は準優勝を飾っているニコリニと一回戦で対戦することに。両者は前回大会の一回戦でも顔を合わせており、この時は2-0でニコリニが勝利している。

01向き合うとかなりの体格&身長差のある両者。試合開始後、ニコリニが座る。湯浅はその足を越えようと前に踏み込むが、ニコリニはバタフライで引っ掛けて崩す。ニコリニが上は取らずにダブルガードの状態になると、湯浅はベリンボロで潜り込んでからトップを伺う。と、そこにすかさずギロチンを合わせるニコリニ。湯浅は頭を抜くと、腰を上げて三点で支えてのパスを仕掛けるが、ニコリニは距離を取って防ぐ。湯浅は続いて足関節狙いで後方に倒れこむが、極まらないと見るやすぐに戻る。ならばとニコリニがすぐさまオモプラッタ。対して、湯浅も素早く前方回転で逃れてみせた。

02両者のノンストップ・バトルはまだまだ続く。湯浅が前にプレッシャーをかけると、ニコリニはバタブライから後方回転して上に。逆にパスを仕掛けるが、一旦引いてシッティングへ。湯浅はまたしてもベリンボロ狙いから上になると、今度はレッグドラッグで横に付きかける。ニコリ二がエビで戻すや、湯浅が上から飛び込むようにギロチンを狙っていく。

03ここはニコリ二が防いだが、ふた回り大きな元世界王者相手に、湯浅は全く臆することなく様々な攻撃を仕掛け、加点時間帯に入った。クローズドガードを作り、かんぬきで湯浅の動きを止めたニコリニは、そこから三角絞めやオモプラッタを仕掛けるも、湯浅は背筋を伸ばしヒザを入れて防御する。オモプラッタに固執したニコリニをステップオーバーして防いだ湯浅は、足を取って倒れこむ。逃れたニコリニが上になるが、これは湯浅が自分から足関節を狙ったということで得点にはならなかった。

ここからニコリニは腰を高く上げ、三点でバランスをとってのヒザ抜きパスを狙うが、湯浅は足を効かせて防ぐ。それでもニコリニはヒザを抜いて横に出ようとし、湯浅は逆にワキを差して上を取ると、素早く亀になったニコリニの背後に。ニコリニはフックは許さない。

サブミッションやパス&スイープの攻防において一歩も退かない湯浅は、スクランブルでも体格上のニコリニと互角に渡り合っている。やがて湯浅を前に落としたニコリニは、再び腰を上げてのパス狙いへ。

04湯浅は後転して上になるが、ここもポイントは付かず。さらにパスを狙う湯浅をニコリニは足で浮かせて崩そうとする。湯浅はボディバランスで上をキープし、攻めの姿勢を崩さない。片足担ぎからサイドに付きかけた湯浅、ニコリニは足を戻す。ならばと湯浅がダイブしてバックを狙ったところで10分が経過し一進一退、両者が動き続けた本戦が終了した。

05延長戦。引き込みがマイナスポイントとなるなか、立ちでも果敢に挑む湯浅は思い切りの良い内股に。これでバランスの崩れたニコリニのバックに付きかけるが、次に湯浅は腕十字を狙おうとしてすっぽ抜けたか、相手の頭をまたごうとする。ここでニコリニが背後から組みつき、湯浅を捻り倒すように上に。湯浅から仕掛けた動きの中でニコリニが上になったからか、これもポイントは付かず。

06またしても腰を上げてのヒザ抜きを狙うニコリニと、足を効かせる湯浅という攻防に。体格差で潰されそうになる湯浅だが、ハーフで絡んで戻すとスパイラルガードに。そこから内回りでニコリニの股間に入って崩して上を狙う。対してニコリニは上半身の圧力で押し返して上をキープ。

07残り時間わずかとなったところで、湯浅は反転させて下からニコリニの足を取りにいく。倒れたニコリニの足を持って立とうとする湯浅だったが、ニコリニも立ち上がる。湯浅はすかさずその背後に飛びついて倒そうとしたが、崩せずに延長もタイムアップに。

レフェリー判定は、上を取ってパスを仕掛ける時間が長かったニコリニに。しかし、体格差を超えてありとあらゆる手段で攻撃を仕掛け、スイープ、パス、サブミッション、スクランブル、テイクダウンと全ての局面で一歩も退かなかった湯浅は、その実力を改めて見せつけた。

08体格差を覆し、勝っていてもおかしくない戦いを見せた湯浅。層の薄いルースター級故にスポットライトが当たり辛い状況があるものの、柔術・グラップリングにおける女子のパウンド・フォー・パウンドランキングを作ってみるならば、彼女は間違いなく世界一に近い場所にいる──そう思わせるような激闘だった。

この後、この階級はニコリニは次戦=準決勝でベアトリズ・メスキータのヒールで敗北。決勝はそのメスキータがビアンカ・バジリオをチョークで仕留めて優勝を飾った。

■リザルト
【女子60キロ級】
優勝 ベアトリズ・メスキータ(ブラジル)
準優勝 ビアンカ・バジリオ(ブラジル)
3位 ミシェル・ニコリニ(ブラジル)
4位 エルヴィラ・カルピネン (フィンランド)

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